いろいろ試して最終的に動かせた方法まとめ(Go Configure 対応)
Apple Silicon の Mac を使って RTL Simulation をしていると、
「VCD を見たいだけなのに GTKWave が動かない…」
という状況にぶつかることがあると思います。
私自身、M2 MacBook Air(macOS 26) で Renesas の Go Configure の Simulation 環境を使おうとしたのですが、
波形ビューアが GTKWave にしか対応していないため、
どうしても GTKWave を動かす必要がありました。
GTKWave については M2 Mac を入手した当初は動かせていたのですがいつの間にか使えなくなっていました。
まず最初に、こちらの記事を参考にさせていただきました。
とても丁寧にまとめられていて大変助かったのですが、私の環境(macOS 26)ではそのままでは動かず、追加でいろいろ試すことになりました。
この記事では、私が実際に試した方法と、最終的に Go Configure から GTKWave を起動できるようになった方法をまとめてみました。
同じように困っている方の参考になればうれしいです。
1. まず、なぜ GTKWave が macOS で動かないのか
Apple Silicon + macOS 14 以降だと、GTKWave をそのまま動かすのはかなり難しいようです。
理由をざっくりまとめるとこんな感じです。
- GTKWave は GTK2/GTK3 に依存している
- GTK2 は macOS ではもう非推奨
- GTK3 の Quartz 版も macOS 14 以降でビルドが通りにくい
- Homebrew 版は依存関係が壊れている
- MacPorts 版は variant(+quartz / +x11)の組み合わせが大変
- 公式バイナリは macOS 14 以降で OS にブロックされてしまう
実際、公式バイナリを起動しようとすると macOS にこう言われました。
This version of “gtkwave-bin” is not compatible with macOS 14 or later
ここまでくると、普通の方法では難しそうだな…という気持ちになります。
ちなみに動かない理由は、Copiloto と Gemini に相談した内容をざっくりまとめてもらったものです。
2. 試してみた方法(うまくいかなかったもの)
いろいろ試してみたのですが、なかなかうまくいきませんでした。
Homebrew 版
依存関係の問題でビルドが通らず、途中で止まってしまいました。
MacPorts 版
GTK2/GTK3 の variant を揃える必要があるのですが、macOS 26 ではそもそもビルドが通らず断念しました。
公式バイナリ
macOS 14 以降では OS 側にブロックされてしまい、起動できませんでした。
3. Surfer(ブラウザ版 VCD Viewer)も試してみた
ブラウザで動く VCD Viewer「Surfer」も試してみました。
これはとても手軽で、VCD を見るだけなら十分使えます。ただ、Go Configure から直接呼び出すことはできないため、今回の目的には合いませんでした。
4. Parallels + Windows 11 では GTKWave が動いた
Parallels 上の Windows 11 に GTKWave を入れてみたところ、こちらは問題なく動きました。
さらに、Mac のディレクトリを Windows 側にマウントできるので、VCD を転送する必要もなく、そのまま開けます。
ただ、Go Configure(macOS 版)から直接起動できないため、最終的な解決策にはなりませんでした。
5. 最終的にうまくいった方法:OSS CAD Suite の GTKWave を使う
いろいろ試した結果、
OSS CAD Suite に含まれている GTKWave が Apple Silicon の macOS でも動いてくれることがわかりました。
しかも、Go Configure から直接起動できるという大きなメリットがあります。
ダウンロードするファイル
oss-cad-suite-darwin-arm64-XXXXXXXX.tgz
セットアップ方法
- 上記の tgz をダウンロード
- 展開する
- 好きな場所に置く(私は
~/local/oss-cad-suiteに置きました)
特別なインストール作業は不要で、
展開したフォルダの中にある bin/gtkwave がそのまま実行できます。
初回起動時の注意
macOS のセキュリティが何度かブロックしてくるので、そのたびに「設定 → プライバシーとセキュリティ」から許可を押す必要があります。
何度も何度も繰り返すと(途中心が折れそうになった)、無事に起動できるようになりました。
6. Go Configure の設定(GTKWave)
Go Configure から OSS CAD Suite の GTKWave を使うには、
以下の設定を行います。
- Preferences → Tools → GTKWave
- Use system environment のチェックを外す
- Browse を押す
-
~/local/oss-cad-suite/binを選択する
これで、RTL Simulation の波形ビューアとして OSS CAD Suite の GTKWave が起動するようになりました。
7. Simulator(Icarus Verilog)の設定
Simulator も macOS 上で動かす必要がありますが、こちらは Homebrew で簡単に入ります。
brew install icarus-verilog
Go Configure の設定は以下の通りです。
- Preferences → Tools → Icarus Verilog
- Use system environment のチェックを外す
- Browse を押す
-
/opt/homebrew/binを選択する
8. まとめ
最終的に、私の環境では以下のような結果になりました。
| 方法 | 結果 |
|---|---|
| Homebrew | ビルドできず |
| MacPorts | ビルドできず |
| 公式バイナリ | macOS 14+ で起動不可 |
| Surfer | Go Configure 非対応 |
| Parallels + Windows | 動くが連携が面倒 |
| OSS CAD Suite | 動いた!Go Configure から起動できた |
Apple Silicon の macOS で GTKWave を使いたい場合、現時点では OSS CAD Suite の GTKWave を使う方法が一番スムーズかなと思います。
同じように困っている方の助けになればうれしいです。