はじめに
みなさん、こんにちは。日本マイクロソフトの佐々木です。
何回かの記事に分けて、Power Platformの管理者の皆様に向けて、Copilot Studioのセキュリティ・ガバナンスについて、簡単にご説明してきております。
2025年3月時点の設定方法となります。
なお、プレビュー機能も含むため、内容が変更となる可能性がございます。
下記の記事でCopilot Studioのライセンス体系について説明しておりますが、
主に従来からありましたメッセージパックについての説明や設定方法がメインとなっておりましため、本記事では従量課金プランの設定について説明していきます。
Copilot Studioのライセンス体系について
Copilot Studioのスタンドアロンライセンス(Microsoft365 Copilotに付帯される機能を除く)には、大きく分けて、従量課金プランとメッセージパックがございます。どちらも利用できる機能は同じです。
1)Copilot Studio従量課金ライセンス = 利用メッセージに応じて課金
2)Copilot Studioメッセージパック = メッセージパックから消費
正式な情報はライセンスガイドやこちらのブログを参考に確認ください。
Power Platformの従量課金プランについて
Microsoft Power Platformの従量課金プランは、Azureサブスクリプションを通じて、ライセンス契約や事前購入なしでCopilot Studioはじめ、Power AppsやPower Automateを利用できる柔軟な課金体系です。
Copilot Studioにおける従量課金について
従量制の料金システムでは、各月末に、その月にエージェントが実際に送信したメッセージの数に応じた料金のみを支払うことになります。 ライセンスの先行契約は不要であるため、組織は柔軟に使用量を拡大し、ミッションクリティカルなビジネスプロセスの事業継続性を確保できます。
利点
柔軟なコスト管理: 使用した分だけ課金されるため、必要な時に必要なだけ利用でき、無駄なコストを削減できます。
簡易な導入: Azureサブスクリプションを設定するだけで、追加のライセンス購入や契約手続きなしにPower Platformの機能を活用できます。
詳細なコスト分析: Azure Cost Managementやタグ機能を使用して、利用状況や費用を詳細に追跡・分析できます。
従量課金プランの設定方法
従量課金プランの設定方法をAzure管理者側の作業とPower Plarform管理者側の作業に分けて説明します。
Azureサブスクリプション管理者の作業
Azureサブスクリプション管理者は、従量課金プランを利用するための基盤を整える役割を担います。
主な作業内容
-
Azureサブスクリプションの準備
従量課金プランを利用するには、Azureサブスクリプションが必要です。
必要に応じて、新しいAzureサブスクリプションを作成します。 -
リソースグループの作成
Power Platformの課金プランに関連付けるリソースグループを作成します。 -
アクセス権限の設定
Power Platform管理者がAzureサブスクリプションやリソースグループにアクセスできるよう、必要な権限を付与します(例: サブスクリプションの共同作成者権限)
Power Platform管理者の作業
Power Platform管理者は、AzureサブスクリプションをPower Platform環境にリンクし、請求プランを設定します。
主な作業内容
-
Power Platform管理センターにアクセスし、請求プランを作成します。
管理センターで「ライセンス」→「従量課金制プラン」を選択します。
・「新しい請求プラン」を作成し、以下の情報を入力します:
・Azureサブスクリプション: Azureサブスクリプション管理者が準備したものを選択。
・リソースグループ: 対応するリソースグループを指定。
・Power Platform製品: 従量課金を適用する製品(例: Copilot Studio、Power Apps、Power Automateなど)を選択。 -
環境のリンク
この請求プランに追加するべき環境を選択します。追加できるのは運用環境とサンドボックス環境のみです。
設定を保存し、課金プランが正しく適用されていることを確認します。
Copilot Studioで開発行為をおこなうライセンスについて
Microsoft365 Copilotのユーザーライセンスが割り当てされていないユーザーの場合、Copilot Studioで開発行為をおこなうには、下記いずれかの設定が必要となります。
メッセージパックのライセンス体系の場合(メッセージパックがテナントにある場合)
開発行為をおこなうユーザーに対して、無償の開発用ライセンスを割り当てする必要があります。
従量課金プランの場合(PAYG環境が設定されている環境において、非Licenseユーザーの開発行為について)
開発者に対する特別なユーザーライセンスは存在しません。
下記の設定が必要となります。
テナントレベルの設定
Power Platform管理センターにアクセスいただき、テナントレベルの設定でセキュリティグループを指定します。
セキュリティグループ内のユーザーはCopilot Studioにアクセスできるようになります。
※非Licenseユーザーかつこちらせ設定したセキュリティグループに所属していないユーザーがCopilot Studioにアクセスしようとすると下記のような画面が表示されます。
ですので、テナント単位でCopilot Studioの開発行為をおこなうセキュリティグループを指定してあげて、Copilot Studioで開発行為をさせたい従量課金が設定された環境に対して同じセキュリティグループを指定してあげて、開発行為させるのが基本路線となります。
おわりに
複雑なライセンス体系かつ設定方法も容易ではございませんが、ぜひ参考にいただければと思います。