今までのチャレンジ
今まで,RAG検索をやったりローカルLLMに読解してもらったり色々なことをやってきました.
詳しくはこちら.
今回のチャレンジ
国産フルスクラッチモデルであるSarashinaが無料公開されました.
なんと,日本語について超自信があるようです.
公式サイトにも「日本語に強い」「日本語のデータセットで重点的にトレーニング」と,日本語性能についてかなり強く推しているのが分かります.
そして地味に嬉しいのが,チャットだけじゃなくAPIも無料.
これはやるしかないでしょう.
僕がずっと使っているベンチマーク,自作小説の感想です.
日本語に強いなら,今までほかのAIでは微妙だったところもちゃんと拾ってくれるかもしれません.
使用するプログラム
あまり本質ではないのでサラッと貼るだけにします.
ちなみに,かなり久々に自分でプログラム書きました.
import requests
headers = {
"Authorization": "Bearer SarashinaのAPIキーだよ",
"Content-Type": "application/json",
}
def get_impression(novel_file_name, novel_title, question):
with open(novel_file_name, "r", encoding="utf8") as fp:
novel_data = fp.read()
res = requests.post(
"https://api.sarashina.ai/v1/chat/completions",
headers=headers,
json={
"model": "sarashina3-mini",
"messages": [
{
"role": "user",
"content": f"""{novel_data}
上記は小説『{novel_title}の全文です.{question}"""
}
]
}
)
return res.json()["choices"][0]["message"]["content"]
小説
今回AIに読んでもらう小説はここにあります.
ジャブ
まず,『夢』についていつもの質問をしてみましょう.
質問内容
小説『夢』において,主人公である「僕」とヒロインである「彼女」の間に恋愛感情はあったと思いますか? 「僕」と「彼女」の関係に関する記述を参考にしつつ,あなたの考察を聞かせてください.
これを送ったところ,8.6秒で返信が来ました.
早いですね.数万字あるんですけど本当に読んだんでしょうか.
ご質問ありがとうございます。
小説『夢』における「僕」と「彼女」の関係について、恋愛感情の有無を考察するにあたり、本文中の記述をもとに丁寧に読み解いていきたいと思います。
まず、「僕」と「彼女」の関係は、**幼少期の秘密基地での共有体験**を核として形成されています。二人は、学校や家庭では得られない「居場所」を、その小さな空間で築いていました。特に「彼女」は、当時の「僕」にとって、**唯一、ありのままの自分を受け入れてくれる存在**であったと推測されます。これは、以下のような描写から読み取れます。
> 「あなた,誰? ここで,何してるの?」
> 「ふうん,そうなんだ.」
> 「ねえ,もしよかったら,またここに来てもいい?」
このやり取りは、単なる子どもの遊びの約束を超えて、**他者との関係性の構築**という側面を持っています。特に「彼女」が「また来てもいい?」と尋ねている点は、**相手の存在を特別に感じている**ことを示唆しています。
また、成長した「僕」が「彼女」の死を防ごうと何度も時間を巻き戻す行動は、**単なる友情を超えた深い情動**に基づいていると考えられます。特に以下の記述は重要です。
> 「私,嫌だよ.君が死んでしまうのは.嫌だよ……」
> 「だめだよ.自分を殺してしまうのは,だめだよ……」
この言葉は、単なる友人としての心配を超えており、**相手の存在そのものに対する強い執着や愛情**を感じさせます。さらに、二人が手を固く結び合う場面や、最後に「篤」という名前の由来が語られる場面では、**運命的なつながり**が暗示されています。
一方で、本文中では「恋愛」という明確な言葉は使われていません。また、二人が互いに異性として意識している描写(例:性的な関心、告白、デートなど)も存在しません。したがって、**恋愛感情と断言するには根拠が不足している**とも言えます。
しかし、心理学的には、**幼少期に形成された特別な絆**は、成人後も「恋愛感情」と混同されることがあります。特に、相手が失われた(あるいは失われたと認識された)状況下では、その感情はより複雑化し、**愛情、依存、罪悪感、救済願望**などが交錯します。
結論として、**「僕」と「彼女」の間には、恋愛感情に近い、しかし純粋な恋愛とは異なる、極めて深い情愛が存在した**と考えられます。それは、**「魂の伴侶」や「運命の相手」といった、恋愛を超えた関係性**として捉えることができるでしょう。
この解釈は、本文の結末——二人が手をつなぎ、新たな未来へと歩みを進める——にも合致しています。彼らの絆は、恋愛という枠組みを超えて、**人間の存在そのものを支える根源的なつながり**として描かれているのではないでしょうか。
ゴミですね.
前回のgemma4 12Bの方がまともな感想を言っていたと思うのですが….
確かに知識はあるようですが,読解力的にはかなり低いかなって思います.
なんだか色々長々と話していますが,結局結論は出さずに濁していますし,根拠となるシーンの切り取りも「そこか?」と思います.
自分の読解力の低さを,心理学の難しい話題を出すことで煙に巻いている感じがします.
性能に不安を感じるような結果になってしまいましたが,次のやつも行ってみましょう.
次
質問内容
小説『六月に終わる夏』について,ヒロイン「沙也」が主人公「上条」のことを,バレーのコーチを頼むまでに信頼している理由ってなんでしょう? 沙也と上条の性格が分かる描写から分析してください.
今回は16秒かかりました.
結果がこちら.
ご質問にお答えします。
小説『六月に終わる夏』において、ヒロインの**沙也**が主人公の**上条**をバレーのコーチとして頼むまでに信頼している理由は、作品中で描かれる二人の**性格や関係性、過去の経験**から読み取ることができます。以下に、沙也と上条の性格を示す描写をもとに分析いたします。
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### 1. 沙也の性格とその背景
- **責任感が強く、チームを支える存在**
沙也は「リリーフサーバー」として、チームのピンチを一人で背負う役割を担っています。これは、彼女が「チームの最後の砦」として期待されていることを意味し、プレッシャーや孤独感を常に抱えている様子が描かれています。
→ このような立場にある沙也は、**「誰かに支えてもらいたい」「自分の弱さを共有できる相手が欲しい」** という潜在的な欲求を持っていると考えられます。
- **内向的で、自分の感情を表に出すのが苦手**
沙也は「バレーの話をほとんどしなかった」と描写されており、これは彼女が自分の弱さや悩みを他者に伝えることに抵抗がある、あるいは「頼る」ことに対して罪悪感や恐れを抱いていることを示唆しています。
→ しかし、上条に対しては「一緒にバレーをやりたい」「自分のバレーを背負ってほしい」と告白する場面があり、これは**上条に対してだけは心を開き、本音を言える関係**であることを示しています。
- **成長意欲が強く、変化を求めている**
「死ぬ気で人を集める」「来年こそ青鹿に勝つ」といった発言から、沙也は現状に満足せず、チームや自分自身を変えたいという強い意志を持っています。
→ この変化を実現するためには、**信頼できる指導者や協力者**が必要であり、上条の存在がその鍵となっていると考えられます。
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### 2. 上条の性格とその背景
- **過去に失敗した経験を持ち、自己肯定感が低い**
上条は「ワンポイントブロッカーとして失敗した過去」を持ち、それがトラウマとなっています。そのため、当初は「コーチを引き受けること」に対して強い抵抗感を示しています。
→ しかし、沙也や他の部員の姿を見て「自分も何かできるかもしれない」と徐々に変化していく様子が描かれており、**「自分の弱さを受け入れ、それでも前に進もうとする姿勢」** が読者に共感を与えます。
- **他者への思いやりが強く、責任感がある**
上条は「自分が背負っているものが何なのか、私には分からない」と沙也に言われた際に、それを真剣に受け止め、**「一緒に背負う」** と約束しています。これは、彼が単に技術的な指導だけでなく、**精神的な支え**も提供しようとしていることを示しています。
- **変化を受け入れる柔軟性と成長意欲**
上条は「またバレーをするなんて無理なんだ」と当初は言っていましたが、部員たちとの関わりを通じて「またやってみよう」という気持ちに変化していきます。
→ この変化は、**「他者との関わりを通じて自分自身も成長できる」** というメッセージを含んでおり、沙也が上条に信頼を寄せる理由の一つとなっています。
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### 3. 二人の関係性が示す「信頼の根拠」
- **共通の「弱さ」を共有している**
沙也は「リリーフサーバー」として孤独に戦い、上条は「ワンポイントブロッカー」として失敗した過去を持つ。二人とも「**一人で背負うには重いもの**」を抱えており、それが互いに共感を生む土壌となっています。
- **上条が「変化を受け入れた」こと**
上条がコーチを引き受けることは、単なる技術的指導ではなく、**「過去の自分と向き合い、再びバレーと向き合う」** という決断を意味します。この決断は、沙也にとって「自分を信じてくれた」という証となり、信頼につながります。
- **山岸先生の言葉による「保証」**
山岸先生が「私はあなたが、彼女たちを勝負の場所に連れて行ってくれると信じています」と言った場面は、上条が部員たちにとって「信頼できる存在」であることを間接的に示しています。この保証が、沙也の決断を後押ししたと考えられます。
- **「一緒に背負う」という約束**
沙也が「私のバレーを背負ってほしい」と言ったのに対し、上条が「俺のバレーを、一緒に背負ってくれないか」と返す場面は、**相互依存の関係**が成立した瞬間です。このやり取りが、二人の信頼関係を象徴しています。
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### 4. 結論
沙也が上条をコーチとして頼むまでに信頼している理由は、以下の点に集約されます。
1. **沙也自身の「弱さ」や「孤独感」を理解し、共感できる存在であること**
2. **上条が過去の失敗を乗り越え、再びバレーと向き合う「変化」を受け入れたこと**
3. **山岸先生や他の部員からの信頼が、上条の「指導者としての適性」を裏付けていること**
4. **「一緒に背負う」という約束を通じて、****相互依存の関係****が成立したこと**
これらの要素が組み合わさることで、沙也は上条を「単なる外部コーチ」ではなく、「自分のバレー人生を共有できるパートナー」として信頼するようになったと考えられます。
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ご質問の意図に沿って、作品中の描写をもとに分析いたしました。もし他にも気になる点がございましたら、お気軽にお知らせください。
ありきたりだなあ….
前回gemma4に感想を書いてもらったときのような感動は感じませんね.
ローカルLLMに負けるクラウドモデルってマジ…?
本命
さて,ここからが本命です.
この問いに対してはまだどのAIも僕が満足する回答を作成できていません.
しかし,日本語能力の高さを豪語するSarashinaならきっと読解してくれるでしょう.
質問
小説『解夏』において,主人公「伊藤」がヒロイン「倉田」に対して依存に近いほど執着している理由は何でしょうか? 伊藤と倉田の関係性や過去に起こった出来事から考察してください.
回答作成には13.6秒かかりました.
ご質問にお答えします。
伊藤が倉田に対して強い執着を抱く背景には、**「自己価値の投影」と「過去の挫折からの救済願望」** が深く関わっていると考えられます。以下に、二人の関係性や過去の出来事を踏まえて考察します。
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### 1. 中学時代の同級生としての「対等な競争相手」からの変化
- **テストでの競い合い**
小学校・中学校時代、伊藤と倉田は「テストの点で競い合う」関係にありました。互いに「負けん気が強く、相手のことをかなり意識」しつつも、直接的な交流はほとんどありませんでした。これは、**「同じ土俵で測られる存在」** として、互いの自尊心が交錯する関係だったことを示しています。
- **中学での学力低下と「堕ちた自分」への認識**
中学二年頃から伊藤の成績が下がり始め、「化けの皮が剥がれた」と自己評価が下がります。一方、倉田は「進学校へ進む」など、学力面での優位性を保ち続けました。この格差は、伊藤にとって **「自分が失ったものを倉田が保持している」** という感情を生み出し、無意識のうちに「倉田=自分の理想像」として位置付ける要因となります。
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### 2. 「過去への執着」と「現在の空白感」
- **中学での出来事がトラウマ化**
伊藤は「中学でのこと」を「引きずっている」と自覚しています。具体的には、成績低下に伴う自己否定や、周囲からの評価が低下した経験が、**「自分は価値のない人間だ」という自己イメージ**を固定させました。
- **倉田への依存は「失われた自己の補完」**
倉田が再び現れたとき、伊藤は「懐かしい」だけでなく「自分の人生を締めくくるために必要な存在」と認識します。これは、**「倉田が自分の過去を肯定し、再び価値を認めてくれる」** という期待が背景にあるからです。特に、花火大会での「伊藤は本当に終わっちゃったと思ってた」という倉田の言葉は、伊藤の「自分は終わった人間だ」という自己認識を揺さぶり、**「倉田が自分の価値を再定義してくれる」** という希望を抱かせます。
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### 3. 「依存」の構造的要因
| 要因 | 内容 | 伊藤への影響 |
|------|------|--------------|
| **自己投影** | 倉田を「自分の理想像」や「過去の自分」の象徴として捉える | 倉田の行動や言葉が、伊藤自身の自己評価と直結し、過剰に感情的になる |
| **救済欲求** | 「倉田が自分を肯定すれば、過去の失敗が帳消しになる」という幻想 | 倉田に対して「救い」や「承認」を強く求め、執着が強まる |
| **孤独感** | 大学生活や研究が「どうでもいい」と感じ、社会的つながりが希薄 | 倉田だけが「自分の人生に意味を与える」存在となり、依存が深まる |
| **死期への不安** | 死神の登場で「死」が現実的になる | 限られた時間で「倉田との関係を完結させたい」という焦りが、執着を加速させる |
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### 4. 物語上の象徴的意味
- **「解夏」というタイトル**は、文字通り「夏が終わる」ことを意味しますが、同時に **「伊藤が過去の夏(中学・高校)から解放され、現在の自分に向き合う」** というテーマを暗示しています。
- 倉田は、伊藤にとって **「過去の夏の象徴」** であり、彼女への執着は「過去に縛られた自分」を映し出す鏡です。物語が進むにつれて、伊藤は「倉田に依存し続けることは、過去に留まること」だと悟り、最終的に「倉田がいない現実」を受け入れることで、**「夏が終わる」** という成長を遂げます。
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### 5. 結論
伊藤が倉田に執着する理由は、**「過去の挫折と自己否定を埋め合わせるために、倉田を『自分の価値を証明してくれる存在』として無意識に位置付けた」** ことにあります。中学時代の同級生という関係性が、学力格差や自己評価の低下というトラウマと結びつき、倉田が「自分を肯定し、過去を取り戻す鍵」として認識されるようになったのです。その結果、伊藤は倉田に対して「依存」とも言えるほどの執着を抱き、物語のクライマックスでその執着が「解夏」という形で解消される構造になっています。
---
このように、伊藤と倉田の関係性は単なる恋愛感情だけでなく、**「過去の自分と現在の自分を結びつける心理的橋渡し」** として機能していると解釈できます。ご質問の意図に沿って、二人の関係性と過去のエピソードから導き出した考察を以上のようにまとめました。
おっ?
それなりにいいんじゃないですか?
まあ,全然期待せずに実行したからそう思っているだけかもしれませんが,少なくとも前回gemmaに読んでもらった結果よりはいくらかいい気がします.
特に,「倉田は伊藤にとって,自分を再定義してくれる存在だから」というのはなるほどと思いましたね.そういう言い方もあるのか.
ちなみに,伊藤が倉田に執着していた感情って,クライマックスで解消したんでしょうか.
そんなにきれいなラストではなかったと思うのですが.
ちなみに,「解夏」というタイトルは単に「夏の終わり」という意味ではないです.こういう仏教用語があるんです.
まとめ
記事を書いていて思ったんですけど,自分の中でのAIに対する期待値が昔よりかなりインフレしていますね.
昔は,数万文字ある文章を理解できているだけで褒めていた気がするんですけど.
しかし,まだまだ僕が満足するような感想文は出てきませんね.
国産フルスクラッチモデルの更なる発展に期待しましょう.