1. はじめに
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自己紹介:
- おつかれさまです、tyamonです。
- 普段は製造業の社内SEとして、CADや技術文章を扱うPDM/PLMの開発・保守、AWSの管理・運用、AWSを用いたAI・IoT・スマートファクトリー、社内のDX活動に携わっています。
- 上記以外にもPowerAppsを用いた市民開発やパソコンのトラブル対応、社内の困りごと相談(IT以外も)を受けるなど、幅広い範囲で業務を行っています。
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記事の目的:
- 古いアプリケーションが今も多く動いていることが多い製造業において、いかにして「Amazon Q Developer Pro」導入に至ったか、その経緯と効果を共有します。
- 同じような境遇(古いアプリケーションとか、コストとか...と止まっている方)の参考になれば幸いです。
2. 背景:なぜAmazon Q Developer Proなのか?
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これまでの試行錯誤:
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第1段階: Copilot(Edge)を利用。
- 課題:IDEと直接連携がないため、コードのコピペ等の手間がかかり、効率が上がりきらなかった。
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第2段階: VS Code + Cline + AWS Bedrock でのPoC。
- 若手メンバー数名でトライアル実施。
- 感触:「使える」という手応えはあった。
- 課題1:コスト。BedrockのAPI利用料(従量課金)が予測しづらく、コスト増の懸念。
- 課題2:開発環境の不一致。稼働しているソフトの大半が.NET Framework。開発はVisual Studioがメインのため、VS Codeでは効率が悪かった。
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第1段階: Copilot(Edge)を利用。
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選定プロセス:
- 条件: Visual Studioで動作可能であること。コスト管理がしやすい(または既存の支払いに組み込める)こと。
- 候補: GitHub Copilot vs Amazon Q Developer Pro。
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決め手:
- 社内の一部ですでにAWSを利用していたため、アカウント管理や請求処理の観点で初期導入のハードルが低かった(Amazon Q Developer Proを選択)。
3. 導入後の効果
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AIモデルの性能:
- Copilot(Edge)より上位のモデルが利用できるため、初回からAIの回答精度が高い。
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Visual Studio連携による効率化:
- IDEから直接AIを呼び出せるため、機能追加・バグ修正・リファクタリングの作業サイクルが格段に早くなった。
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具体的な活用シーン:
- 仕様書のないレガシーコードの攻略: 存在している不明なAPIの調査や、複雑に入り組んだ条件式の解析。
- データ移行: Excelデータからの移行用SQL作成。
- マイグレーション: Accessで作成されたアプリのWPFコンバート。
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プロトタイピング:
- 簡単なアプリケーションの作成。
- 打ち合わせ中の画面レイアウト作成(その場でイメージ共有)。
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開発スケジュールへの影響:
- 想定以上の効率化により、アプリ開発スケジュールを見直し。より多くの開発が可能になった。
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エンジニアの心境の変化:
- 「AIが使えないともう生きていけない」(危機感と依存)。
- 「AI技術についていけるようになりたい」(ポジティブな学習意欲)。
- (冗談)「もう実家の農家に戻ります...」(AIが凄すぎて)。
4. 今後の計画
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AWS Transform for .NET の検証:
- 一部検証中だが、WPFアプリケーションの変換等で躓いている。
- AWS re:Inventの最新情報を元に再調査予定。
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ツール利用環境の整備:
- GitHub Copilotとの共存(どちらかに統合するのではなく、案件や内容によって使い分け可能な環境を作る)。
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ルール整備:
- 社内での利用ガイドラインの策定など。
5. おわりに
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まとめ:
- 製造業×レガシー環境(Visual Studio/.NET)でも、適切なツールを選べば生成AIの恩恵を最大限に受けられる。
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