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プリセールスエンジニアこそ人類最強のエンジニア

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私はアプレッソで主にDataSpiderという製品のプリセールスエンジニアをやって10年になります。さすがにタイトルは煽りすぎだよと自分自身で思いますが、それでも普段の仕事の中でプリセールスって仕事は多種多様なスキルを求められる非常に奥深い役割だなと思うことがよくあります。

今回はその辺りを改めてまとめてみて、プリセールスエンジニアかっこいい!と思わせて、プリセールスエンジニアの地位向上を狙いたいと思います。


プリセールスエンジニアとは

プリセールスエンジニアとはどのような役割のエンジニアでしょうか?


素直に定義すると以下のようになるかと思います。

製品やサービスを導入する前の顧客に対して、製品やサービスの技術的な説明やアドバイス、また技術支援を行い意思決定を促進するエンジニア

このような職種のエンジニアは外資系の企業によくいます。名前はそれぞれで以下のような名前を持っていることが多いです。


  • セールスエンジニア

  • ソフトウェアエンジニア

  • サービスエンジニア

  • ソリューションアーキテクト

  • 営業支援

なんとなく営業と何が違うのと思われるかもしれませんが、目的は同じものの守備範囲が異なります。営業は顧客の全般的な課題解決、価値向上に努めますがサービス、プリセールスエンジニアは顧客の技術的な課題にフォーカスし、解決/向上のためにアクションを行います。この辺りは書き始めると1エントリー書けてしまう内容なので、今回はこの程度にとどめておきます。


プリセールスエンジニアの難しさ

2013年にオックスフォード大学マーティンスクールにて「コンピューター(ロボット化)の影響を受けやすい未来の仕事」に関する調査レポートが発表されました。

THE FUTURE OF EMPLOYMENT: HOW SUSCEPTIBLE ARE JOBS TO COMPUTERISATION?

その中で、コンピュータに代替されにくい仕事TOP20もあげられているのですが、なんとセールスエンジニアが堂々14位にランクインしています。IT系では唯一のランクインでしょうか。

詳しくはこちら。

これからの20年で現在のアメリカの雇用の50%以上がコンピューターに代替される

では、なぜプリセールスエンジニアがコンピュータに代替されにくいのでしょうか?

一般的なエンジニアの方、特にプログラムを実際に書いて物を作る開発系のエンジニアから見て、プリセールスエンジニアはエンジニアとしては軽視されることが多いように思います。一般的に思われていることが多いプリセールスエンジニアのイメージを勝手にまとめてみると以下のような感じかなと思います。


  • 誰かが作った物の使い方を説明するだけでクリエイティブさはない

  • 製品だけの知識だけあればよく他のスキルはいらない(スキルの幅が広がらない)

  • エンジニアと言っても言葉だけで手を動かす(プログラミングなど)ことはほとんどない

  • 顧客の要望を聞いてあげるだけの御用聞き(営業的)

そのような印象をもたれるのはある程度仕方がないと思います。実際に出会うプリセールスエンジニアにそういう人が多いというのもあるのかもしれません。ただ、それはプリセールスエンジニアの本質ではありません。


プリセールスエンジニアの本来の役割

プリセールスエンジニアの本来の役割は何か。それは、その製品やサービスの関連技術の専門家として、顧客に適切なアドバイスを行い顧客の課題解決を促すことです。

ITの世界では、顧客も(いちおう)ITのプロです。とはいえ、顧客はすべてを把握しているわけではありません。そこで、プリセールスエンジニアはその道のプロとして、その製品やサービスをどのように使うと効果的か、製品やサービスを使う時に気をつけなければいけないポイントは何か、具体的にアドバイスをするのです。そして、そのアドバイスをより理解してもらう体感してもらうためにデモンストレーションを行ったり、実際に導入の支援を行ったりします。

その役割を全うするために、プリセールスエンジニアは一般的には以下のような手順を踏みます。


  1. 製品やサービスの基本的な説明

  2. 顧客が現状抱えている課題のヒアリング

  3. 製品やサービスがいかに課題を解決できるかを提案

  4. 具体的な導入までの道筋を提示

  5. 導入の技術的支援

このプロセスを見てわかるように、顧客ごとに毎回細かいアクションが変わっていきます。顧客からのヒアリング結果をもとに次のアクションを決めていく。人と人の対話がベースになっているからこそ、コンピュータでは代替しにくいではないかと思います。


プリセールスエンジニアは常に全力投球

それでは次に、プリセールスエンジニアに求められるスキルを考えてみます。

先ほどの役割を実現するために必要なスキルを単純に列挙するだけでもこれだけの数があります。


  • 製品やサービスの良さを正しく伝えるプレゼンテーションスキル

  • 顧客が話しやす環境を作るコミュニケーションスキル

  • 顧客の課題を聞き出すヒアリングスキル

  • 顧客の課題を解決する方法を創造できるクリエティブスキル

  • 顧客の課題解決を技術的支援できるエンジニアリングスキル

ぱっと見てわかるとおり、前半のような一般的なビジネスマンとして求められるスキルにプラスして、通常エンジニアとして求められるスキルを求められるということです。なんとも大変な役割ですねw

しかも、エンジニアスキルもそれなりのスキルが求められます。なぜかというとエンジニアを相手に話を進めていきますので、そのエンジニアを技術的に納得させられるだけの説明ができないといけません。

たとえば、よくある例としては、同じようなことが実現できるオープンソースが存在するがそれとは何が違うのか説明をしてほしいという質問をうけることがあります。相手は技術者ですから技術的な回答を求めています。そのオープンソースにはどんな特長があって、何ができるのか、ベースとなっている技術は何なのか、それらを調べてまとめる必要があります。似たような機能ならまだしも、顧客から見たら同じ効果があるからでしょう、全く関連性のないオープンソースが槍玉にあがることもあります。そうなると、単純な機能比較ができないので、実際に利用してみてどんなものなのか確認をする必要も出てきます。そして、最終的には顧客観点から差をまとめる必要があるのです。調査能力から実際に環境を構築して使う技術力、そしてまとめ能力まで求められます。

このようにプリセールスエンジニアは全方位的なスキルセットが求められるエンジニア職だと言えるでしょう。


プリセールスエンジニアはエンジニアの最終形?

ここまで読まれた方の中には、プリセールスエンジニアって、あの職業とどう違うのという疑問があがっている方もいるでしょう。おそらくその疑問にあがった職業すべてのスキルが求められますw

製品を紹介し売り込む時は「エバンジェリスト」として製品やサービス、しいては関連技術の詳細や良さを語り、ヒアリングする際には「コンサルタント」として顧客のシステムの改善を真剣に考え、実際に導入までいけば「エンジニア」として手を動かし課題解決を支援し、案件の最終フェイズまでいけば「営業」として案件クローズまで顧客と対話をする。

プリセールスエンジニアは、エンジニアとして何かを極めるタイプではないかもしれません。ただ、自分のエンジニアとしての腕を全方位的に求められる珍しいタイプのエンジニアではないかと思います。プログラムだけではなく、自分のスキルを試してみたい、どこまで通用するか試してみたいという方には面白い職業ではないでしょうか?