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Cloudflareってなんでこんなに"すごい"のか

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Last updated at Posted at 2025-12-14

釣りタイトルみたいになってますね。

まあそれはそうとして、Cloudflare は、"すごい"です。
全世界に持っているEdge DC、寛大すぎる無料枠、Zero trust…。

もはや初期のハニーポットが見えないくらい大規模で、手広く、ネットワークとセキュリティに関連する事業を展開しています。

そこで、なんでこんなに大規模で、タダで、全部やっちゃう会社になったのかをしっかり調べ上げてみましょう。

この先、日訳には Google 翻訳か DeepL翻訳 による翻訳が含まれています。

Cloudflare の何がすごいねん (調べたこと)

Cloudflare のココがすごい!

  • DDoS 対策、CDN あたりのコアの機能は全部無料
  • 全世界に DC を持っている
  • 開発系製品も大体無料枠ある

→ ビジネスモデル、どうなってるねん…という話

米国証券取引委員会に提出されている Form 10-K を見てみる

何を言っているかわからないかもしれません。

前提として Cloudflare は上場しているので (NYSE: NET)、日本でいう「有価証券報告書」みたいなものを出さなきゃいけません。
これがアメリカでは Form 10-K と呼ばれる報告書です。

この中には企業が自社資金をどう見てるか、みたいな経営視点での独り言がたくさん書いてあるので、ヒントがあるかもしれません。

ということで、24 年度の報告書を読んでみましょう。

PART I / Item 1

まずは Business とか Risk Factors とか、早速知りたいことが書いて有りそうな "PART I" を見てまとめてみます。

Our Network より

Because we manage the execution and prioritization of code running across our network, it means that we are both able to improve the performance of our highest paying customers, and also effectively leverage idle capacity across our network. We have chosen to utilize this idle capacity to create a free tier of service which has generated substantial global scale for us.

当社はネットワーク全体で実行されるコードの実行と優先順位を管理しているため、最も高額な料金を支払っている顧客のパフォーマンスを向上させることができるだけでなく、ネットワーク全体の空き容量を効果的に活用することもできます。私たちは、この空き容量を利用してサービスの無料枠を作成することを選択し、世界規模での大幅な成長を実現しました。

In turn, this scale makes us attractive partners for Internet Service Providers (ISPs) globally, which reduces our co-location and bandwidth costs. As our network grows, these dynamics become even more powerful. Today, our network spans more than 335 cities in over 125 countries worldwide and interconnects with over 13,000 networks globally, including major ISPs, cloud services, and enterprises.

この規模により、当社は世界中のインターネット サービス プロバイダー (ISP) にとって魅力的なパートナーとなり、コロケーションと帯域幅のコストが削減されます。私たちのネットワークが成長するにつれて、これらのダイナミクスはさらに強力になります。現在、当社のネットワークは世界 125 か国以上の 335 都市以上に広がり、主要な ISP、クラウド サービス、企業を含む世界中の 13,000 以上のネットワークと相互接続しています。
※コロケーション:インフラ共有のこと。ここではネットワークインフラの共有を指すと考えられる

「遊んでいるリソースがある以上、使ってもらうためには無料枠にする」という粋な図らいが見えました。

また、この遊休リソースを活用することで世界にユーザーがいる状況が出来上がり、必然的に全世界にネットワークを提供することになります。

Cloudflare 社ネットワークが世界規模で巨大になったということは、Cloudflare が全世界を瞬時に飛び回れるネットワークがあるということで、すなわちローカルの ISP (IIJ とか NTT とか) は Cloudflare に接続すれば全世界に飛び回れます。

▼ 全世界に繋がっていることがわかる

世界中の ISP が Cloudflare と接続したらどうなるでしょう?

そうです。世界中の ISP が Cloudflare を通して最短距離で接続できるために早く通信ができるだけでなく、Cloudflare がネットワークを張り巡らせているおかげでどこか断線しても勝手に迂回してくれて安定した接続を担保してくれる恩恵にもあずかることができます。

更に突き詰めると、Cloudflare は Google Cloud や AWS とつなげて転送量を安くしよう!という取り組み (Bandwidth Alliance) を主導しているので、Cloudflare と各パートナー間でお互いに転送コストを安くして、安くなった分をお互いの顧客に還元する、といった流れが出来上がっています。

こうやって転送コストを抑えているところがポイントですね。

PART II / Item 7

無料顧客について、遊休リソースを無料枠として充てることでフル稼働していることはわかりましたが、Cloudflare はどう思っているんでしょうか。

Free customer base. Free customers are an important part of our business. These customers are typically individual developers, early-stage startups, hobbyists, and other users and, like our pay-as-you-go customers, sign up for our service through our website. Our free customers create scale, serve as efficient brand marketing, and help us attract developers, customers, and potential employees. These free customers expose us to diverse traffic, threats, and problems, often allowing us to see potential security, performance, and reliability issues at the earliest stage. This knowledge allows us to improve our products and deliver more effective solutions to our paying customers. In addition, the added scale and diversity of this traffic makes us valuable to a diverse set of global ISPs, improving the breadth and economic terms of our interconnections, bandwidth costs, and co-location expenses. Finally, the enthusiastic engagement of our free customer base represents a "virtual quality assurance" function that allows us to maintain a high rate of product innovation, while ensuring our products are extensively tested in real world environments before they are deployed to our paying customers.

無料ユーザーベース 無料ユーザーは当社のビジネスにおいて重要な存在です。こうしたユーザーは主に個人開発者、初期段階のスタートアップ、趣味で利用する方、その他のユーザーであり、従量課金制の有料ユーザーと同様に当社ウェブサイトを通じてサービスに登録します。無料ユーザーはスケールを生み出し、効率的なブランドマーケティングとして機能し、開発者・顧客・潜在的な従業員の獲得に貢献します。また多様なトラフィック・脅威・問題に当社を晒すことで、セキュリティ・パフォーマンス・信頼性に関する潜在的問題を早期に発見する機会を提供します。この知見により製品を改善し、有料ユーザーにより効果的なソリューションを提供できるのです。さらに、このトラフィックの規模と多様性の拡大は、多様なグローバルISPにとって当社を価値ある存在とし、相互接続の幅と経済的条件、帯域幅コスト、コロケーション費用の改善につながります。最後に、無料顧客基盤の熱心な関与は「仮想品質保証」機能として機能し、有料顧客への展開前に実環境で製品が徹底的にテストされることを保証しつつ、高い製品革新率を維持することを可能にしています。

"無料ユーザーは当社のビジネスにおいて重要な存在です" と言ってくれています。

まず無料で使ってくれることで、Cloudflare ブランドのマーケティングで有利に働きます。(使用者が絶対値として多くなるので)

そして、Cloudflare 社にトラフィックを全流しして攻撃を受けるなどすることで、Cloudflare が攻撃パターンを理解し、有料ユーザーに還元することができます。

さらに、増えまくったユーザーによりトラフィックも増えまくるので、ISP 同士の接続にも有利に働きます。

最後に、新機能をリリースしたとして、無料ユーザーがたくさん使うことで、実質的に運用テストを肩代わりしてもらっていることになります。

大量に無料ユーザーがいることでよりサービスの質が上がる構成になっているので、無料枠を切り捨てるのは今更もったいないわけですね。

なので基本的に無料枠はガッツリ提供されているわけです。

いや、なんで DDoS 対策はタダなんよ

ネットワーク企業だから帯域は大事じゃないですか!

なのに、帯域をバリバリ食う DDoS 対策がなぜタダなのか、気になりませんか?

答えはいつも公式ブロクに。

結論から言うと「容量がデカくなったのでぶっちゃけ DDoS 食らってもあんまり効かない」という脳筋でした。

Cloudflare が世界とピアリングして持っている容量が 449 Tbps。

2025 年 Q3 に発生した史上最大の DDoS が 29.7 Tbps なので、7 % 弱くらいの容量であることがわかります。

「7 % って相当では?」と思うかもしれません。
そう思うのも当たり前です。これがたった 20 件でも起きたら Cloudflare は回線容量的に落ちるのではないかと。

しかし、Cloudflare はネットワークを世界に分散させていますよね。
すなわち全世界から集まってくるトラフィックは Cloudflare が全世界に持つ DC に届き、それぞれの DC で拒否されるのです。

今までは 1 つのホストに全トラフィックが集中するために攻撃が命中していましたが、全世界に分散されていると、ルーティングするまでもなく攻撃を防御できるのです。「しかも自動で」。

Cloudflare が持つクソデカ容量で全部飲み込んだ後、トラフィックを分析して「あかんなこれ」というのを全部あの手この手で弾くことで、サーバーは Healthy を保てるわけですね。

詳しくは以下の記事に。

財政状況を見てみる

ここまで「無料枠ばんざい!」って話をしましたが、財政状況はどうなってるんでしょうか。

FY25 Q3 の資料が公式から出ていますので、見てみましょう。

  • 前年同期比で 31 % 増加
  • 粗利率 78 % → 74 % 微減
  • 会計損益 $ ▲1.3 M (若干赤字)
  • 自由に使えるお金 $ 75.0M (黒字)
  • 売上見通し $ 2.14B (うち 1.37B くらいは 12 ヶ月以内に収益化)

赤字ですね…。AI の情勢を考えると機材投資などの面から当然なのかもしれませんが…

どんどん黒字になることを願います。

終わりに

Cloudflare がすごいのにはちゃんと理由があり、かつ健全に回る体制が成立していることがわかりました。

これからも大量に使っていこうと思います。

P.S. 書いた後で気づきましたが、以下の公式ブログにほぼ同じことがわかりやすく書いてありました。

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