はじめに
Obsidian + Claude Code の組み合わせで、個人ナレッジベースの運用を自動化してみました。MCPサーバー不要で、Obsidian 1.12 の公式CLIだけで実現できます。
この記事では、実際にやったことを3つのパートに分けて紹介します。
- Vault構造の日本語リファクタリング — git mvで安全にリネーム
- カンバンによるAI-人間間のタスク管理 — 作業の見える化
- CLIでVaultの健康診断 — タグ分析、タスク棚卸し、リンク切れ検出
環境
- Windows 11
- Obsidian 1.12.4
- Claude Code (Sonnet 4.5)
- Git (Obsidian Git プラグインで自動コミット)
- Synology NAS Drive (バックアップ同期)
Part 1: Vault構造の日本語リファクタリング
課題
英語ディレクトリ名だと、中身が何か直感的にわからない。
Before:
00_Inbox/ → 何の受信箱?
03_Knowledge/ → 何の知識?
50_Systems/ → 何のシステム?
解決策
git mv で安全にリネーム。Git履歴を保持しながら日本語名に変更。
# Git設定(日本語パスの正しい表示)
git config core.quotepath false
# リネーム
git mv "00_Inbox" "00_受信箱"
git mv "03_Knowledge" "03_PC環境-リソース"
git mv "50_Systems" "50_ツール運用"
# ... 全16ディレクトリを日本語化
After:
00_受信箱/ → 未整理情報の一時保管
03_PC環境-リソース/ → PC環境情報・リソース集
50_ツール運用/ → Dify/Eagle等の運用ドキュメント
ポイント
-
番号_日本語名形式で、ソート順を維持 -
.gitignoreのパスも同時に更新 - Synology NAS Drive は同期を一時停止してから実施
- Obsidian Git プラグインが自動コミットしてくれる
Part 2: カンバンでAI-人間間のタスク管理
仕組み
Obsidian Kanban プラグインの .md ファイルをClaude Codeが直接読み書きする。
## 未着手(Backlog)
- [ ] 新しいタスク
## 作業中(Claude対応中)
- [ ] 2026-03-02 Vault構造リファクタリング
## 確認待ち(検収お願いします)
- [ ] ○○が完了しました。確認をお願いします
## 完了
- [x] 検収済みのタスク
運用ルール(CLAUDE.mdに記載)
- Claude が作業開始 → 「作業中」にカード追加
- 作業完了 → 「確認待ち」に移動
- ユーザーが確認 → 「完了」に移動
これにより、「Claudeが今何をやっているか」「何が終わったか」が一目でわかる。
Part 3: Obsidian CLIでVaultの健康診断
セットアップ
Obsidian 1.12以降なら、インストール済みの Obsidian.exe がそのままCLIとして使える。
# Vault情報の確認
obsidian vault vault="MyKnowledge"
# → files: 409, folders: 84, size: 40MB
実際にやった診断
1. タグ使用頻度分析
obsidian tags counts sort=count vault="MyKnowledge"
#clippings 14
#LLM 10
#MCP 7
#AI 6
#Eagle 6
#Security 6
#Claude 4
...
→ タグの偏りや未使用タグが一目でわかる
2. 未完了タスクの棚卸し
obsidian tasks todo total vault="MyKnowledge"
# → 450件!
450件の未完了タスクがVault内に散在していることが判明。
obsidian tasks todo verbose vault="MyKnowledge"
ファイル別に集計すると:
-
11_AITuber/— 約300件(過去の開発チェックリスト) -
04_技術ブログ/— 約50件(記事執筆のTODO) -
60_コンペ-ハッカソン/— 約40件 -
70_LT発表/— 約30件(発表準備チェック)
→ ほとんどが 完了済みだが未チェックのタスク だった
分析結果:
- 実質アクティブなタスク: 約83件(記事準備80件 + カンバン3件)
- 完了済み未チェック: 約300件(11_AITuber開発ログ)
- テンプレート由来の偽タスク: 約20件
- 過去イベント残骸: 約60件
3. 未解決リンク検出
obsidian unresolved vault="MyKnowledge"
検出された未解決リンクを分類すると:
| 分類 | 件数 | 対応 |
|---|---|---|
旧ディレクトリ参照(04_Articles/, 40_AI/) |
15 | パスを新名称に修正 |
テンプレート変数({{url}}等) |
3 | 放置OK |
| 外部プロジェクト参照(Markdown形式) | 8 | Vault外のため修復不要 |
| 未作成ノート(人名、概念等) | 8 | 将来のノート候補 |
→ Claude Codeが Grep で旧パスを含むファイルを特定し、Edit で9ファイルのリンクを一括修正
4. 孤立ファイル検出
obsidian orphans vault="MyKnowledge"
obsidian deadends vault="MyKnowledge"
→ 他のファイルからリンクされていない「孤島」ファイルを発見
CLIの使い分け
| 操作 | ツール | 理由 |
|---|---|---|
| ファイル読み書き | Read/Write/Edit | 高速、直接操作 |
| Vault横断検索 | obsidian search |
Obsidianインデックス活用 |
| タスク管理 | obsidian tasks |
チェックボックスの横断集計 |
| リンク分析 | obsidian backlinks/unresolved |
グラフ構造の把握 |
| カンバン更新 | Edit ツール | 直接マークダウン編集 |
CLAUDE.md による挙動制御
## 7. Obsidian CLI
実行パス: "/c/Users/.../Obsidian.exe"
よく使うコマンド:
- obsidian search query="検索語" vault="MyKnowledge"
- obsidian tasks todo vault="MyKnowledge"
- obsidian daily:append content="内容" vault="MyKnowledge"
使い分け:
- ファイルの読み書き → Read/Write/Edit ツール
- 検索・タスク管理 → Obsidian CLI
CLAUDE.mdにCLIパスと使い分けルールを記載しておくことで、次回以降のセッションでもClaude CodeがCLIを自動的に活用する。
まとめ
MCP不要で実現できたこと
- Vault構造の一括リネーム(16ディレクトリ、Git履歴保持)
- カンバンによるタスクの見える化(AI-人間間のハンドオフ)
- CLIによるVault健康診断(タグ、タスク、リンク)
- 未解決リンクの検出→修復(9ファイル、旧パス参照の一括置換)
- 463件のタスク棚卸し→実質83件に整理
MCPが必要になるケース
- リアルタイムの双方向通知
- Obsidian内部のプラグインAPIへのアクセス
- 複雑なクエリの継続的な実行
個人利用なら CLI + CLAUDE.md で十分。MCP連携は必要性を感じてからでOK。