はじめに
ペアプロ中、「 " 」で string にしてほしい、と思う。
口頭で伝えようとして、口を開く。
咄嗟に記号の名前が出てこない........
「ちょんちょんで囲って!」
と言う。
伝わる。
でも、なぜか少しだけ情けない気持ちになる。
記号には、たいてい複数の読み方がある。正式名称、英語の通称、日本語の俗称、現場のスラング。
どの読み方が絶対的に正しい、とかはない。
伝わることが正義だ。
だけど、出来ればカッコよく記号を呼びたいという煩悩、ありませんか?
僕はあります。
でも、カッコいい読み方だけ知っていても仕方ない。
相手が常に「カッコいい」読み方をしてくれるとは限らないから。
そんなわけで、コードでよく使う記号を、種類ごとに分けて、色んな読み方を並べてみました。
「正しい読み方」を決める記事ではありません。これだけ揺れてるよね、を眺める記事です。
上のキー段 ── 数字と一緒に並んでる記号たち
!
- エクスクラメーション
- ビックリ
- バン
正式には「エクスクラメーションマーク」。長い。だから日本語だと「ビックリ」、英語圏のエンジニアは "bang"(バン)と呼ぶらしい。
#! を「シェバン(shebang)」と読むのは、この bang の名残です。
!= こうなると、「ノットイコール」とかいいますね。
!= me は多分、ノイミー です
#
- シャープ
- ハッシュ
- いげた
#(ハッシュ)と ♯(シャープ)は、本来べつの文字。
音楽の♯は縦線が斜め、# は横線が斜め。それでも C# は「シーシャープ」と読むし、普通にシャープで通じる。
「いげた(井桁)」と呼ぶ人もいる。
$
- ダラー
- ドル
これは平和。「ダラー」か「ドル」か、くらいの揺れしかない。
%
- パーセント
老若男女「パーセント」と言う(多分)。
^
- キャレット
- ハット
- 山
正式は「キャレット」。
でも正規表現の行頭やべき乗(2^10)の文脈で「ハット」と呼ぶ人が多い。
さらに「山(やま)」派もいる。
&
- アンド
- アンパサンド
「アンド」で済ませがちだけど、正式名称は「アンパサンド」。
語源が面白くて、"and per se and"(それ自体で and を表す and)が縮んだもの。
*
- アスタリスク
- アスター
- コメ
- 星
- かける
呼び方が一番割れる記号かもしれない。正式は「アスタリスク」、見た目から「コメ(米印)」「星」、乗算の文脈で「かける」
この記号をまじまじと見てると、ポムポムプリンを思い出します。特に意味はないけど。
+
- プラス
- たす
a + b は文脈で「プラス」か「たす」。
C++ は「シープラスプラス」。
=
- イコール
- 代入(イコール)
= は「イコール」。ただ厄介なのは、多くの言語で = が代入で == が比較だということ。
口頭で「イコール」と言ったとき、相手の脳内で = か == かが割れる。「シングルイコール」「ダブルイコール」と区切る人がいるのはこのため。
下のキー段 ── 区切りと演算の記号
_
- アンダースコア
- アンダーバー
- アンスコ
snake_case でよく使いますね。フル発音「アンダースコア」は長いので、「アンスコ」と略しがち。
「アンダーバー」は和製英語らしい。
-
- ハイフン
- マイナス
- ダッシュ
- 伸ばし棒
kebab-case では「ハイフン」、a - b では「マイナス」、CLIのオプション --verbose を「ダッシュダッシュ」と読む人もいる。同じ字なのに役割で名前が変わる。
|
- パイプ
- バーティカルバー
- 縦棒
シェルの | は「パイプ」一択に近いけど、文字としては「バーティカルバー」「縦棒」。
||(論理OR)を「パイプパイプ」と読むか「ダブルパイプ」と読むかで、ちょっと派閥があるらしい。
そういえば、昔10本アニメっていう、パイプが主人公のアニメあったよね
/ \
- スラッシュ
- バックスラッシュ
/ は平和に「スラッシュ」。問題は \ のほう。
\(バックスラッシュ)が、フォントやOSによっては ¥(円記号)で表示される。歴史的な文字コードの都合で、同じコードポイント(0x5C)に両方が割り当てられた名残です。
なので口頭で「エンマーク」と言われて、それが \ なのか ¥ なのか分からない事故が起きる。
?
- クエスチョン
- はてな
「クエスチョン」か「はてな」。
三項演算子でよく使いますね。
点と線 ── ちいさいけど毎日見てる
.
- ドット
- ピリオド
メソッドチェーンの . は「ドット」、文末なら「ピリオド」。
,
- カンマ
- コンマ
これは多分、カンマかコンマかの違いくらい?
: ;
- コロン
- セミコロン
: は「コロン」、; は「セミコロン」。
どっちがどっちがたまに分からなくなる。
ディスプレイ上でもたまにどっちか分からないときがある。
・
- なかぐろ
- 中点
全角の ・。これは「なかぐろ(中黒)」が正式っぽい。
クォートとカッコ ── 開いて閉じる記号
ペアで使う、囲む系の記号たち。
' "
- シングルクォート
- ダブルクォート
' は「シングルクォート」、" は「ダブルクォート」。
言語によってシングルとダブルどっちを使うかが重要だったり。
`
- バッククォート
結構、「なんて呼べばいいんだっけ」になる記号。
Markdownのコードブロックでお世話になってるのに、口頭で出てこない。
( )
- かっこ
- パーレン
- 丸かっこ
普通は「かっこ」。英語通称の「パーレン(paren)」を使う人もいるけど、知ってる人だけに通じる感じ。区別が必要なときは「丸かっこ」。
{ }
- 波かっこ
- ブレース
- 中かっこ
ブロックを囲むやつ。「波かっこ」「ブレース」「中かっこ」が混在する。波かっこが直感的だけど、「ブレース」と言うとちょっとできる人っぽい(主観)。
[ ]
- 角かっこ
- ブラケット
配列やインデックスの [ ]。「角かっこ」か「ブラケット」。
< >
- 山かっこ
- アングルブラケット
- 不等号(大なり・小なり)
ジェネリクスやHTMLタグの < > は「山かっこ」「アングルブラケット」。a < b の比較演算では「不等号」「大なり・小なり」と読みが変わる。そして、大なり・小なりもややこしい。
おわりに
同じ記号を指していても、色んな読み方がある。
普段のコーディングは基本キーボードを使うので、読み方を意識することは少ない。
ペアプロなど、急に声で伝える必要がある場面で、「あれ、この記号なんて読むんだっけ?」となりがち。
今回調べながらまとめてみて、自分の中でも同じ記号の呼び方が無意識的に揺れていることにも気づいた。
読み方は本質ではない。伝わればいい。でも、これだけレパートリーがあれば、伝わらないこともあるだろう。
だから、知っておくことはムダじゃないと思っている。
スムーズなペアプロに、この記事が少しでも寄与出来たら嬉しい。



