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新しい技術、最初の一歩で迷うこと

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新しいフレームワークを触りはじめるとき。

いきなり公式ドキュメントを開いて、画面が文字でびっしり埋まっていて、どこから読めばいいのか分からなくて、そっと閉じる ── みたいな経験、ないですか。

自分はあります。
しかも厄介なのが、自分はわりと文字でインプットするのが好きなタイプなんです。
軽く知りたいだけの情報なら、小説でもニュースでも、動画でだらだら説明されるより、文字をざっと読む方がずっと速い。

なのに、新しい技術をちゃんと使えるようにしたいときだけ、なぜか文字が遅い。
試しに解説動画を1本見てから公式docに戻ったら、明らかにそっちの方が理解が速かったんです。

つまり、こういうことでした。

  • 軽く知れればいい情報 → 文字が速い
  • ゼロから体系的に理解したい未知の情報 → 動画が速い

得意なメディアは固定じゃなくて、自分がその領域にどれだけ慣れているかで入れ替わる。

この記事は、その入れ替わりを「なんとなく」じゃなく、ちゃんと見分けて切り替える話をします。

結論:大事なのは「自分の得意」より「いまの現在地」

「自分は文字派」「自分は動画派」みたいな自己分析は、必ずしもワークしません。

同じ人でも領域によって速いメディアが逆転するから。

見るべきは、自分がいまその領域の初心者なのか、もう慣れているのか。それだけです。

  • 未知(初心者)のフェーズ → 動画・登壇トークみたいな「ガイドしてくれる入力」が速い
  • 既知(慣れてる)のフェーズ → 公式doc・リファレンスみたいな「自分のペースで進める入力」が速い

あとは、自分がいまどっちのフェーズにいるかを見分けられればいい。

見分け方:ドキュメントの「幹と枝」が見えるか

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判定はシンプルです。

そのドキュメントを開いて、「どこが大事でどこは飛ばしていいか」が、ぱっと分かるか。

  • 分からない(全部が同じくらい重要に見える)→ 未知フェーズ。動画から入る
  • 分かる(大事な節とスキップしていい節が一目で仕分けできる)→ 既知フェーズ。文字でいい

なんでこれで分かるかというと、その「幹と枝の仕分け」を、頭の中の知識の地図(スキーマ)がやってくれているからです。

慣れている領域では、この地図ができているから、何が大事かを考えなくても勝手に判断できる。でも未知の領域では地図がないので、「内容を理解する」のと「どこが大事か判断する」のを同時にやらされて、頭がパンクする。

これが「未知の技術をドキュメントで読むとしんどい」の正体です。
文字が悪いんじゃなくて、地図がない状態で文字を読むと負荷が二重になる。

動画はそこを助けてくれます。
話す人が「ここ大事」「ここは流していい」を勝手に決めてくれるから、自分は理解だけに集中できる。
地図づくりを手伝ってもらえる感じですね。

切り替えのサイン:このタイミングで文字に乗り換える

動画から入ったとして、ずっと動画でいいわけじゃありません。どこかで文字に乗り換えた方が速くなる。

その切り替えタイミングは、こういうサインで分かります。

サイン1:動画がまどろっこしくなってくる
「次に何を言うか」が読めるようになって、早送りしたくなったら、それはもう慣れてきた証拠。手厚い解説が、逆にうっとうしくなってきたら乗り換えどきです。

サイン2:ドキュメントの幹と枝が見えるようになる
さっきの見分け方をもう一回やってみて、最初は真っ白だったdocが「あ、ここが大事ね」と読めるようになっていたら、フェーズが移っています。

要するに、見分け方は最初の1回だけじゃなく、ときどき測り直すセンサーとして使う。これが「モードを切り替える」ってことです。

一枚にすると、こうなる

ここまでの判定と切り替えを、フローチャートにするとこんな感じです。迷ったらこれを思い出してください。

ポイントは、左の分岐(最初にどっちから入るか)と、真ん中のループ(いつ動画から文字に乗り換えるか)です。一度きりの判定じゃなく、ぐるっと回しながら現在地を測り直すのがコツですね。

まとめ:新しい技術を触るときの流れ

実際の手順にすると、こうなります。

  1. 動画・登壇トークを1本見て、全体像をつかむ(地図がない未知フェーズ)
  2. まどろっこしくなってきたら、公式docに乗り換える(地図ができてきた既知フェーズ)
  3. docを精読して、サンプルを写経する(自分のペースで深掘り)

フェーズが進むほど、速い入力は動画から文字へ移っていく。
自分の理解の現在地を把握し、適切な方法を取ることが、キャッチアップにおいても大事なんですね。


最後に、ひとつだけ注意を。

この「未知は動画・既知は文字」、いつでも誰にでも当てはまるわけではないです。たとえば ── 音声だと頭に入りにくい人は未知でも文字+図解の方がいいし、API仕様みたいに「理解する」より「引く」だけの情報は最初から文字でいい。
あと、似た技術を使ったことがあるなら、見かけは未知でも実質は慣れてる側に近いので、動画はまどろっこしく感じるはずです。

このあたりに心当たりがあるなら、上の話は自分用に調整してください。

次に新しい技術を触るとき、「いま自分はどっちのフェーズだろう」と一瞬だけ考えてみてください。選ぶ入力が、ちょっと変わるはずです。

参考文献

  • Kalyuga, S., Ayres, P., Chandler, P., & Sweller, J. (2003). The Expertise Reversal Effect. Educational Psychologist, 38(1), 23–31.
  • Sweller, J. (1988). Cognitive Load During Problem Solving: Effects on Learning. Cognitive Science, 12(2), 257–285.
  • Mayer, R. E. (2009). Multimedia Learning (2nd ed.). Cambridge University Press.
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