はじめに
Cisco Catalyst 9300(以下Cat9300とします)のOSを入れ替える機会があったため、作業手順を備忘録を兼ねてまとめています。
構成
構成は以下の様にしています。
・PC側のIP:192.168.1.100/24としています
・Cat9300側のIP:vlan1に192.168.1.254/24を振っています
・Cat9300の任意のインターフェース(本記事ではTe1/0/1)とPCをLANケーブルで接続します
・Cat9300のコンソールポートにコンソールケーブルで接続します
※作業時にWindows Firewallなどのセキュリティ機能が有効になっていると、OSイメージの転送が正常に行われない場合があります。
一時的にWindows Firewallを無効化しておくようご注意ください。
OSの転送準備
OSの準備
以下のCiscoコミュニティにIOSのダウンロード手順が記載されています。
なおOSをダウンロードするにはCISCOアカウントが必要になります。
今回の手順ではcat9k_iosxe.17.18.04.SPA.binのOSをインストールします。
MD5のハッシュ値の確認
ダウンロードしたOSファイルが破損していないか検証するためにハッシュ値を取得しておきます。
取得したハッシュ値は後ほど使用します。
コマンドプロンプトなどで以下のコマンドを入力します。
certutil -hashfile <ファイルパス> md5
(例)certutil -hashfile cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin md5
MD5 ハッシュ (対象 cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin):
1234567890abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
CertUtil: -hashfile コマンドは正常に完了しました。
出力された値を控えておきます。
OSファイルの転送ツールの用意
今回は3CDaemonを使用します
※現在3CDaemonは公式では配布されていません。
転送ツール(3CDaemon)の設定
①ダウンロードしたOSを任意のフォルダに配置します
②3CDaemon を起動し左メニューから 「FTP Server」を選択します
※Catalyst 9300などの最新OS(IOS XE)はファイルサイズが1GB以上ある場合があります。
TFTPで転送すると、転送に時間がかかってしまうため、今回はFTPでの転送を採用しています。
③「Configure FTP Server」 をクリックし、「User Profiles」 タブを開きます

④新規ユーザーを作成します(例: ユーザー名 admin / パスワード 1234567)
※パスワードは7文字以上必要です
⑤「User Directory」にOSを配置したパスを記載します

⑥「OK」を押して設定を完了させ「適用」をクリックします。
疎通確認
pcのコマンドプロンプトなどからpingで疎通確認を行います。
ping 192.168.1.254
192.168.1.254 に ping を送信しています 32 バイトのデータ:
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
192.168.1.254 からの応答: バイト数 =32 時間 <1ms TTL=128
宛先から応答があることを確認します。
OSの転送
転送コマンドの入力
コンソールで機器にログインして以下のコマンドを入力します
コマンドではOSをflash:に転送しています。
copy ftp://ユーザー名:パスワード@PCのアドレス/cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin flash:
(例)copy ftp://admin:1234567@192.168.1.100/cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin flash:
保存時のファイル名を聞かれるので、問題なければそのままエンターをクリックします。
Destination filename [cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin]?
構文が問題なければ、OSの転送が開始されます。
Accessing ftp://*:*@192.168.1.100/cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin...!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
OSの転送後、cisco機側でファイルのハッシュ値を取得します
verify /md5 flash:ファイル名.bin
(例)
verify /md5 flash:cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin
....Done!
verify /md5 (flash:cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin) = 1234567890abcdefghijklmnopqrstuvwxyz
取得したハッシュ値が、PC側で取得した値と同じであれば、ファイルの破損はありません。
OSの転送は無事に完了です。
OSのインストール
OSファイルのインストール
次のコマンドを入力してOSファイルをインストールします
①write memoryで設定を保存
※設定を保存しないで後続のコマンドを実行しようとすると、次のようなエラーになります。
FAILED: System configuration has been modified. Please save configuration and resubmit command.
②install add file flash:osファイル名.bin
binファイルからOSイメージを展開します。
(例)
install add file flash:cat9k_iosxe.17.18.04.SPA.bin
③install activate
OSの有効化と再起動を行います。
このコマンドを入力すると、「OSソフトウェア(17.18.04)を有効化(アクティベート)し、実行するために再起動してよいか」を問われます。
問題なければ「y」と入力してエンターを押すと、機器の再起動が始まります。
(例)
This operation may require a reload of the system. Do you want to proceed?
[y/n]y
ダウンロードしたOSファイルを恒久的に使用(次回以降の再起動時にも、今回適用した新しいバージョンで起動するよう設定)するため、再起動後、機器にログインし以下のコマンドを入力します
④install commit
(例)
install commit
install_commit: START
--- Starting Commit ---
Performing Commit on all members
[1] Commit packages(s) on Switch 1
%INSTALL-5-INSTALL_START_INFO: Switch 1 R0/0: install_mgr: Started install commit
[1] Finished Commit packages(s) on Switch 1
Checking status of Commit on [1]
Commit: Passed on [1]
Finished Commit operation
SUCCESS: install_commit
「SUCCESS」と表示が出ていることを確認します。
これでOSファイルの転送からインストールまでの作業は完了となります。
まとめ
OSのバージョンアップ手順は頻繁に行う作業ではないと思いますので、必要なときには細かな手順や注意点を忘れてしまうことがあるかと思います。
今回こうして備忘録として記事にしておくことで、同じような状況の方の参考になれば幸いです。
参考
・17.4 以降の リリースでは 、アップグレード後に Commitする必要がある
