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Instana ObservabilityAdvent Calendar 2023

Day 12

AzureをInstanaで可視化してみた(FaaSの利用:Azure Function)

Last updated at Posted at 2023-12-11

こんにちは、Instanaユーザー会の運営をお手伝いさせていただいております、カワノです!
この記事はInstana Observability Advent Calendar 2023 12日目のエントリになります。

昨日に引き続き、「AzureをInstanaで可視化してみた」をやってみます。
前回は、IaaSである「Azure仮想マシン」上のWordpressをInstanaで可視化してみました。
実際にはほとんどオンプレのLinuxサーバとやっていることは同じなので、クラウド成分は低めでした。
ということで今回は、クラウドならでは「Azure Function」上でサーバレスアプリを可視化してみましょう。

参考サイト

今回は、以下のサイトを参考に、Azure FunctionとAzure Table Storageを使って、単純にカウントアップするアプリを構築してみます。

Functionプロジェクト作成

上記サイトをなぞります。

Azure Functions Core Toolsの導入

私の環境は Intel mac なので、 以下のコマンドで Azure Function Core Toolsを導入します。

brew tap azure/functions
brew install azure-functions-core-tools@4

nodejsバージョン確認とnvm導入

Azure Functionで利用可能なnodejsのバージョンを確認すると、nodejs18までGAとなっていました。(2023/12/10時点)
Azure Functions ランタイム バージョンの概要

私の環境にはverion21が入っていたので、改めてnodejsのバージョン18を導入します。

nvm導入

npmの複数バージョンを管理・利用できるnvmを導入します。
https://github.com/nvm-sh/nvm?tab=readme-ov-file#installing-and-updating

curl -o- https://raw.githubusercontent.com/nvm-sh/nvm/v0.39.7/install.sh | bash

ターミナルを一度再起動します。

nodejs バージョン18 導入

nodejs バージョン18 を導入します。

nvm install 18

出力内容

Downloading and installing node v18.19.0...
Downloading https://nodejs.org/dist/v18.19.0/node-v18.19.0-darwin-x64.tar.xz...
################################################################################### 100.0%
Computing checksum with shasum -a 256
Checksums matched!
Now using node v18.19.0 (npm v10.2.3)
Creating default alias: default -> 18 (-> v18.19.0)

バージョン確認しましょう。

node -v

出力内容

v18.19.0

OKです。

プロジェクトの作成

func init コマンドを実行して、LocalFunctionProj という名前のフォルダーに関数プロジェクトを作成します。

func init LocalFunctionProj --model V4

途中、コンソールに入力を求められます。最初に3. nodeを、次は1. javaScriptを選択します。

Select a number for worker runtime:
1. dotnet
2. dotnet (isolated process)
3. node
4. python
5. powershell
6. custom
Choose option: 3
node
Select a number for language:
1. javascript
2. typescript
Choose option: 1
javascript
The new Node.js programming model is generally available. Learn more at https://aka.ms/AzFuncNodeV4
Writing package.json
Writing .funcignore
Writing .gitignore
Writing host.json
Writing local.settings.json
Writing /Users/tetsu/work/advcal2023/LocalFunctionProj/.vscode/extensions.json
Running 'npm install'...

プロジェクトディレクトリに移動し、関数を作成します。

cd LocalFunctionProj
func new

途中、コンソールに入力を求められます。7. HTTP triggerを選択します。 Function nameはとりあえずデフォルトのhttpTriggerのままにしましょう。

Select a number for template:
1. Azure Blob Storage trigger
2. Azure Cosmos DB trigger
3. Durable Functions entity
4. Durable Functions orchestrator
5. Azure Event Grid trigger
6. Azure Event Hub trigger
7. HTTP trigger
8. Azure Queue Storage trigger
9. Azure Service Bus Queue trigger
10. Azure Service Bus Topic trigger
11. Timer trigger
12. Dapr Publish Output Binding
13. Dapr Service Invocation Trigger
14. Dapr Topic Trigger
Choose option: 7
HTTP trigger
Function name: [httpTrigger]
Creating a new file /Users/tetsu/work/advcal2023/LocalFunctionProj/src/functions/httpTrigger.js
The function "httpTrigger" was created successfully from the "HTTP trigger" template.

Functionローカル実行

func start

出力内容

Azure Functions Core Tools
Core Tools Version:       4.0.5455 Commit hash: N/A  (64-bit)
Function Runtime Version: 4.27.5.21554

[2023-12-10T04:16:35.039Z] Worker process started and initialized.

Functions:

	httpTrigger: [GET,POST] http://localhost:7071/api/httpTrigger

では、動作を確認します。

$ curl "http://localhost:7071/api/httpTrigger?name=hoge"
Hello, hoge!
$ curl "http://localhost:7071/api/httpTrigger?name=fuga"
Hello, fuga!
$curl "http://localhost:7071/api/httpTrigger"
Hello, world!

大丈夫そうですね。

Function の作成

ここからは、Azure CLIを操作します。Azure CLI自体のインストールは、こちら をご参照ください。

最初にAzureにログインしておきます。

az login

Functionアプリの作成

最初に、StorageAccountを作成します。functionには必須なんだそうです。

az storage account create --name forfunc20231212 --location japaneast --resource-group advcal1 --sku Standard_LRS --allow-blob-public-access false

名前はforfunc20231212、東日本リージョンに作りました。

続けて Functionアプリをつくります。パラメータが多いよ…

az functionapp create --resource-group advcal1 --runtime node --runtime-version 18 --functions-version 4 --name advcalfuncapp --storage-account forfunc20231212 --consumption-plan-location japaneast

ランタイムはNode、バージョンは18、Functionのバージョンはv4、Functionの名前はadvcalfuncapp、東日本リージョンに作りました。

Functionアプリのデプロイ

最初に作ったアプリをデプロイします。

func azure functionapp publish advcalfuncapp

実行場所はLocalFunctionProjディレクトリですね。

出力内容

Setting Functions site property 'netFrameworkVersion' to 'v6.0'
Getting site publishing info...
[2023-12-10T04:34:23.778Z] Starting the function app deployment...
Creating archive for current directory...
Uploading 609.69 KB [###################################################################]
Upload completed successfully.
Deployment completed successfully.
[2023-12-10T04:34:46.046Z] Syncing triggers...
Functions in advcalfuncapp:
    httpTrigger - [httpTrigger]
        Invoke url: https://advcalfuncapp.azurewebsites.net/api/httptrigger

デプロイ完了です。
動作確認してみましょう。

$ curl "https://advcalfuncapp.azurewebsites.net/api/httptrigger"
Hello, world!
$ curl "https://advcalfuncapp.azurewebsites.net/api/httptrigger?name=hoge"
Hello, hoge!
$ curl "https://advcalfuncapp.azurewebsites.net/api/httptrigger?name=fuga"
Hello, fuga!
$ curl "https://advcalfuncapp.azurewebsites.net/api/httptrigger?name=bar"
Hello, bar!

ちゃんと動作していますね。

Instana Agent設定

Azure Fuctionアプリは完成しました。では、Instana Agentの準備をします。

Instanaのdocは以下です。
Monitoring Azure Functions サービス

最初にこんな記載があります。

Instana UI で Azure Functions サービスに関連するメトリックを表示するには、Instana ホスト・エージェント をインストールし、「 センサーの構成 」セクションの説明に従って Azure センサーを有効にする必要があります。 Azure Functions センサーは、Instana ホスト・エージェントのインストール後に自動的に有効になります。
Instana UI で Azure Functions トレースを表示するには、 Instana Azure Functions トレーサーのインストール のセクションで説明されているように、Instana Azure Functions トレーサーを Azure Functions アプリケーションに追加する必要があります。

上記の通り、Instana でAzure Functionを可視化するためには、

  1. Functionとは別にAzure仮想マシンを準備 (Instanaの情報収集のためのサーバとして利用する)
  2. 1のAzure仮想マシンに、ホスト用のInstana Agentを導入
  3. 設定ファイルを編集しセンサーを有効にする
  4. トレーサーをAzure Functionアプリに追加する
    という手順を行う必要があります。

今回、1日前に作成したInstana Agent導入済みのAzure仮想マシンがありますので、そちらを使ってセットアップを行います。

Azureセンサーの有効化

Agentの設定ファイルconfiguration.yaml(<instana agent dir> /etc/instana/configuration.yaml) で Azure センサーを有効します。
有効にするために最低限必要な情報は以下のとおりです。

com.instana.plugin.azure:
  enabled: true
  subscription: "[Your-Subscription-Id]"
  tenant: "[Your-Tenant-Id]"
  principals:
    - id: "[Your-Service-Principal-Account-Id]"
      secret: "[Your-Service-Principal-Secret]"

Functionアプリが作れているので、Azure SubscriptionやTenant情報はすでに保有しているものとします。

サービスプリンシパルの作成

監視対象のサービスに対して読み取り権限を持つサービスプリンシパルを用意します。
リソースにアクセスできる Microsoft Entra アプリケーションとサービス プリンシパルを作成するを参考に、サービスプリンシパルを作成、設定していきます。

「アプリの登録」の作成

Entra管理センターを開き、左メニューのID > アプリケーション > アプリの登録 を選択します。
新規登録をクリックします。
Entra_Menu.png
アプリの登録を行います。今回はadvcal1-appという名前で作成します。
regist_app1.png

ロール割り当て

Azure Portalにアクセスし、Instanaで監視したいSubscriptionを選択します。
左メニューのアクセス制御(IAM)を選択し、ロールの割り当ての追加をクリックします。
ロールは閲覧者で、メンバに先ほど作成したadvcal1-appを選択します。(UI上で選択肢が出ないようです。検索文字列にadvcal1-appと入力することで検索、選択できました)
選択完了したらレビューと割り当てを行います。

認証設定

Entra管理センターを開き、左メニューのID > アプリケーション > アプリの登録 を選択します。
作成した「アプリの登録」(advcal1-app)をクリックし、左メニューの証明書とシークレットをクリックします。

続けて、クライアントシークレットタブの新しいクライアントシークレットを選択します。
AppSecret.png

名前と有効期限を決定し、作成すると、画面上にシークレットの値が表示されますので、これをどこか忘れないところにコピーしておきます。
appSecret2.png

Agent設定ファイルの編集

ようやく、Azure上での作業が終わりました。
azureの設定はコメントアウトされていますので、外して サブスクリプションID、テナントID、サービスプリンシパルアカウントID、サービスプリンシパルシークレットをそれぞれ設定ファイルに貼り付けます。
(IDどこだっけ?となったら以下参照)
Azure_ref.png
AgentConfig.png

Azure Functions サービス・センサーは、デフォルトで有効なので、以上で可視化の最低限設定は完了です。
Instanaの挙動を見てみましょう。

Functionの可視化は、インフラストラクチャーで見ることができます。項目については下記のドキュメントをご確認ください。
https://www.ibm.com/docs/ja/instana-observability/current?topic=agents-azure-functions#viewing-metrics
Instana_Metric.png

(補足) Instana Azure Functions トレーサーのインストール

この記事では単純なFunctionアプリを作成したのですが、 AppServiceを利用するパターンだとTraceを有効にできます。インフラストラクチャービュー以外でもより多くの情報を参照できそうですね。

参考:Instana Azure Functions トレーサーのインストール

Windows または Docker コンテナー上で実行される AppService としてデプロイされた Azure Functions のインスツルメンテーションを有効にすることができます。 .NET Framework、.Net Core、および .Net のインスツルメンテーションを有効にするには、 Azure Functions をモニターする予定の環境で Instana エージェントが実行されていることを確認してください。

以上で終了となります。ありがとうございました。

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