はじめに
EC2のElasticIPを付け替える機会がありましたので、ElasticIPについて自分の備忘録を兼ねて記載します。
(本記事は2024年10月15日時点の情報になります)
ElasticIPとは
AWSのリソース(EC2インスタンスなど)に静的なパブリックIPアドレスを提供するための仕組みになります。
ElasticIPの特徴
固定IPアドレス
通常、EC2インスタンスには動的にパブリックIPが割り当てられ、再起動や停止・起動を行うと異なるIPアドレスが割り当てられます。しかし、Elastic IPを使うと、EC2インスタンスに対して常に同じパブリックIPを割り当てることができます。
再アサインが可能
Elastic IPは、他のインスタンスに割り当て直すことが可能です。これにより、例えばサーバー障害などが発生した場合でも、Elastic IPを別のEC2インスタンスに移すことで、同じIPアドレスでサービスを継続できます。
VPC内で使用可能
Elastic IPはVPC(Virtual Private Cloud)内のリソースにアタッチできます。これにより、VPC内のインスタンスに対してパブリックIPアドレスを提供することができます。
Elastic IPの課金ルール
Elastic IPに対してと言うよりも、利用中のパブリックIPv4アドレスに対して課金される料金体系となっています。
※2024年2月より特定のサービスに割り当てられているかどうかに関わらず、すべてのパブリック IPv4 アドレスの利用に対して 1 IP アドレスあたり 0.005 USD/時間 が課金されるようになっています。
なおElasticIPは
・EC2インスタンス
・NATゲートウェイ
・ネットワークロードバランサー
などネットワークインターフェース(ENI)に関連つけることができます。
以下ではEC2への関連付けの手順を紹介します。
①ElasticIPアドレスの作成
②ElasticIPアドレスの関連付け
③ElasticIPアドレスの関連付けの解除
④ElasticIPアドレスの開放
①ElasticIPアドレスの作成
AWSのマネジメントコンソールの検索窓で「EC2」と検索します。
左側のメニューから「ネットワーク&セキュリティ」→「ElasticIP」を選択します。
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割り当てを押下すると以下のようにElasticIPアドレスが作成されます。
赤枠内にパブリックIPアドレスが記載されます。
これでElasticIPアドレスの作成は完了になります。
続いて作成したElasticIPアドレスをEC2に関連付けます。
②ElasticIPアドレスの関連付け
アクションからElasticIPアドレスの関連付けを選択します。
ElasticIPアドレスの関連付け設定画面に遷移します。
ここで関連つける「インスタンス」とそのインスタンスの「プライベートIPアドレス」を選択して右下の「関連つける」を押下します。
※ここでネットワークインターフェースに関連るけることもできます。
画面が遷移しますので、関連付けたEC2のIDとプライベートアドレスを確認できます。
ElasticIPアドレスが指定したEC2に関連付けられたことを確認します。
これでElasticIPアドレスの関連付けの作業は完了となります。
続いてElasticIP アドレスの関連付けの解除をおこないます。
③ElasticIPアドレスの関連付けの解除
関連付けを解除したいElasticIPを選択して、アクションから「ElasticIPアドレスの関連付けの解除」を選択します。
関連付けを解除するElasticIPアドレスとインスタンスを確認し問題なければ
右下の関連付けの解除を押下します。
これでElasticIPアドレスの関連付けの解除は完了となります。
続いてElasticIPアドレスの開放を行います。
④ElasticIPアドレスの開放
使わなくなったElasticIPアドレスの開放(リリース)を行います。
開放したいElasticIPアドレスを選択し「ElasticIPアドレスの開放」を選択します。
開放したいElasticIPアドレスの情報を確認し問題なければ右下の「開放」を押下します。
これでElasticIPアドレスの開放作業は完了です。
備考
Elastic IP アドレスの復元も可能ですが、他のAWSアカウントに割り当てられていないことなど、復元のためにいくつかの条件がありますので、ElasticIPアドレスの開放は慎重に行ってください。
復元手順については。以下のサイト「6. Elastic IP アドレスの復元」項に記載されています。
注意点
・ElasticIPアドレスが関連つけられている対象のリソース(EC2など)を停止するだけではElasticIPアドレスの使用は停止されません。
・EC2からElasticIPアドレスの関連付けを解除すると、事前に関連つけていたパブリックIPもなくなります。再度EC2に接続するには、ElasticIPを作成して関連つける必要があります。
まとめ
ElasticIPはアドレスを固定できて便利なサービスですが、使用していないアドレスは適時開放するなど、適切な管理が必要だと思いました。
参考