こんにちは、強です。
夏の本業はナスを育てて出荷しています。
スーパーで売られているナスって、栽培期間中にどれくらい農薬を散布すると思いますか?
栽培期間は約3〜4か月。
基本的には毎週散布します。
地域や栽培方法にもよりますが、1シーズンで30〜50回程度になります。
夏のナスは収穫期間が長く、木を健康に維持できるかどうかが収量に直結します。そのため、病気や害虫を防ぐために定期的な農薬散布が欠かせません。※一つの栽培法の話です。
私が使っているのは、300Lタンクを積んだセット動力噴霧器です。
軽トラに積んだタンクから何十メートルもホースを伸ばし、畑の端から端まで散布します。
ここで一つ、小さな問題があります。
現在、ナスの畝は6列。使う水量はだいたい200Lです。
農薬が足りなくても余ってもあまり良くないため、散布中は時々軽トラまで戻ってタンクの残量を確認しています。
この「残量を見に戻る」という作業が地味に面倒です。
そこで考えたのが、
「遠隔でタンク残量を知る方法はないだろうか?」
という問題でした。
最初に思いついたのはBluetooth
最初に考えたのは、水位センサーをタンクに取り付け、ESP32からBluetoothでイヤホンへ通知する方法でした。
タンクの残量が50%や25%を下回ったら、イヤホンで知らせれば便利そうです。
しかし、すぐに問題が見つかります。
散布中は軽トラから50〜100mほど離れることがあります。
BluetoothイヤホンへESP32から直接接続するには少し距離が厳しそうです。
もっと単純に音を鳴らせばいい?
だったら軽トラ側で音を鳴らせばいいのでは?
例えば、
- 鐘を鳴らす
- 車載ホーンを鳴らす
- ブザーを鳴らす
これならBluetoothもスマホも必要ありません。
ところが、これも現場では難しそうでした。
畑の端まで行くと、動力噴霧器のエンジン音すら聞こえないことがあります。
つまり、警報音も聞こえない可能性があります。
さらに、聞き逃したら終わりです。
「念のため何回も鳴らす」という方法も考えましたが、今度は近所迷惑になってしまいます。
スマホを受信機にすればいい?
そこで考えたのが、
ESP32
↓
スマホ
↓
Bluetoothイヤホン
という構成です。
スマホならBluetooth通信も安定しますし、音声通知やバイブレーションも利用できます。
さらに、
Bluetoothが切れていてもESP32側で
「50%を通過した」
という状態を保持しておき、スマホが近付いて再接続したタイミングで通知すれば十分ではないかとも考えました。
本当にリアルタイム通知は必要なのか?
ここで一度立ち止まって考えてみました。
そもそも私は、
「常に正確な残量」
を知りたいのでしょうか。
実際の作業を思い返すと違いました。
ナスの畝は軽トラ側から奥へ向かって散布し、一畝終わるたびにまた軽トラ側へ戻ってきます。
つまり、定期的にタンクへ近付くタイミングがあります。
欲しかったのは、
「予定より減りが早いかもしれない」
という違和感だけでした。
そう思ったら一度タンクを確認すれば十分です。
最後に残ったアイデア
そう考えると、
「Bluetoothで通知する」
よりも、
タンクに浮きを浮かべ、長い棒と旗を付ける。
これだけでも目的は達成できるのではないかと思いました。
畝を一本終えて軽トラへ戻るタイミングで旗の高さを見る。
それだけで、
「今日はいつもより減りが早い」
という判断ができます。
もちろん、実際に作るなら
- 棒がまっすぐ立つか
- 揺れで見えにくくならないか
など検証は必要です。
しかし、この問題を考え始めたときのゴールは
「Bluetoothで通知すること」
ではありませんでした。
ゴールは、
「散布中に何度もタンクを見に戻る手間を減らすこと」
です。
問題を掘り下げていった結果、最後に残ったのは電子工作ではなく、旗というとてもシンプルな方法でした。
コストも無視できない
さらに考えてみると、コストの問題もあります。
Bluetooth案を実現しようとすると、
- 水位センサー
- ESP32
- Bluetooth通信
- 電源
- ケース
- 防水対策
など、意外と部品が増えていきます。
工作が好きなので作ること自体は楽しそうですが、それでも数万円くらいは見込んでおいた方が良さそうです。
一方、最後にたどり着いた「浮き+旗」の案なら、
- 浮き
- 棒
- 旗
これだけです。
極端な話、倉庫に転がっている材料やペットボトルを加工するだけでも試せそうです。
費用も1,000円もしないかもしれません。
もちろん、高価だから悪いわけではありません。
今回の目的は、
「タンク残量を遠隔で知ること」ではなく、
「散布中に何度もタンクを見に戻る手間を減らすこと」
でした。
そう考えると、電子回路を作るより、浮きに旗を付ける方が目的に近く、しかも圧倒的に安く実現できます。
分解能を考える
今回の考察で一番大きな収穫は、
「どれくらいの分解能で水位を知りたいのか」
が明確になったことです。
水位を知る方法はいくらでもあります。
超音波センサーでも、圧力センサーでも、フロートスイッチでも、IoTでも実現できます。
しかし、今回必要だったのは「常に正確な残量」ではありませんでした。
欲しかったのは、
「いつもより減りが早そうだ」
と気付ける程度の、大まかな情報だけです。
必要な分解能を整理してみると、IoTを使う必要すらありませんでした。
問題によって最適解は変わる
もちろん、これは今回のケースだからこその結論です。
今回は露地栽培だったので、
「今日はいつもより減りが早そうだ」
と分かる程度の、大まかな分解能で十分でした。
だからこそ、「浮き+旗」というシンプルな方法でも目的を達成できそうです。
一方で、これが施設園芸なら話は変わるかもしれません。
例えば液肥管理や養液管理のように、給液量や肥料設計が収量や品質に直結する場面では、もっと高い精度で水位や流量を把握する必要があります。
その場合は、センサーやIoTを導入する価値が十分にあります。
つまり重要なのは、
「IoTを使うかどうか」ではなく、
「その問題に、どれくらいの分解能が本当に必要なのか」
を最初に考えることです。
今回改めて感じたのは、
解決策を考える前に、問題を考える。一番面白かったのは、そこでした。
※上記文章はLLMに添削してもらっています。