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はじめてのAWS

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Last updated at Posted at 2026-09-12

AWS のアカウントを作りました。仕事で AWS の名前が出てくることが増えたので、自分の手でゼロから一度作ってみようと思ったのがきっかけです。

やってみて分かったのは、手順を書いたページはたくさんあるのに、実際の画面とは少しずつ違っていることでした。私が止まったところの多くは、「書いてあるとおりにやったのに、画面がそうなっていない」という形でした。

この記事では、アカウントを作ってから請求アラートを立てるまでを、私が実際に踏んだ順番で書きます。

この記事でできること

AWS を一度も使っていない状態から、アカウント・東京リージョン・ルートユーザーのパスキー・作業用のユーザー1つ・月10 USD の請求アラートまでを作ります

  • 対象読者:AWS のアカウントをこれから作る方/作ったけれど請求アラートをこれから付けたい方
  • かかるお金:0円。ただしクレジットカードの登録が要ります(下の「用意するもの」に書きました)
  • 試した日:2026年9月12日
  • 試した環境:iMac(2017)/macOS Ventura 13.7.8/Google Chrome 152

この記事に出てくる言葉

先に言葉だけ出しておきます。本文の中でも都度説明しますが、ここに戻れば分かるようにしておきます。

言葉 中身
AWS Amazon が貸し出しているサーバーやデータベースの置き場です。借りて使い、使った分だけ払います
マネジメントコンソール AWS をブラウザから操作する画面です。この記事の作業は全部ここでやります
リージョン AWS のサーバーが置かれている場所です。東京・大阪・シドニーのような単位で分かれています
ルートユーザー アカウントを作ったときにできる、そのアカウントの中で何でもできるユーザーです
IAM ユーザー 普段の作業に使うユーザーです。できることを絞って作れます

用意するもの

用意するもの 中身
クレジットカード 本人確認のためです。⚠ 登録の直後に 1 USD の請求が立ちますが、実際には引き落とされず、通常3〜5営業日で消えます(AWS の説明
電話番号 SMS か音声通話で4桁のコードが届きます
メールアドレス 確認コードと、請求アラートの宛先に使います

先にお金の話をします

カード番号を入れる画面で、私はいったん手が止まりました。止まった理由から先に書きます。

無料プランの中身

2025年7月に、AWS の無料の枠組みが新しくなりました。

中身 額・期間
サインアップでもらえるクレジット $100
主要なサービスを使うと追加でもらえるクレジット 最大 $100
合計 最大 $200
使える期間 最大6か月

ここでいう「クレジット」は、AWS の中だけで使える前払いのお金です。カードの与信枠とは別のもので、AWS のサービスを使うとここから引かれます。

数字の出どころは AWS 無料利用枠のページ です。枠の中身は2025年7月に一度変わっています。カードを登録する前に、一度リンク先を開いてください

有料プランを選ばないかぎり料金は発生しません。公式ページにも「有料プランを選択しない限り、料金は発生しません」と書かれています。以前の「12か月の無料枠」とは違って、枠を超えた瞬間に請求が立つ形ではありません。

料金が発生しないのに請求アラートを作るのは、理由が3つあります。

# 理由
1 クレジットの減り方を自分で見たいから。$200 を使い切ると、その時点で無料プランは終わります
2 あとで有料プランへ切り替えたとき、作ったアラートがそのまま効くから
3 「止め忘れ」に気づく手がかりが1つ増えるから。AWS からも通知は届きますが、自分で決めた線で鳴るアラートを自分で作っておきたかったからです

期限は6か月か、クレジットを使い切るまでの早いほう

ここは知らないと困ると思ったので書いておきます。無料利用枠のよくある質問に「無料プランは、AWS アカウントを開設した日から 6 か月間、または無料利用枠のクレジットを使い切ったときのいずれか早い方に期限切れになります」と書かれています。

期限が切れるとどうなるかも、同じページに書かれています。「無料プランの有効期限が切れると、AWS はアカウントを閉鎖し、リソースとデータにアクセスできなくなります」。ここでいう「リソース」は、借りているサーバーやデータベースなど、AWS の中に作ったもののことです。

データが残るのは90日間だけです。その間に有料プランへ切り替えればアカウントが再開され、作ったものに戻れます。有料プランは月額が決まっているものではなく、使った分だけ払う形です。

期限が近づいたことは AWS からメールで届きます。クレジットの残りが50%・25%・10%になったときと、6か月の期限まで15日・7日・2日になったときです。

⚠ 6か月のあいだに作ったもので残したいものがあれば、期限が来る前に自分のパソコンへ落としてください。プログラムや設定ファイルなら、作った時点で自分のパソコンにも同じものを置いておくのが確実です。

有料プランへの切り替えは、マネジメントコンソールの「コストと使用量」ウィジェット(画面に並んでいる四角い枠のことです)にある「プランをアップグレード」から行います。

出どころは AWS 無料利用枠のよくある質問 です。

1. アカウントを作る

AWS のトップページ の「AWS アカウントを作成」から始めます。聞かれるのはこの順でした。

# 画面 入れるもの
1 ルートユーザーのEメールアドレス 普段使っているメールアドレス。⚠ ここで入れたアドレスが、以後このアカウントの持ち主の証明になります
2 AWS アカウント名 請求書や画面の右上に出る名前です。後から変えられます。私は mitsuhashi-study にしました
3 確認コード 1番のアドレスに数字が届きます。そのまま入れます
4 ルートユーザーのパスワード ⚠ このあと作る作業用ユーザーとは別のパスワードにしてください。ルートユーザーは何でもできるので、使い回さないほうが安全です
5 プランの選択 無料プランと有料プランの2択が出ます。無料プランを選びます
6 連絡先情報 「個人 - ご自身のプロジェクト向け」を選びます。氏名・電話番号・住所を入れます
7 請求情報 クレジットカード番号
8 本人確認 SMS か音声通話で4桁のコードを受け取ります
9 サポートプラン ベーシックサポート(無料)を選びます。後から変えられるので、ここで悩まなくて大丈夫です

5番のプラン選択は、2025年7月の改定で入った画面です。サポートプランの選択よりもに出てきます。

6番の連絡先情報は、私のところでは英語表記(Contact Information)で出ました。住所も英字で入れる欄です。日本の住所は、小さい単位から順に書きます。たとえば「東京都新宿区西新宿2-8-1」なら、Address に 2-8-1 Nishishinjuku、City に Shinjuku-ku、State に Tokyo、Postal Code に 1638001、Country は Japan です。

ここまで終わると、マネジメントコンソールに入れます。

2. 作った直後は、東京ではなくシドニーになっていた

コンソールに入ると、画面の右上に地名が出ています。右上には検索窓・ベルのマーク・アカウント名も並んでいますが、地名が書かれているのがリージョンの表示です

画面のいちばん上の帯は、左から右へこう並んでいます。

 aws      サービスを検索        ベル     東京 ▼      アカウント名 ▼
                                        ------      ------------
                                          ↑              ↑
                                      リージョン     ここを押すと
                                                     ・セキュリティ認証情報(3章)
                                                     ・請求とコスト管理(5章)
                                                     が出る

この帯は、このあとの章でも同じ場所を使います。

私の場合はここが「シドニー」でした。なぜそうなったのかは分かりませんでした。

シドニーのまま EC2(AWS から借りて使う仮想のサーバーです。自分のパソコンとは別に、AWS の中に1台立ち上げて使います)を立てると、オーストラリアにあるサーバーを借りることになります。日本から使うなら東京のほうが速いので、先に変えておきます。

  1. 画面右上の地名をクリックする
  2. 一覧から アジアパシフィック(東京) を選ぶ

東京のリージョンコードは ap-northeast-1 です。シドニーは ap-southeast-2 でした。このコードは画面の一覧にも並んでいて、あとで設定ファイルに書くときにも出てきます。

選んだリージョンはブラウザに保存されるので、毎回選び直す必要はありません。ただし別のブラウザで開いたときや、シークレットウィンドウで開いたときは元に戻ります。作業を始めるときに右上を一度見てください。

IAM のように、リージョンを持たないサービスもあります。その画面では右上が「グローバル」と表示されます。

3. ルートユーザーにパスキーを付ける(QRコードは出なかった)

ルートユーザーは、請求情報も見られますし、アカウントを閉じることもできます。メールアドレスとパスワードだけで入れる状態のままにはしたくないところです。

そこで多要素認証(MFA)を付けます。パスワードに加えて、もう1つの確認を要求する方式です。

画面の場所は、右上のアカウント名をクリックするとメニューが開くので、その中の「セキュリティ認証情報」です。開いた先を下へスクロールすると「多要素認証 (MFA)」の枠があり、その中に「MFA デバイスの割り当て」のボタンがあります。

選べるものは3つでした。

種類 中身
パスキーとセキュリティキー 指紋・顔・PINで確認します。iPhone の Face ID や、USBポートに挿すセキュリティキーがこれにあたります
認証アプリケーション Google Authenticator など。30秒ごとに変わる6桁の数字を使います
ハードウェア TOTP トークン 数字が表示される専用の機器です。TOTP は、時刻をもとに使い捨ての数字を作る方式のことです

私はパスキーを選びました。iPhone の Face ID で入れるようにしたかったからです。

パスキーは、パスワードの代わりになる文字列をブラウザや端末に保存しておき、指紋や顔でその文字列を取り出して使う方式です。保存された文字列そのものが相手へ送られることはありません。

私はQRコードを待っていました

ここで止まりました。

私は「パスキーを選ぶと画面にQRコードが出て、それを iPhone のカメラで読む」と思っていました。認証アプリの登録がその形なので、同じだろうと考えていたのです。

実際は違いました。デバイス名(私は iphone-faceid にしました)を入れて次へ進むと、Chrome がそのまま指紋の確認を求めてきて、それで登録が終わりました。QRコードは一度も出ていません。

何が起きていたかというと、Chrome がパスキーを iCloud キーチェーンに保存していました。iCloud キーチェーンは、Apple がパスワードやパスキーを預かって、同じ Apple ID の端末どうしで共有するサービスです。つまり iPhone 単体ではなく Apple ID にひもづいたので、同じ Apple ID でログインしている Mac でも iPhone でも使えます。

ここはブラウザとパソコンの組み合わせで変わります。保存先(iCloud キーチェーン・スマートフォン・USBのセキュリティキー)を選ぶ画面が出ることもあり、スマートフォンを選べばQRコードが出ます。Windows なら Windows Hello が出ますし、指紋を読む機械が付いていないパソコンなら PIN の入力になります。画面に出たものに従ってください。私の環境では選択画面が出ないまま iCloud キーチェーンに入りました。

登録が終わると、MFA の一覧にデバイス名が並びます。次にルートユーザーでログインするときは、メールアドレスとパスワードのあとに指紋や顔の確認が入ります。

MFA は1つのユーザーに複数登録できます。私は1つだけにしましたが、端末をなくしたときが不安なら、認証アプリをもう1つ足しておくと入れなくなる事態を避けられます。

4. 作業用のユーザーを作る(アクセスキーはまだ作らない)

ルートユーザーは何でもできるので、普段の作業には使いません。作業用のユーザーを1つ作ります。

この「誰が何をしてよいか」を決めるサービスが IAM です。

画面は、コンソールの上にある検索窓(虫めがねのマークが付いた、幅の広い欄です。ブラウザのアドレス欄ではありません)に IAM と入れて開きます。左側にメニューが並んでいるので「ユーザー」を選び、「ユーザーの作成」を押します。

# 私が入れた値
1 ユーザー名 hiro-cli
2 AWS マネジメントコンソールへのユーザーアクセスを提供する - オプション ⛔ チェックを外したままにする(最初から外れています)
3 許可のオプション 「ポリシーを直接アタッチする」を選ぶ
4 許可ポリシー 検索欄に AdministratorAccess と入れて、出てきたものにチェック

「ポリシー」は、できることを書いた一覧のことです。「アタッチする」は、それをユーザーに結びつけるという意味です。AdministratorAccess は「全部できる」と書かれたポリシーです。

入れ終えたら「次へ」を押し、確認の画面で「ユーザーの作成」を押すと作られます。

2番のチェックを外したままにすると、画面からはログインできないユーザーになります。ログイン用のパスワードを持たないので、パスワードが漏れる心配もありません。

AdministratorAccess は強い権限です。仕事で使うなら必要な権限だけを与えるのが本筋ですが、これは自分ひとりの練習用のアカウントなので、私はこれにしました。

⭐ ここではアクセスキーを作っていません。アクセスキーは、パソコンのコマンドから AWS を操作するときに使う、アクセスキーIDとシークレットアクセスキーという2つの文字列です。作らないかぎり、このユーザーはまだ何にも使えません。それでも先に作ったのは、ルートユーザーで作業を続けないためです。この2つは外に出ると他の人に AWS を使われてしまうので、その保管の話とまとめて次にやります。

5. 請求アラートを作る(薄い「80」は入力例)

AWS Budgets というサービスで、「今月の使用額が決めた線を越えたらメールを送る」設定を作ります。

画面は、右上のアカウント名のメニューから「請求とコスト管理」を開きます。3章の「セキュリティ認証情報」と同じメニューの中にあります。開いたら左のメニューの「予算」を選び、「予算を作成」を押します。

進むと次の画面が出ます。1つの画面で終わらず、何度か「次へ」を押しながら進みます。

# 画面と欄 私が入れた値
1 予算タイプを選択 カスタマイズ (アドバンスド)
2 予算タイプ コスト予算
3 予算名 aws-study-10usd
4 期間 月次
5 予算額 10(USD)
6 アラートのしきい値 予算額の 80%
7 トリガー 実際
8 Eメールの受信者 自分のメールアドレス

1番には「テンプレートを使用 (シンプル)」もあります。こちらは決められた形の予算をすぐ作れるものです。金額としきい値を自分で決めたかったので、私は「カスタマイズ (アドバンスド)」を選びました。

10 USD にしたのは、練習で使う見込みが数百円ほどだからです。それを大きく超えていたら、何かを止め忘れている、という線として置きました。

7番の「実際」は、実際に使った額で判定するという意味です。もう1つ「予測」があり、こちらは「このペースだと月末にいくらになるか」で判定します。最初は「実際」で足ります。

8番のアドレスに確認のメールは届きません。設定はその場で有効になります。届くのは、しきい値を超えたときです。

しきい値の「80」は、打ったつもりで入っていなかった

しきい値の欄に「80」と薄く表示されていたので、そのままで良いと思って次へ進みました。ところが作成の手前でエラーになります。

以下のエラーを確認して、もう一度試してください。
しきい値を入力します

薄い「80」は入力例で、欄そのものは空でした。自分で 80 と打ち直したら通りました。

⭐ 正しく入ると、画面にこの1行が出ます。

実際のコストが予算額 ($10.00) の 80.00% ($8.00) を超えると、アラートのしきい値を超過します。

この文が出ていれば設定できています。金額が自分の意図した額になっているかも、ここで一緒に確かめられます。

「クレジットを除外する」が画面から消えていた

手順を書いたページにあって、実際の画面に無かったものがもう1つあります。

無料プランのクレジットで払われた分は、予算の集計では差し引かれます。つまりクレジットが残っているあいだ、このアラートは鳴りません。以前は予算の作成画面に「クレジットを除外する」というチェックボックスがあり、これを使うとクレジットで相殺される前の額で測れました。

私の画面(2026年9月)には、そのチェックボックスがありません。代わりにこう案内が出ていました。

請求タイプは、他のフィルターディメンションの [範囲オプション] に表示されるようになりました

「請求タイプ」はクレジット・返金・前払いといった支払いの種類のことで、「フィルターディメンション」は予算の対象を絞り込む条件のことです。チェックボックス1つだったものが、条件の指定の中に移っていました。

設定を複雑にしたくなかったので、私はここを触らずに進めました。⭐ その結果、私の請求アラートはクレジットを使い切って実費が出てから鳴る設定になっています。クレジットの減り方は、「請求とコスト管理」の「クレジット」のページを開いて直接見ます。

ここまでで作ったもの

名前と中身は次のとおりです。

作ったもの 私が付けた名前
AWS アカウント mitsuhashi-study(無料プラン)
既定のリージョン アジアパシフィック(東京)
ルートユーザーの多要素認証 パスキー iphone-faceid
作業用のユーザー hiro-cli(アクセスキーはまだ無し)
請求アラート aws-study-10usd(月10 USD・80%でメール)

まとめ:画面が手順ページと違った3か所

# どこ 何が違ったか
1 コンソールの右上 作った直後のリージョンがシドニーだった。東京に変えた
2 パスキーの登録 QRコードは出ず、Chrome が iCloud キーチェーンへ保存した(iPhone 単体ではなく Apple ID にひもづく)
3 予算の作成画面 「クレジットを除外する」のチェックボックスが無く、条件の指定に移っていた

手順を書いたページと実際の画面がズレているところが、そのまま止まりどころになりました。画面が違っていたら、読んでいるページのほうが古いのだと考えて、目の前の画面を読むほうが早いです。

明日からできること

  1. AWS のトップページ からアカウントを作る。プランの選択では無料プランを選ぶ
  2. コンソールに入ったら、右上の地名を見る。東京でなければ アジアパシフィック(東京) に変える
  3. 右上のアカウント名 →「セキュリティ認証情報」→「MFA デバイスの割り当て」で、ルートユーザーに多要素認証を付ける
  4. IAM で作業用のユーザーを1つ作る。コンソールへのアクセスのチェックは外したままにする
  5. 「請求とコスト管理」→「予算」で、月10 USD・しきい値80%のアラートを作る。薄い「80」は自分で打ち直す

⚠ 5番まで終えてから、サーバーを立てる話に進んでください。時間で課金されるサービスは、止め忘れたぶんがそのまま積み上がります

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