90
94

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

Visual Studioではなく、Windows付属のcsc.exe だけでC#実行ファイルを作る

Last updated at Posted at 2013-03-27

PC遠隔操作事件で弁護士さんが容疑者にはC#を作成する環境(Visual Studio 2010)がなかったと主張( http://goo.gl/wJyOc ) をされています。

この事件の事実や行方、あるいは今の容疑者は真犯人なのかといった事柄とは別に、C#のそこの部分を自分の手で確認してみたくなったので、極簡単なコンパイルのテストをしてみました。

「まぁ、C#の世界はよくわからないけど、念のために今Framework\v4.0.30319のcsc.exeでコンパイルしてみたら、hello.exe の中にそのGeneratorバージョンを埋め込めたので、できることはできるのかなと思う。」http://goo.gl/wqlWg

ということで、Visual Studio 2010なしでC#の実行ファイル作成をテストしてみたメモです。(参考:Windows にデフォルトでインストールされている .NET Framework のバージョン http://goo.gl/ZkpOu)

環境は、Visual Studioではなく、Windows Vistaや7や8には最初から入っているC#コンパイラ csc.exe と テキストエディタ(これも最初から入ってるメモ帳でOK)です。

下記で試しているFrameworkはv2.0.50727です。

P.S. もちろん、これができたからといっても、当の遠隔操作ウィルスでも同じことができるかどうかは、そのウィルスを見たこともないのでわかりません。

P.S.2 こうして試してみるとC#って意外に手軽で楽しそうです^^。

##ソースコード

まず、C#のコードを書きます。なんでも良いのですが、たとえばこんな感じ。

hello.cs
using System;
using System.CodeDom;
using System.CodeDom.Compiler;
using System.Reflection;
using System.Windows.Forms;
using System.Drawing;

class HelloNeko : Form {

  [STAThread]
  public static void Main() {
    GeneratedCodeAttribute generatedCodeAttribute =
        new GeneratedCodeAttribute(
           "Microsoft.VisualStudio.Editors.SettingsDesigner.SettingsSingleFileGenerator", "10.0.0.0"
        );
    Application.EnableVisualStyles();
    Application.SetCompatibleTextRenderingDefault(false);
    Application.Run( new HelloNeko());
  }

  HelloNeko(){
    Text = "Button Click Sample";
    ClientSize = new Size(200, 200);
    Button btn1 = new Button();
    btn1.Location = new Point(50, 50);
    btn1.Text = "Click!";
    btn1.Click += btn1_Click;
    Controls.AddRange(new Control[] { btn1 });
  }

  void btn1_Click(object sender, System.EventArgs e) {
    MessageBox.Show("Hello .NEKO World", "こんちわ");
  }
}

ちなみに「"Microsoft.VisualStudio.Editors.SettingsDesigner.SettingsSingleFileGenerator", "10.0.0.0"」の部分はexeファイルに埋め込まれるので Visual Studio で作ったっぽく見えます。

##コマンドプロンプトを起動する

上記コードをたとえば hello.cs といった名前にしてC:\testというフォルダへ置きます。

次に、そのフォルダのアドレスバーへ「cmd」と打ち込みエンターすると、そのフォルダのパスでコマンドプロンプトが開きます。

次に、csc.exeを探します。普通は「C:\Windows\Microsoft.NET\Framework」の下にFrameworkのバージョン毎にフォルダが作成されています。

とりあえずここでは、v2.0.50727の下にあるcsc.exeを使うことにします。

つまり、C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\csc.exe を使います。

そのcsc.exeをコマンドプロンプトへドラッグドロップするとこうなります。

コマンドプロンプト

次に、このC:\test>C:\Windows\Microsoft.NET\Framework\v2.0.50727\csc.exeの後ろへ半角スペースを打ち込んでから、今度は、最初に作ったhello.csをドラッグドロップします。

そうすると、こうなります。

コマンドプロンプト

##さぁ、コンパイル!

改行します。

これだけです。

##実行しましょう。

コンパイルするとC:\testホルダに hello.exe というファイルができています。

これをクリックするとこうなります。

実行

ダイアログが表れて、ボタンをクリックすると「Hello .NEKO World」と表示されます。

ちなみに、csc.exeのオプションは下記の通り。たとえば、/t:winexe をつけてコンパイルすれば、コマンドプロンプトが表示されない通常のアプリケーションになります。

Visual C# コンパイラのオプション

                        Visual C# Compiler のオプション

                        - 出力ファイル -
/out:<ファイル>                出力ファイル名を指定します (既定: メイン
                               クラスかファースト
                               ファイルを伴うファイルのベース名)。
/target:exe                    コンソール アプリケーションをビルドします
                               (既定)。 (短い形式: /t:exe)
/target:winexe                 Windows 実行可能ファイルをビルドします。
                               (短い形式: /t:winexe)
/target:library                ライブラリをビルドします。 (短い形式: /t:library)
/target:module                 別のアセンブリに追加できるモジュールをビルドしま
                               す。 (短い形式: /t:module)
/target:appcontainerexe        Appcontainer 実行可能ファイルのビルド (短い形式:
                               /t:appcontainerexe)
/target:winmdobj               WinMDExp で使用される Windows
                               ランタイムの中間ファイルのビルド (短い形式:
                               /t:winmdobj)
/doc:<ファイル>                生成する XML ドキュメント ファイル
/platform:<文字列>             このコードが実行されるプラットフォームの制限:
                               x86、Itanium、x64、arm、anycpu32bitpreferred、ま
                               たは anycpu。既定は anycpu です。

                        - 入力ファイル -
/recurse:<ワイルドカード>      ワイルドカードの指定に従い、現在のディレクトリと
                               サブディレクトリ内のすべてのファイルをインクルー
                               ドします。
/reference:<エイリアス>=<ファイル>
                               指定されたエイリアスを使用して、指定されたアセン
                               ブリ ファイルからメタベースを参照する (短い形式:
                               /r)
/reference:<ファイル リスト>   指定されたアセンブリ
                               ファイルからメタベースを参照する (短い形式: /r)
/addmodule:<ファイル リスト>   指定されたモジュールをこのアセンブリにリンクする
/link:<ファイル リスト>        指定された相互運用機能アセンブリ
                               ファイルからメタデータを埋め込みます (短い形式:
                               /l)

                        - リソース -
/win32res:<ファイル>           Win32 リソース ファイルを指定します (.res)。
/win32icon:<ファイル>          出力にこのアイコンを使用します。
/win32manifest:<ファイル>      Win32 マニフェスト ファイル (.xml)
                               を指定してください。
/nowin32manifest               既定の Win32 マニフェストを含めません。
/resource:<リソース情報>       指定したリソースを埋め込みます。 (短い形式: /res)
/linkresource:<リソース情報>   このアセンブリに指定されたリソースをリンクします
                               。 (短い形式: /linkres)
                               リソース情報の形式は <ファイル>[,<文字列名>
                                                             [,public|private]]
                               です。

                        - コード生成 -
/debug[+|-]                    デバッグ情報を生成する
/debug:{full|pdbonly}          デバッグの種類を指定します (既定値は full
                               で、実行中のプログラムにデバッガーを付加すること
                               ができます)。
/optimize[+|-]                 最適化を有効にする (短い形式: /o)

                        - エラーと警告 -
/warnaserror[+|-]              すべての警告をエラーとして報告する
/warnaserror[+|-]:<警告リスト> 指定した警告をエラーとして報告する
/warn:<n>                      警告レベル (0-4) を設定する (短い形式: /w)
/nowarn:<警告リスト>           指定の警告メッセージを無効にする

                        - 言語 -
/checked[+|-]                  オーバーフロー チェックの生成
/unsafe[+|-]                   アンセーフ コードの許可
/define:<シンボル リスト>      条件付きコンパイル シンボルを定義する (短い形式:
                               /d)
/langversion:<文字列>          言語バージョン モードの指定:
                               ISO-1、ISO-2、3、4、5、または Default

                        - セキュリティ -
/delaysign[+|-]                厳密な名前のキーのパブリックな部分のみを使ってア
                               センブリを遅延署名します。
/keyfile:<ファイル>            厳密な名前のキー ファイルを指定します。
/keycontainer:<文字列>         厳密な名前のキー コンテナーを指定します。
/highentropyva[+|-]            高エントロピ ASLR の有効化

                        - その他 -
@<ファイル>                    応答ファイルを読み取り、オプションを追加します。
/help                          この使用法のメッセージを表示します。 (短い形式:
                               /?)
/nologo                        コンパイル時の著作権メッセージを表示しません。
/noconfig                      CSC.RSP ファイルを自動的に含めません。

                        - 詳細 -
/baseaddress:<アドレス>        ビルドするライブラリのベース アドレスです。
/bugreport:<ファイル>          'バグ報告' ファイルを作成します
/codepage:<n>                  ソース
                               ファイルを開くときに使用するコードページを指定し
                               ます。
/utf8output                    UTF-8
                               エンコードでコンパイラのメッセージを出力する
/main:<型>                     エントリ ポイントを含む型を指定します
                               (他のエントリ ポイントはすべて無視します)。
                               (短い形式: /m)
/fullpaths                     コンパイラは絶対パスを生成します。
/filealign:<n>                 出力ファイル
                               セクションで使用する配置を指定します。
/pdb:<ファイル>                デバッグ情報ファイル名を指定します (既定: .pdb
                               拡張子の付いた出力ファイル名)
/errorendlocation              各エラーの終了位置の出力行と出力列
/preferreduilang               出力用の言語名を指定します。
/nostdlib[+|-]                 標準ライブラリ (mscorlib.dll) を参照しない
/subsystemversion:<文字列>     このアセンブリのサブシステム
                               バージョンを指定してください
/lib:<ファイル リスト>         参照を検索する追加のディレクトリを指定します。
/errorreport:<文字列>          内部コンパイラ エラーの処理方法を指定します:
                               prompt、send、queue、または none です。既定値は
                               queue です。
/appconfig:<ファイル>          アセンブリ
                               バインディング設定を含むアプリケーション構成ファ
                               イルを指定してください
/moduleassemblyname:<文字列>   このモジュールが一部となるアセンブリ名です

##.NET Frameworkライブラリ

##メモ

・ソース中の[STAThread]について
 アパートメントモデルと、.NETのSTAThreadAttribute
 http://d.hatena.ne.jp/zecl/20070708/p1

90
94
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
90
94

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?