はじめに
みなさん、こんにちは。
Kompiraエバンジェリストの冨です。
本記事は「運用自動化プラットフォーム Kompira Enterprise Ver2」をインストールして実行するまでの手順を解説します。クラスター構成を組むことも可能ですが、この記事では1台のノードに関連する環境を構築する「標準シングル構成」での手順を解説します。
※Ver1.6までの手順に関しては、以下の記事をご参照ください。
https://qiita.com/tomiyoichi/items/ef454c918e57ece81591
"Kompira Enterprise"とは?
システム運用の自動化を実現するための、手順書の自動実行やシステム間の情報連携などを行うソフトウェアです。
RBA(Run Book Automation)やRPA(Robotics Process Automation)などのカテゴリ―に属するもので、作業担当者の操作手順をスクリプト化して自動実行させたり、運用監視システムなどからの通知情報を元に、調査作業/対応作業/通知/記録などを自動で行う事で、システム管理者、運用者の業務負荷を軽減します。
Ver.2 では、Ver.1.6からのジョブフローの互換性や操作感は保ちつつ、Dockerを用いたコンテナ環境での運用に変更し、ジョブの並行稼働による処理能力が向上しております。
稼働環境
本稿を記載している時点(2025-02-14)の情報となります。
Docker engine : version 24.0 以上
Docker compose plugin : version 2.24.6 以上
がインストールされたサーバーが必要になります。
OSは問いませんが、弊社では以下のディストリビューションで動作確認を行っております。
Rocky Linux 8.10 (x86_64)
Rocky Linux 9.4 (x86_64)
ハードウェアのスペックとしては、
CPUコア数 : 4コア以上推奨
メモリ : 8GB以上必須 16GB以上推奨
DISK : 64GB以上必須 256GB 以上推奨
オンプレ、クラウド環境のいずれでも大丈夫ですが、パッケージのダウンロードが必要になりますので、インターネットへの接続が必要になります。
アプリケーションの機能の性質上、管理対象の業務用サーバーに対して、IP reachableな環境に設置する必要があります。
最近の稼働環境に関しては、以下の製品仕様情報をご参照ください。
https://support.kompira.jp/enterprisespecificationinfo/
Docker Engineの準備
お使いの環境に合わせてDocker Engineをインストールしていきます。
参考までにRedhat Enterprise Linuxからの派生ディストリビューションでは、以下のような手順となります。
$ sudo yum install -y yum-utils
$ sudo yum-config-manager --add-repo https://download.docker.com/linux/rhel/docker-ce.repo
$ sudo yum install -y docker-ce docker-ce-cli containerd.io docker-buildx-plugin docker-compose-plugin
$ sudo systemctl enable --now docker
ke2-docker パッケージの準備
KE2.0 の構築に必要な docker compose ファイルなどを含む ke2-docker パッケージを用意してください。 ke2-docker リポジトリ から、以下のいずれかの方法でサーバー上に展開してください。
以下のコマンドを実行して git リポジトリをクローンしてください。(git コマンドが必要です)
$ git clone https://github.com/fixpoint/ke2-docker.git
ZIP ファイルとしてダウンロードし、用意したサーバー上に配置して展開してください。(unzip コマンドが必要です)
ke2-docker パッケージを展開できたら、標準シングル構成用の docker-compose.yml ファイルを含むディレクトリに移動します。
$ cd ke2/single/basic
コンテナイメージの取得
以下のコマンドを実行してコンテナイメージを取得してください。
$ docker compose pull
※ インターネットに接続できない環境の場合は「オフライン環境での構築」を参考にしてください。
SSL 証明書の生成
以下のコマンドを実行して自己署名 SSL 証明書を生成してください。
$ ../../../scripts/create-cert.sh
コンテナの作成と開始
以下のコマンドを実行してコンテナを作成および開始を行なってください。
$ docker compose up -d
セットアップ後の動作確認
セットアップが完了したら、KE2.0 システムが正常に動作しているかを確認してください。 ブラウザで以下のアドレスにアクセスします。
https://<サーバーのアドレス>/.login
ログイン画面が表示されるため、以下の通り入力してログインしてください。
ユーザ名:root
パスワード:root
ログインが確認できたら、動作確認は完了です。
ログインが完了しましたら、自動化ジョブフローを書く準備が整いました。
ライセンスの登録
Kompira Enterpriseの利用はライセンス登録が必要となります。
license@kompira.jp
にタイトルを「Kompira評価版申請【お客様会社名】」としてご請求ください。
- 会社名
- ご担当者様
- ご希望の利用期間: YYYY/MM/DD ~ YYYY/MM/DD
- システムID:「*******」
※「システムID」は下記の「設定>ライセンス登録」画面の「ライセンス情報」に記載の内容を転記してください。
ライセンスファイル(*.lic)を入手しましたら、以下の手順で登録を行います。
- 設定>ライセンス登録
- 「編集」をクリック
- ライセンスファイルの「ファイルを選択」ボタンより、*.licファイルを選択します。
- 「保存」をクリック
- 以下の様に登録が出来ましたら完了です。
Kompira Enterpriseの製品情報
https://www.kompira.jp/
サーバーやネットワーク機器などの運用を自動化するための連携処理基盤ソフトウェアです。
運用手順書の操作作業の自動化、監視ツールやメールなどをトリガーにした保守作業の自動実行など、独自のKompiraジョブフロー言語を用いたスクリプトを用意する事で、個々の機器やワークフローにきめ細かく対応する事が可能です。