1.はじめに
⑴ 記事執筆の経緯
筆者は、2025年7月から開催された「松尾研LLM開発コンペ2025」にteam Truth Owl 🦉 の一員として参加しました。本記事は、システムエンジニアでもなく、プロジェクトマネージャーの経験も無い筆者が運営管理サブリーダーとして自分なりに工夫したこと、苦労したことをまとめました。
なんでもまずは飛び込んでしまえというのがモットーの筆者ですが、初心者の方が挑戦する際の参考になれば幸いです。
⑵ 執筆者のプロフィール
- 文系学部出身
- 一般企業(小売業)に勤務
- 東京大学 松尾・岩澤研究室主催のGCI、大規模言語モデルを修了
- システム開発関係の資格はなし
2.コンペの概要と執筆者の役割
⑴ コンペ概要
- 既存のLLMに対する事後学習によって推論モデルを開発。最難関ベンチマークの一つである「Humanity’s Last Exam (HLE) 」でオープンモデルの最高性能を目指すとともに、安全性ベンチマーク「Do-Not-Answer」でも高い性能を追求するもの。
- 開発メンバー数300名以上が12チームに分かれて約2か月(2025年8月まで)活動(Phase1)。Phase2はPhase1の上位チームがさらに高度なモデル開発に挑戦。本記事はPhase1に参加した記録。
⑵ 執筆者の役割
筆者は、team Truth Owlのメンバーとしてコンペに参加しました。技術者ではありませんでしたが、企業内でマネジメント等の経験がありましたので、運営管理のサブリーダーとして自身も開発の一部に参画するとともに、リーダーの下で運営管理をサポートする役割を担いました。
3.用いたツールの概要
コンペ期間中は、運営側から指定されたNotionとSlackを用いてチーム内の連絡、情報管理を行いました。
⑴ Notion
Notionでは、チームのヒト(メンバー、スケジュール)、モノ(計算機資源)のリソースと、情報(ノウハウ・マニュアル、データ、論文情報、チーム内運営情報)を管理しました。
コンペ期間中は多数の人が活動し、情報を発信しますが、工夫したのは、必要な情報に容易にアクセスできるようにしたことです。具体的には、以下のような対応を行いました。ポイントは、Notionのテンプレートを活用し、簡単・迅速にページを作成することにより変化する状況に柔軟に対応したことです。最終的には以下に記載したように様々なページを作成しましたが、実際には、必要に応じて都度新しいページを作成しました。
- 技術情報を一つのページに集約しました。ページ内では「論文」「データセット」「記事」「マニュアル」をサブカテゴリ―として、表形式で一覧、格納しました。Notionでは、一つ一つのページをデータベースとして作成します。一覧化された各種情報は、ページ内のリンクから直接アクセスすることができます。
- チーム全体のミーティングや、各種打ち合わせ、ハンズオン会等の予定は、Notionのカレンダー機能を利用して共有しました。
- タスクの進捗状況は、Notionのプロジェクト機能を利用して「未着手」「進行中」「完了」に分けて管理しました。
- コンペ期間中は、運営から割り振られた計算機資源(GPU)を必要なタスクに割り当てる必要があります。これもNotionのプロジェクト管理機能を用いて、GPUの各ノード毎にタスクを「未着手」「進行中」「完了」のステータスを付して登録することで、GPUの空き状況を可視化しました。
- 週次の作業予定(必要タスク)をHome(チームハブ)ページに掲載し、全体ミーティングで決定したことを可視化し、作業に迷わないようにしました。
⑵ Slack
Notionでは後から参照する情報を体系的に記録することに重点をおきましたが、Slackでは迅速に都度情報を交換することに用いました。様々な情報が飛び交うSlackですが、具体的には以下の様に運用しました。
- チャネルを分けて情報を分類するとともに、競争相手である他チームに知られたくない戦略や方針については、非公開チャネルを利用しました。
- 他チームの公開チャネルは積極的に閲覧し、自チームに有益な情報は、チーム内に共有しました。
4.感想・反省点
プロジェクトマネージメントも開発も初めての筆者でしたが、NotionとSlackというポピュラーで使いやすいツールを使うことで、何とか運営管理サブリーダーの役割を果たすことができました。特にNotionはテンプレートが充実しており、直感的にツールを作成することができました。とはいえ、テンプレートを活用するTipsは様々発行されている書籍やウェブサイト上の記事を参考に簡単に全体像を把握しておくことをお勧めします。
筆者も作業しながら入門書等を参考にしましたが、最初に通読しておけば、もっと迅速・柔軟に使いやすいページを作成できたのでは思っています。
5.プロジェクトのクレジット
本プロジェクトは、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「日本語版医療特化型LLMの社会実装に向けた安全性検証・実証」における基盤モデルの開発プロジェクトの一環として行われます。