始めに、結果
2022年9月にFinancial Services Cloud Accredited Professional試験(以降、FSCAP)に合格することができました。本記事では、受験する上で思っていたことや苦労したことなどを共有したいと思います。FSCAPを受験しようと思っている方に、少しでも受験イメージを持ってもらえたら幸いです。
Financial Services CloudとはSalesforce社が提供する金融機関向けのパッケージサービスです。また、Accredited Professional試験とは、Salesforceコンサルティングパートナーの企業に勤める社員のみが受験することできる試験です。つまり、FSCAPとは、Salesforceパートナー企業社員向けのFinancial Services Cloud試験の事です。
私が本試験の準備に当てた時間は約30時間です。のんびり1ヶ月間ほど、業務終わり1,2時間勉強していました。実を言うと、1回目の受験では不合格となり2回目の受験で合格できました。
試験について
概要
内容:多肢選択/複数選択方式の 35 問
所要時間:53 分合格点:65%
受験料:150 米ドル (税抜)
対象分野
●Financial Services Cloud のユーザープロファイルと権限
●Financial Services Cloud のデータモデル (オブジェクトリレーション、管理パッケージ、プラットフォーム機能)
●金融口座、金融口座ロール、投資運用ゴール
●金融口座データを集約する積み上げ集計数式
●リレーションの対応付け、グループビルダー、アクション可能なリレーションセンター
●プライマリグループとグループメンバーシップ、ネイティブの積み上げ集計への影響
●世帯取引先と個人取引先のモデル化方法
●ライフイベントとビジネスマイルストン
●アクションプランとテンプレート
●リードと紹介
●Financial Services Cloud アプリケーションのLightning コンポーネントのカスタマイズ
●Financial Services Cloud への移行のベストプラクティス
各分野の出題率
トピック | 割合 |
---|---|
FSC 管理者と実装のベストプラクティス | 23% |
世帯、リレーションと積み上げ集計ルール | 23% |
ライフイベントとビジネスマイルストン | 9% |
紹介管理 | 11% |
アクションプランとドキュメントチェックリスト項目 | 14% |
フロー | 6% |
財務目標 | 6% |
Actionable Relationship Center | 9% |
やったこと
Partner Learning Campにて、FSCAPの対象コースである「Get to Know Financial Services Cloud」を一通りやりました。
(以下は対象コースのリンクです。おそらくSalesforceログインが必要になりパートナー企業の方のみ閲覧できるかと思います。)
本コースでは最初に、ワークブックのダウンロードとFSC専用トライアル環境の作成を実施します。
その後、単元毎に、①説明動画を視聴、②ワークブックに沿ってハンズオン、③知識確認クイズを実施するという構成でした。
学習の際はメモをとるようにし、単元毎に2,3行程度に内容・ポイント・キーワードをまとめていました。私はこれまでFSCを使ったことがなかったため、学習してもすぐ忘れがちでしたが、メモを後から振り返ることができ知識を定着させることができたと思います。
以下、①説明動画を視聴、②ワークブックに沿ってハンズオン、③知識確認クイズ について紹介します。
①説明動画を視聴
説明動画は大体4~5分程度で、対象機能の意義や操作方法について英語で説明されます。大半の動画では字幕(英語)を表示させることができます。
私は英語があまり得意でなく(TOEIC580点程度)、特にリスニングが苦手でしたが、字幕を表示させて頑張って視聴していました。字幕を表示できない動画ははなから諦めて視聴をすっ飛ばしてました笑
②ワークブックに沿ってハンズオン
ワークブックとは、各単元のハンズオン問題が英語で記載されたPDFファイルです。簡単に言うとtrailheadのハンズオン問題を集約してファイルにしたようなものです。8章構成で70ページほどあります。
ワークブックに沿って各単元のハンズオンを実施して、知識を習得させていきました。
③知識確認クイズ
知識確認クイズは各単元について、選択式(また複数選択)問題が3~5問程度英語で出題されます。各回正解率80%以上で合格することができます。正解率が80%以上になるまで繰り返しチャレンジすることができます。
私は知識確認クイズを解くときは、ブラウザの翻訳機能を有効にして日本語化していました。実際の試験はきっと機械翻訳されためちゃくちゃな日本語で出題されるだろうなぁと思っていたので、それに少しでも慣れておきたかったためです。(無論、単純に英語で理解するのが疲れるという理由もありました笑)
その他
・trailheadもちょくちょく学習してました。説明動画やワークブックでよく理解できなかった単元については、その単元に関連するtrailheadにも取り組みました。
・2回目の受験前には、Financial Services Cloud システム管理者ガイドもしっかり読みました。後述しますが、コース以外の内容も出題され、システム管理者ガイドからも結構出題されます。システム管理者ガイドを読み、必要に応じてトライアル環境で手を動かしました。
・Salesforce中の人にzoomかなんかで質問できるらしい(?)オフィスアワーには参加しませんでした。
受験の流れ・試験環境・合格後の流れ
本試験は自宅等からオンラインで受験する形式です。受験予約することなく好きな時間帯で受験できます。
以下、試験を受ける際のフローを雑多ながら書きました。
・Partner Learning Camp(PLC)にログイン
・「Credentials」タブ押下→画面上部検索窓に「Financial」を入力
・「Financial Services Cloud (Japanese) Accredited Professional」を選択
・日本語版の方で 「register」を押下(Examityというサイトに移ります。)
・「試験を始める」的なボタンクリック
・支払い情報を入力(バウチャーコードある場合ここで入力)
・初回受験時はアカウント登録が必要
・受験する各回で、顔写真を撮る
・受験開始して問題を解く
試験は自宅等からオンラインで受験します。カンニング防止の観点からかカメラ・マイクオンのまま受験しないといけません。
オンサイト試験の画面と同様に、後から確認したい問題にチェックをつけるフラグ機能や問題一覧画面もあります。
試験を終了すると、画面が切り替わりその場で合否結果と単元毎の得点率が表示されます。
(この画面でもカメラ・マイクオンのままです。結果をスクショしたり手元のメモに手書きしたりするのも不正行為に該当するかもしれないと思い、目に焼き付けることしかしませんでした。Saleforceのアドミン等の試験では最終的な結果がメールで来ましたが、このAP試験では来ませんでした。。。)
合格すると、Credlyというサイトからメール来ます。そのサイトにサインインすると本記事の冒頭にあるようなFSCバッチの画面を確認することができます。
感想・苦労した点・その他
以下3点です。
①細かいところまで問われる、コース外の問題も出題された
②学習コンテンツが基本英語のみでしんどい!
③バウチャーコードのキャンペーンがないか要確認!
①細かいところまで問われる、コース外の問題も出題された
タイトルの通り、学習コース以外の問題がばりばり出たり、学習コースの範囲内であっても重箱の隅をつつくような問題が出題されます。例えば、"FSCでマルチ通貨を利用する際の制約は何か?" や "共同所有者が3人以上のとき設定方法は?"といった問題も出題されます。
そのため、対象コースの学習のみならず、Financial Services Cloud システム管理者ガイドもしっかり読んで理解する必要があります!!!
本試験は対策が難しいと思います。普段からFSC(の標準機能)を使っている方でないと一発合格するのはなかなか難しいのではとすら思います。アドミン試験のように過去問が出回っていればいいんですが、FSCAPの過去問はあまり出回っていません(※1)。
ワークブック2周くらいしてシステム管理者ガイドもしっかり理解して臨むと良さそうです。
いっそのこと早々と1回受験して出題のレベル感も把握するのも一つの手だと思います。
※1:「Financial Services Cloud Accredited Professional 過去問」で検索すると、怪しそうな海外のサイトが一応出てきます。私は怖くて利用しませんでした、、利用したことがある方いましたら有益だったかどうか教えてほしいです。
②学習コンテンツが基本英語のみでしんどい!
先述の通り、私はあまり英語が得意ではなく、英語のコンテンツで学習するのが結構苦痛でした。翻訳すれば良いじゃんと言われそうですが、いちいちDeepLに文章を突っ込んで翻訳するのもそれなりに面倒です。説明動画は翻訳することができず、英語のまま理解する必要があります。
それでもまあなんとか学習コースを完了でき合格することができました。完全に気合いで乗り切りました笑
これからFSCAPの勉強をしようとしている方には、私と同様に英語が苦手な人もいるかもしれませんが、腹を括って頑張ってください!学習しはじめは大変ですが、徐々に英語に対する抵抗感も軽減されてくると思います。
③バウチャーコードのキャンペーンがないか要確認!
Salesforceパートナー企業向けに資格受験キャンペーンを実施していることがあります。私の場合(2022年8月時点)は、そのキャンペーンの一環で、AP試験の試験料が無料になるバウチャーコードを入手できました。2回目の受験時に利用しました。
Partner Communityの「Collaboration」タブを押下して、chatter画面に移り、画面上部の検索窓で、"キャンペーン" や "voucher" といった関連しそう言葉で検索すると、資格受験キャンペーンの投稿が見つかるかもしれません。ぜひ一度確認することをお勧めします。
まとめ
いろいろ苦労したことを書きましたが、Financial Services Cloudについて手を動かして理解を深めることができたのは、シンプルに楽しかったです。英語に対する抵抗感が少なくなったのも良かったです。
本記事が、FSCAP受験イメージの把握の一助となれば幸いです。
日常業務と試験勉強の両立が結構大変かと思いますが、地道に頑張ってください!