始めにお断りしておきます。大きく掲げたタイトルは世間を欺く表向きのもの。本当に言いたい裏のタイトルは「技術者倫理くそくらえ」です。なお、本記事に「いいね」して身バレし、勤務先から危険思想社員の烙印を押されても、当方は一切責任を負いません。逆に、冷静な反論コメントをすれば、あなたの評価は上がるかもしれません。
人間は信用第一。そのためには強い倫理感を持った行動が基本です。Qiitaの会員の皆さんは、まさか、チョンボでの不具合を指摘されているのに平然と「それは仕様です」と嘯いたり、仕事とはいえ、誤クリックを誘う Amazon Prime入会サイト や Windows11インストール誘導サイト のようなものを作ったりはしていないですよね。
・・・と、心にもない綺麗ごとを言ってみました。
しかし、現実は、命令とあらば逆らわずにやるのが被雇用者の基本です。善悪に関わらず会社と命運をともにすることは忠誠心を示す美談でもあります。しかも、命令は、普通は外堀を埋めた形で行われます。倫理的に疑念があっても、拒否はできないように細工したうえで命令が下されます。倫理観を持つべきは、命令権のある管理職であって、下働きの技術者ではありません。「技術者倫理くそくらえ」です。
倫理の話題が出ると良く言われるのは「管理者への進言の重要性」です。これが技術者の義務のようにも言われます。しかし、管理者は進言などされなくても、それが非倫理的であることは百も承知です。そのへんの技術者よりも人生経験は豊富です。経験不足の部下技術者から、鬼の首をとったように指摘されれば腹が立つだけです。私の昔の勤務先がブラック企業だったせいか、「報連相」の教えにしたがって問題点を御注進に及んだものの、返答は、不快感を滲ませながらの「聞きたくなかった! 自分で解決を済ませてから報告せよ!」(by 〇と〇〇〇)でした。
一般の技術者向け雑誌で、技術者倫理を説く文書を見ても、文字数が多いにも拘わらず要領を得ないとりとめのない記述ばかりです。綺麗ごとばかりの歯が浮くような論調です。しかし、これらに反論することは憚られるような社会環境なのでどうしようもありません。
この厳しい世の間を、命永らえて渡り歩いてきていれば、脛に傷の一つや二つは持つのが当たり前です。墓場まで持っていかなければならない隠し事も沢山あるでしょう。これらの文書の著者も、それに触れないように、腫れ物にさわらないように、当たり障りのないことを書かざるを得ないのでしょう。 懺悔録でも書いて、反面教師として役立つ方がどれほど良いことか・・・。
倫理規範など、その時々の為政者の思想や時代の経過とともに流動的に変わるものです。真の正解などありません。今の技術者倫理教育は末端の技術者にその正解を求めています。これでは、管理者が技術者を飼い慣らし、いざというときは最終責任を「倫理意識が足りない末端の技術者」に押し付けようとする下心にしか見えません。
なお、技術者倫理に真摯に向き合おうとしている下記の投稿に水を差すつもりはありません。世の中には、長崎の住人でありながら、このように非常識な人も居るんだと受け取っていただくだけで結構です。
技術者倫理の本を開発者目線で読んでみる -Qiita
【技術者倫理】長崎原爆から学んだユーザ視点で開発することの大切さ -Qiita