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VMware製品へのうるう秒調整の影響

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概要

2017年1月1日午前9時前にうるう秒の調整が行われる。2016年11月28日時点でのVMware製品に関する既知情報としては、以下の製品が影響を受け、主としてNTPのSlewモード有効化、一部製品は最新マイナーバージョンへの更新やその他の対応の実施が推奨されている。


  • vCenter Server Appliance

  • vSphere Replication Appliance

  • vSphere Replication

  • VMware vRealize Log Insight

  • vCloud Networking and Security

  • vRealize Hyperic

  • vRealize Automation(Including vRealize Code Stream)

  • IaaS Components for vRealize Automation

  • VMware Identity Appliance

  • vRealize Infrastructure Navigator

  • vCenter Site Recovery Manager


詳細


うるう秒の調整について

うるう秒(閏秒、leap second)の調整は、原子時計による国際原子時を元にした世界標準時が、地球の公転・自転に基づく天文時から1秒以上ずれそうになったときに行われるもので、最近では2008年、2012年、2015年に行われている。次回のうるう秒の調整は2016年12月31日に行われると決定機関のIERSから発表があり、日本でも以下がNICTから発表された。


平成29年(2017年)1月1日(日)午前8時59分59秒と午前9時00分00秒の間に「8時59分60秒」を挿入します。



影響がある製品と対応

2016年11月18日付のKB 2147498の情報によれば、以下の製品は閏秒調整の影響を受け、それぞれ推奨事項が示されている。

製品
版数
詳細
推奨

vCenter Server Appliance
5.0, 5.0 U1b
以下のカーネル版数を使用 - kernal-default-base-2.6.32.29-0.3.1.x86_64.rpm
5.0 U2以降に更新し、Slewモードを有効にする(後述)

vCenter Server Appliance
5.0 U2
以下のカーネル版数を使用 - kernal-default-base-3.0.38-0.5.x86_64.rpm
Slewモードを有効にする(後述)

vCenter Server Appliance
5.1.0a, 5.1.0b, 5.1 U1a
以下のカーネル版数を使用 - kernal-default-base-3.0.34-0.7.9.x86_64.rpm
Slewモードを有効にする(後述)

vCenter Server Appliance
5.5.x
以下のカーネル版数を使用 - kernel-default-base-3.0.101-0.7.37.1
Slewモードを有効にする(後述)

vCenter Server Appliance
6.0, 6.5
以下のカーネル版数を使用 - kernel-default-base-3.0.101-0.46.1
Slewモードを有効にする(後述)

vSphere Replication Appliance
6.0.0
以下のSUSE Linux Kernelを使用しNTPクライアントが稼動 - kernel-default-base-3.0.101-0.46.1.rpm
vSphere Replication 6.0.0.1以降に更新

vSphere Replication
5.5, 5.6, 5.8, 6.0

Slewモードを有効にする(後述)

VMware vRealize Log Insight
All builds

VMware vRealize Log Insight and Leap Seconds (2120510)を参照

vCloud Networking and Security
5.5

Addition of leap second may in rare cases result in vShield Manager or vShield App becoming non-responsive (2120837)を参照

vRealize Hyperic
5.0.0
2.6.32.59-0.7-default
最新版数へ更新の上、Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Hyperic
5.0.3
3.0.101-0.35-default
最新版数へ更新の上、Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Hyperic
5.7.0
2.6.32.59-0.7-default
最新版数へ更新の上、Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Hyperic
5.7.2
3.0.101-0.35-default
Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Hyperic
5.8.0
3.0.80-0.7-default
Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Hyperic
5.8.4
3.0.101-0.40-default
Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Automation(Including vRealize Code Stream)
6,6.x

Slewモードを有効にする(後述)

IaaS Components for vRealize Automation
6.x

Slewモードを有効にする(後述)

VMware Identity Appliance
6.x

Slewモードを有効にする(後述)

vRealize Infrastructure Navigator
All builds
SUSE Linux Enterprise 11 SP1 for VMware(64-bit) to SP3
Slewモードを有効にする(後述)

vCenter Site Recovery Manager
6.0.0
SUSE Linux Kernel kernel-default-base-3.0.101-0.46.1.rpm and runs NTP client
Slewモードを有効にする(後述)

vCenter Site Recovery Manager
5.8.0.2
Uses SUSE Linux Kernel kernel-default-base-3.0.101-0.31.1
Slewモードを有効にする(後述)

SLEWモードへの変更は「VMware KB: Enabling Slew Mode for NTP (2121016)」に従い、以下を行う(日本語訳「VMware KB: NTP のスルー モードの有効化 (2126101)」から抜粋)。


うるう秒の 24 時間前に ntp デーモンをスルー モードに切り替え、その後 48 時間スルー モードを継続してから、通常の運用に戻します。


NTPデーモンのモード変更方法については、上記のKB:2121016またはKB:2126101を参照。


影響がない製品

ESX/ESXiについては個別にKB 2121190を発行しており、2016年11月22日付の情報では以下の通り影響がない旨を説明している。


ESX/ESXi utilizes the RFC-1589 clock model, appropriately handling leap seconds. It is not necessary to enable Slew Mode for NTP in ESX/ESXi's NTP client, or to otherwise work around leap seconds by disabling and re-enabling the NTP client before and after the leap second's occurrence.


上記によれば、ESX/ESXiはうるう秒を適切に扱えるRFC1589クロックモデルを採用している。ESX/ESXiのNTPでSlewモードを有効にしたり、ワークアラウンドとしてうるう秒が発生する前後で一時的にNTPを停止する必要はない。


VMware社からの発信情報


2017年のうるう秒調整について

VMware社は2017年のうるう秒挿入の影響について、以下のナレッジを発行している。

またESXiについては、個別のナレッジを発行している。


2015年のうるう秒調整について

VMware社は2015年のうるう秒挿入の影響について、以下のナレッジを発行していた。2016年11月29日確認時点で、いくつかのドキュメントは閲覧できなくなっていたり、更改されていた(以下には当時のナレッジタイトルで記している)。

またいくつかの製品については、個別のナレッジを発行していた。(同上)

KB 2115818については、日本語訳「VMware KB: VMware 製品でのうるう秒のサポート (2120902)」がいくつかあり、2016年11月29日確認時点でこれはまだ閲覧可能だった。


2012年のうるう秒調整について

VMware社はうるう秒の影響について、文書番号1007342のナレッジを発行していた。2015年5月21日時点では以下のような表示があるのみで、おそらくout-of-date(情報が旧くなった)として削除されたものと思われる。


You are not authorized to access this article. It may have been moved or the reference is out-of-date.


私の記録では、2015年2月13日時点では「VMware KB: Leap seconds and ESX/ESXi hosts(1007342)」というタイトルで、以下のように、どのバージョンのESXまたはESXiもこの影響を受けないとしていた。


This issue does not affect any version of ESX or ESXi. ESXi does not use a Linux kernel, and while ESX uses a Linux kernel in the Service Console, it is compiled without SMP and therefore is not affected by the Linux kernel.


2015年1月26日時点では「VMware KB: Leap seconds in Virtual Infrastructure 3(1007342)」というタイトルで、以下のように、ESXはNTP同期時は問題なし、同期していないときは1秒の差が発生、vCenter Serverの時刻管理はWindows OSが行っており、時刻同期に関して既知の影響はないとしていた。


The ESX Server console OS is based on RHEL3. If you're using NTP, there is no known impact from leap seconds. If you don't use NTP, there is a one second difference between your system and actual time.

VirtualCenter Server time management is handled by the Windows OS hosting it. Therefore there is no known impact for time synchronization.


2015年6月15日時点では、KB 2115818ではSUSE Linuxのうるう秒に関連する修正を反映する必要があることから、vCener Server ApplianceおよびvSphere Replication Applianceは最新マイナーバージョンへの更新が必要としていた。


参考

うるう秒の調整について。

VMware社からの発信情報。

VMware社のナレッジやセキュリティアドバイスは随時更新されるので、適宜、原文を確認されたい。また一部のナレッジには和訳版も発行されているが、翻訳が遅れていることがあり、英語版のオリジナルを確認することをお勧めする。


本ページ内容は筆者が確認の便のためにある持点でまとめた個人的なメモです。内容を保証するものではなく、また筆者の所属組織等とは一切かかわりがありません。