前回の記事
こちらの記事はプログラミング教室の先生やってみたその1の続きです。
どんな言語を勉強するか
Scratch
言わずとしれた教育用のブロックを組み合わせて作成する言語ですが、
コミュニティの規模としてはグローバルで、すでに教育の域を超えています。
Scratch Catをはじめ元から準備されているキャラクターも可愛らしいですが、
自分でスプライト(プログラムして動かすキャラクター)や
背景をデザインする事もできるので、可能性は無限大です。
他にも下記のような機能があります。
- PCカメラのと連携
- LEGOとの連携(別売り)
- micro:bitとの連携(別売り)
- 翻訳・音声合成
- 作品の公開、他の方の作品のアレンジ(Remix)
最後の点がネットリテラシー、著作権を学ぶ上でも非常に良く
「他の方の作品をアレンジしても良いけど、必ずオリジナル作品から派生させてね」
という仕組みになっており、
Scratchコミュニティ盛り上がりの一環になっているようです。
拙作を貼っておきます。
「ペン機能」を使用してScratch Catの軌道に虹を描きます🌈
Processing
「アートに特化したJava」として
Scratchからの次のステップとして取り組みやすく、
簡単なコードでアート作品や、ゲームを作成することができます。
こちらもScratchと同様に、Open Processingというサイトで
作品を公開することができ、こんな単純なコードで
こんな美しい作品を作ることができるのか。と驚きです。
Processingアートの展覧会も定期的に開催されているようです。
こちらも拙作を貼っておきます。
2023年に𝕏(旧Twitter) にて大バズったサカバンバスビスも
簡単に作ることができました。
Minecraft
みんな大好きなブロックゲームMinecraft。
MakeCode、Python、Javaなどを用いてプログラミングすることができます。
Unity / Unreal Engine
2023年に料金プランで大炎上した
ゲーム開発プラットフォームと、その競合です。
開発言語(Untiy:C#、Unreal Engine:C++)と組み合わせて
本格的なゲームを作成できます。
Hack for Play
無理ゲーな昔懐かしいビットキャラのRPGゲームを、
プログラミングでハックすることで攻略していきます。
オリジナルRPGゲームも作成できます。
Blender
こちらも有名なモデリングツールです。
無料とは思えないほど高性能な機能が備わっています。
Python
より実用的なアプリ作成や、機械学習をやってみたい、という生徒さんに人気です。
都内の高校ではすでにPythonを使用した
プログラミングの授業を日常的に実施しているとのこと。。
課題
公立の教育現場
小学校教諭の姉妹がいるのですが、
ある日「Scratchについて教えてほしい」とのLINEが。
ついにプログラミング教育が始まった!と喜んだのも束の間
「学校で、生徒がScratchで作られたスイカゲームを遊んで問題になっているので
アクセス禁止の方法を教えてほしい」という内容でした。。
(Scratchで「スイカゲーム」と検索すると
数多くの方の作品、Remixがヒットします。)
せっかくプログラミングに興味を持ってくれる機会だったのに
入口から禁止にしてしまうなんて残念。。
子どもというのはハックの天才で、楽しいことを禁止をしても
必ず抜け穴を探すものです。
禁止→ハックの負のループに陥る前に、他の方法は取れないものでしょうか。
この辺りは下記の書籍にも言及されています。
ハッキング思考 強者はいかにしてルールを歪めるのか、
それを正すにはどうしたらいいのか
ただし、地方自治体の公立小学校にはそもそも
「プログラミング」を教えることのできる先生が殆どいません。
現場の話を聞く限り、文部科学省が掲げている指針とは
かなり乖離している現状が窺えます。
取り急ぎ「禁止」の手段を取らざるを得ない状況です。
消費から創造へ
「他の方が作成したゲームで遊んでしまい、何も作らなかった」
事象はプログラミング教室の中でも発生します。
私たち社会人もまた、個人開発やQiita記事を書くよりも
𝕏(旧Twitter)で猫を眺めていたほうが楽なので流されがちですね。。
「自分で工夫して作る、アレンジするともっと楽しい」
「アウトプットして、他のみんなに見てもらうと楽しい」
これらのことをどうやって生徒さんに伝えていくか、
2024年の課題と目標にしたいと思います。
まとめ
「決められたことをその通り実施する」のではなく
「アイディアを形にする」「より良くするため工夫する」
プログラミングは探究型学習にはもってこいの題材です。
ただし高い理想の反面、現場が追いついておらず各家庭の習いごと事情や、
自治体によってすでに差がついてしまっていることも事実です。
すべてのお子さんがが平等に学びの機会を得られるよう
公共・民間を超えた取り組みが進むことを願いつつ、
自分でもできる事がないか行動していきたいと思います。