はじめに
YAMAHAルーターを触る機会があり、運用する上で使用頻度が高そうなコマンドについて、その機能と出力結果について自分の備忘録を兼ねて紹介します。
個人的にはCiscoコマンドに慣れていますので、対応するCisco相当コマンドも併記しています。
YAMAHAルーターとCiscoルーターは、いずれも show コマンドを用いて動作状況や設定内容を確認できますので、Ciscoルーターに慣れているエンジニアであれば、「showコマンドで確認する」という基本的な操作感は共通しており、比較的取り付きやすいと思われます。
コマンド一覧
使用頻度が高そうな、いくつかのコマンドをピックアップしました。
| ヤマハルーターのコマンド | Ciscoの対応コマンド | 意味・用途 |
|---|---|---|
| show config | show running-config | 現在動作している設定内容の表示 |
| show environment | show environment / show version | 本体の温度、シリアル番号、CPU使用率などの表示 |
| show log | show logging | 動作ログ(システムメッセージ)の表示 |
| show status lan1 | show interface gigabitEthernet 0/0 | LAN1ポートの通信状態、速度、カウンタ表示 |
| show ip route | show ip route | ルーティングテーブル(経路情報)の表示 |
| show ip arp | show ip arp | ARPテーブル(IPとMACアドレスの対応)の表示 |
| show nat descriptor address | show ip nat translations | NAT/IPマスカレードの変換テーブル表示 |
| show ip connection | show conn | 現在ルーターを通過しているコネクション一覧 |
| show status switching-hub | show mac address-table | 内蔵スイッチのMACアドレステーブル表示 |
| show status bgp neighbor | show ip bgp neighbors | BGP隣接ルーターの状態表示 |
| show status ospf neighbor | show ip ospf neighbor | OSPF隣接ルーターの状態表示 |
| show ip filter | show access-lists | IPフィルター(ACL)の設定内容と一致数 |
| show storage | show flash: / show file systems | microSDやUSBメモリの空き容量表示 |
| show vrrp | show vrrp | VRRP(冗長化)のステータス表示 |
| show history | show history | 入力したコマンド履歴の表示 |
| help | ? (または help) | コマンドヘルプの表示 |
出力例
いくつかのコマンドに関して、出力例と内容について記載します。
show status lan1
# show status lan1
LAN1
説明:
IPアドレス: 172.16.5.1/24
イーサネットアドレス: 00:a0:de:cd:72:de
動作モード設定: Type (Link status)
PORT1: Auto Negotiation (1000BASE-T Full Duplex)
PORT2: Auto Negotiation (Link Down)
PORT3: Auto Negotiation (Link Down)
PORT4: Auto Negotiation (Link Down)
PORT5: Auto Negotiation (Link Down)
PORT6: Auto Negotiation (Link Down)
PORT7: Auto Negotiation (Link Down)
PORT8: Auto Negotiation (Link Down)
最大パケット長(MTU): 1500 オクテット
プロミスキャスモード: OFF
送信パケット: 260741 パケット(168189201 オクテット)
IPv4(全体/ファストパス): 260687 パケット / 234788 パケット
IPv6(全体/ファストパス): 3 パケット / 0 パケット
受信パケット: 206621 パケット(74050786 オクテット)
IPv4: 205868 パケット
IPv6: 0 パケット
未サポートパケットの受信: 260
#
show status lan1 コマンドでは物理的なポートの状態や、通信量の統計を確認することができます。
現在、PORT1にケーブルが刺さっており、1Gbps (1000M) のフルデュプレックスで正常にリンクアップしていることを示します。
また送信/受信パケット数を見るとIPv4でカウントアップしていることが分かりますので、通信していることが分かります。
show environment
# show environment
RTX1210 BootROM Ver. 1.03
RTX1210 FlashROM Table Ver. 1.00
RTX1210 Rev.14.01.40 (Fri Apr 16 09:27:57 2021)
main: RTX1210 ver=00 serial=S4H032858 MAC-Address=00:a0:de:cd:72:de MAC-Addr
ess=00:a0:de:cd:72:d0 MAC-Address=00:a0:de:cd:72:d1
CPU: 0%(5sec) 0%(1min) 0%(5min) メモリ: 17% used
パケットバッファ: 0%(small) 0%(middle) 7%(large) 0%(huge) used
実行中ファームウェア: exec0 実行中設定ファイル: config0
デフォルトファームウェア: exec0 デフォルト設定ファイル: config0
シリアルボーレート: 9600
起動時刻: 2025/5/24 11:13:55 +09:00
現在の時刻: 2025/5/24 14:34:32 +09:00
起動からの経過時間: 0日 03:20:37
セキュリティクラス レベル: 1, FORGET: ON, TELNET: OFF
筐体内温度(℃): 40
#
RTX1210 Rev.14.01.40: 現在動作しているファームウェアのバージョンです。
筐体のシリアル番号が「S4H032858」であることが分かります。
直近5秒、1分、5分間のCPU負荷が確認できます。
ここでは、すべて0%に近いので、ルーターの処理能力には非常に余裕がある状態であることが分かります。
搭載メモリの17%を使用中であることが分かります。
パケットバッファは、通信データを一時的に溜める場所の使用率です。
ここが100%に近くなるとパケットの取りこぼしが発生します。
show nat descriptor address
show nat descriptor address
NAT/IPマスカレード 動作タイプ : 2
参照NATディスクリプタ : 1000, 適用インタフェース : PP[01](1)
Masqueradeテーブル
外側アドレス: 200.211.17.22
ポート範囲: 60000-64095, 49152-59999, 44096-49151 191 セッション
プロトコル 内側アドレス 宛先 マスカレード 種別
UDP 172.16.5.1.4500 *.*.*.*.* 4500 static
ESP 172.16.5.1.* *.*.*.*.* * static
UDP 172.16.5.1.500 *.*.*.*.* 500 static
-*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*- -*-
No. 内側アドレス セッション数 ホスト毎制限数 種別
1 172.16.5.2 167 65534 dynamic
2 172.16.5.1 23 65534 dynamic
---------------------
有効なNATディスクリプタテーブルが1個ありました
#
ルーターの現在のグローバルIPアドレスは「200.211.17.22」であることが分かります。
このルーターを経由してインターネットと通信している「コネクション(通り道)」の数が191 セッションであることがわかります。
また172.16.5.1 という端末に対して、特定の通信(UDP 500/4500番やESP)を常に通す設定になっていることがわかります。
内側アドレス: 通信している社内/宅内の端末のIPアドレスになります。
まとめ
NW製品の多くはログやステータスが英語表記で出力されますが、ヤマハルーターは日本語での出力にも対応しています。
そのため、日本人にとっては異常の内容が直感的に把握しやすく、理解しやすいと感じました。
また、「showコマンド」で状態を確認できる点は、Ciscoルーターに慣れているエンジニアにとっても操作しやすく、取り付きやすい要素の一つではないかと思います。
本記事が、どなたかのNW運用の助けになれば幸いです。
参考サイト