丸一日溶かしたNature Remo mini「登録中です」問題の原因は「0」と「1」の1文字だった
TL;DR
- NURO光 10G開通後、Nature Remo miniのセットアップが「登録中です」「ダウンロード中 0%」で止まった
- Wi‑Fi設定、ケーブル、アプリ、ネットワーク構成まで一通り疑い、PerplexityやClaudeにも相談しながら丸一日トラブルシューティングした
- 最終的な結論は「ONUとの相性問題、市販ルーターを買え」だった
-
実際の原因は、ONUのDHCPで配布するDNSサーバが
192.168.1.1のままだったこと。LAN側は192.168.0.1に変更済みだった - 間違っていたのは
0と1の1文字だけ
環境
| 役割 | 機器 |
|---|---|
| 回線 | NURO光 10G |
| ONU | ZTE F2886Q |
| スイッチ | Allied Telesis x510-28GTX |
| AP | Buffalo WSR300HR(APモード、2.4GHz) |
| 対象 | Nature Remo mini(NR5W1、2.4GHzのみ) |
| スマホ | iPhone 17 Pro Max(iOS 27.0) |
ZTE F2886Q → x510-28GTX → WSR300HR → Nature Remo mini
既存のホームラボが 192.168.0.0/24 で動いていたため、NURO開通時にONUのLAN側IPを初期値の 192.168.1.1 から 192.168.0.1 に変更していた。これが伏線。
症状
Nature Homeアプリでセットアップすると、次の状態で止まる。
- 「登録中です」のまま5分以上進まない
- 「ダウンロード中 0%」から進まない
- 最終的に「接続エラー、応答がありません」
試したこと(全部効かなかった)
本体
- リセットボタン長押しでの初期化(5秒、10〜15秒)
- USBケーブルの抜き差し(10秒、30秒、1分以上放置)
アプリ・iPhone
- アプリの再起動、削除して再インストール
- iPhoneの再起動
- ローカルネットワーク権限の確認
ONU(ZTE F2886Q)のWi‑Fi
- 帯域幅を「自動」から20MHz固定に
- セキュリティを「WPA/WPA2 (TKIP/AES)」からWPA2-PSK (AES)に
- チャネルを「自動」から1/6/11固定に
- AP分離がオフであることを確認
- iPhoneが6GHzで繋がっていないか確認
Buffalo AP
- APモード、2.4GHzのみ、20MHz、WPA2-PSK (AES) を確認
ネットワーク構成
- x510をバイパスして、ONUとAPを直結
- ファイアウォールレベルを低に、フィルター類はすべて無効
どれも結果は同じ「登録中です」だった。
唯一の手がかり:テザリングだと通る
iPhoneのテザリングに繋ぐと、セットアップは普通に通った。
さらに、ONUの管理画面にはRemo(espressif のMACアドレス)が 192.168.0.2 で載っていた。つまり、
- Wi‑Fiへの接続:OK
- DHCPでのIP取得:OK
- iPhoneとRemoのローカル通信:OK
- クラウドへの到達:NG
という状態だった。
ここでAIと一緒に出した結論は「ZTE F2886QのNAT、ファイアウォール、DNSのどこかがNature Remoと相性が悪い」。対策は「市販Wi‑Fiルーターをルーターモードで挟む」。要するに機材を買えだった。
原因
買う前にONUの設定をもう一度見直したら、あった。
| 項目 | 値 |
|---|---|
| LAN側IPアドレス | 192.168.0.1 |
| DHCPで配布するプライマリDNS | 192.168.1.1 |
LAN側のIPは変えたのに、DHCPで配布するDNSが 192.168.1.1 のままだった。192.168.0.1 に直したら、一発でセットアップが通った。
LANのIPアドレスを変えても、DHCPで配布するDNSが自動で追従するとは限らない。
何が起きていたのか
- RemoはDHCPで次の情報を受け取る
- IP:
192.168.0.2 - ゲートウェイ:
192.168.0.1 - DNS:
192.168.1.1
- IP:
- Remoは
192.168.1.1に名前解決を問い合わせる。しかしこのアドレスには誰もいない。サブネット外なのでゲートウェイ経由で外に出ていき、返事は来ない - 名前解決ができないので、Natureのクラウドに接続できない
- その結果、「登録中です」で止まる
Remoのセットアップは、大まかに次の2段階で進む。
- iPhoneからRemoへ、Wi‑Fi情報をローカルで渡す
- Remoがクラウドに登録し、ファームウェアを取得する
1段目はDNSを使わないので成功する。これが「ローカルは通っているのにクラウドだけダメ」という、いかにも相性問題っぽい症状を作っていた。
テザリングで通ったのは、iPhoneのテザリングが配るDNS(iPhone自身)が正しく動いていたから。ONUを経由しなかったから通ったわけではない。
なぜiPhoneやPCは普通に使えていたのか
ここが気づくのを一番遅らせた点。同じONUに繋いでいるiPhoneでは、Webも普通に見られていた。
おそらく、iPhoneはIPv6側のDNSやiCloudプライベートリレー(暗号化DNS)で名前解決できていた。IPv4側のDNSが壊れていても、スマホやPCは別の経路で名前解決を済ませてしまう。
一方、ESP32ベースのRemo miniは、IPv4とDHCPで配られたDNSにしか頼れない。スマホは生きているのにIoT機器だけ死ぬという状況は、IPv4のDNS設定を疑う価値がある。
教訓
- LANのIPを変えたら、DHCPの設定(ゲートウェイ、DNS、プール範囲)をセットで見直す
- 「スマホは使えるのにIoT機器だけダメ」なら、IPv4側のDNSを疑う
- 「テザリングなら通る」は、ONUとの相性の証拠ではない。DHCPで配られる設定が違うという手がかりでもある
- AIに相談すると、症状の説明に筋の通った仮説(相性問題)がどんどん積み上がる。前提となる設定値そのものを疑うのは、結局自分の仕事だった
- 高度な切り分けに入る前に、管理画面の値を1行ずつ読む
丸一日かけて、Wi‑Fiの帯域幅からスイッチのバイパスまで試した。結局、間違っていたのは 0 か 1 かだけだった。