はじめに
初めてフリーランスを行う人は指標がない状態だと思う。
ここに僕が経験した内容を元にした指標を書いておくので、よければ参考にどうぞ。
当記事はツテは無いが会社員をやめて稼ぎたい
というIT系の人向けです。
志があってフリーランスになりたい方向けの指標ではありません。
仕事の見つけかた
仕事の見つけ方は結構簡単です。
【[プログラムや技術名] 案件 フリーランス】などのようなキーワードでgoogle検索をすればすぐに案件を紹介してくれるエージェントが見つかります。
特に今は技術者不足なので妥協すれば仕事はすぐに見つかるでしょう。
初めて仕事を請けるときは、どこまで妥協すれば良いかわからないと思うので当記事を参考にしてください。
報酬額の目安
プログラマーの報酬額の目安は70万円/月になります。
70万/月以上の報酬があれば多い方だと思って良いでしょう。
少なくても50万円/月の報酬がもらえる仕事を選びましょう。
また、消費税は別途清算してもらいましょう。
契約書に消費税込みと書かれているケースは稀ですが、念のため確認しておきましょう。
エージェントによっては140万/月などと書かれている広告もありますが、エージェントを通してこの金額をいきなり手に入れることはまずできません。
現場に入って余程優遇される
もしくは超残業
でもしない限り140万/月の報酬はありえないと思った方が良いです。
ちなみに個人事業主は労働法が適用されないので、残業させられても法的に守ってくれるものはありません。
そのため残業を無制限に行う事ができて、気力があれば青天井で報酬を得る事ができます。
(それによって体を壊しても自己責任なのでご注意を。あと保険には入っておきましょう!)
注意
ケチくさいですが、税抜き報酬で83万円/月を超える場合は年間の報酬額を計算しておきましょう。
売り上げが1000万を超えた場合は消費税の納税義務が発生し、売り上げ-必要経費
の8%(2016年6月現在)を消費税として納める必要が出てきます。
もし1000万の売り上げをして、経費が300万だった場合は
(1000万 - 300万) * 0.8 = 56万
を消費税として納税する必要が出てきます。
なので、ギリギリ1000万を超えそうなら83万/月の報酬で契約すると56万(青色申告の控除額に匹敵する金額です!)も節税できます。
(消費税の適用は2年後なので、実際のところその年には影響しません。)
もし超えてしまった場合は簡易課税
の申請をすることを強くオススメします。
(簡易課税の申請は年末締め切りなので、3月に年末調整を行ってから約9ヶ月の猶予があります。)
簡易課税の場合の消費税額は以下になります。
(1000万 * 50%) * 0.8 = 40万
簡易課税は経費に依存せずに、売り上げに対して何%が利益と言う計算方法になります。
ITの場合はサービス業なので50%が利益と言う計算になります。
経費で50%使う事はほぼ不可能なので簡易課税申請をしておいたほうがお得というわけです。
報酬額に関しての考察
フリーランスは各種の保険がありません。
厚生年金もそうですが、雇用者ではないので雇用保険も適用されません。
会社員は給料とは別の見えない所で得ている収入分も報酬として貰っておかなければ次の仕事が見つからない時などに困ります。
なので50万/月
と言うと多そうに見えますが、実際はそんな事はありません。
また、終身雇用ももちろんありませんので年を取った時に仕事があるとは限りません。
その時に蓄えが無ければフリーランスから(労働保険がもらえない)失業者になり、苦しい思いをする可能性が大いにあります。
ですので、報酬は保険と将来への投資としても貯蓄しておくべきでしょう。
幸いにも小規模共済
や確定拠出年金
などの制度がありますので、これらを利用しておくと節税対策もできるのでオススメです。
束縛時間の目安
俗に言うSES契約
は能力を売ってお金にするため、労働時間に対して報酬が払われます。
エージェントを通した場合はほとんどの場合この契約になります。(法律的には準委任契約となります。)
なので、指定の時間勤務すると報酬がもらえるという内容で契約する場合がほとんどになります。
基準時間は140-180時間/月
となります。
この時間よりも多いと日数が少ない月には残業が必須になるため下限は140時間
で交渉するようにしましょう。
(上限は仕事次第でなんとかなるので140-200時間/月
などなら許容範囲になると思います。)
余談ですが、この時間範囲で働くとライフスタイルが社員時代とほとんど変わりません。
会社員として働くのは嫌だけどライフタイルはそのままで働きたい人にはうってつけです。
(出向で働いている人は裏でこのような契約をしている場合が多いので、長期間の出向をしている人はフリーランスを検討するのも良いでしょう。)
長時間契約について補足
フリーランスは技術力を売ってお金にしている
ため、月に1〜2日は仕事とは別の技術力をつける事が差別化につながります。
しかし160-200時間/月
などの長時間での契約を行うと、残業をしない限り休みが取りにくくなりその時間を取りにくくなります。
(下限を下回ると報酬が減額されます。)
その現場で通用する技術は身につくかもしれませんが、それが汎用的に役に立つスキルでは無い場合はフリーランス寿命を縮める事になります。
なので、できる限り長時間束縛されるような契約は行わないようにしましょう。
(今の時代はIT系のフリーランスは需要過多なので、その仕事に固執しなくても仕事は見つかるでしょう。)
商流について
一般的な商流とは違うかもしれませんが、フリーランスとして使う場合は以下のような定義になります。
商流とは自分が入る現場までに何社の会社が挟まっているかという事です。
例えばエージェントA
に仕事を探してもらって現場の会社
に入る場合は以下になります。
自分→(契約)→エージェントA→(契約)→現場の会社
これを商流が1
と言われます。
商流が2
になると以下のようになります。
自分→(契約)→エージェントA→(契約)→エージェントB→(契約)→現場の会社
このような商流になる場合は、面接時にエージェントAの営業からエージェントBの営業に引き渡されます。
請求書などはエージェントA
に送るが、勤怠連絡などはエージェントB
に送るといった謎の状況が発生します。
わかると思いますが、商流は延びれば延びるほど情報伝達が複雑になりコストとなります。
また、間でマージンを引かれるため報酬金額が下がります。
参考までに出向社員の場合は以下のようになります。
商流0:
自分→(雇用)→自社→(契約)→現場の会社
商流1:
自分→(雇用)→自社→(契約)→エージェント→(契約)→現場の会社
商流が1でも、フリーランスの商流2と同じ状況が発生します。
この商流ですが、需要過多の時代にわざわざ商流が深いところと契約する必要はありません。
必ず商流1
のところと契約しましょう。
商流2
を生業にしている会社について
多数のエージェントと契約して、自分は直接現場の会社と契約しない商流2
を生業にしている会社も多くあります。
このような会社はプロモーション能力がとても高いので、フリーランスがエージェントを探そうとするとそのエージェントはすぐに見つかります。
しかし、エージェントの事はフリーランスを他のエージェントに引き渡す事がメイン業務となるため商流1のエージェントに比べて雑になる印象があります。
僕の経験では商流2のエージェントは連絡が遅く現場のフォローが無いのがほとんどです。
現場と直接契約していないので当然ですが、フリーランスから見るとかなりやりにくいです。
どうしても仕事が無い時は仕方が無いのですが、長期契約は控えて三ヶ月ほど契約したら他の仕事を探すのが良いでしょう。
商流の確認の仕方
商流の確認の仕方は簡単です。
エージェントとのファーストコンタクトで
「商流はどれくらいですか?」
と聞けば教えてくれます。
この商流は契約時にわかるので、隠す事はできません。
なので、エージェントは必ず回答してくれます。
年齢について
昔は35歳定年説などがありましたが、現在では特にそのような事はありません。
しかし、案件によっては30代まで
や40代まで
という制限がつく場合があります。
ただ、僕の感覚値ではスタートアップやベンチャー系の企業では40代
は少しきつい印象があります。
その理由としては二つあります。
- 若い人のほうがスキルが高く、年配者のメリットが無い。
- 現場を指揮するマネージャーやリーダーが若く、年配者の指揮を取りたがらない。
このような理由から40代
からは少し案件が減っていく気がします。
とはいえ、この業界自体が若く成長途中なので今後がどのようになっていくかはわかりません。
仕事について
僕はプログラムを専門に行っているのでインフラ系などについての需要はあまり分かりません。
ただ、インフラ系を外部の人に任せるケースは少ない印象があります。
プログラムでいうとSwift
とかGo
などが世間を賑わせいますが、実態はJava
とPHP
の案件が圧倒的に多いです。
最近Ruby
の案件も増えてきましたがやはりJava
やPHP
に比べると少なめの印象です。
最後に
これはあくまでも僕の経験値を元にした主観です。
これからフリーランスをしようという方の参考になれば幸いです。
ついでに僕が作ったゲーム「偽りの物語」を買っていただけると喜びます!