この記事に書いてある話
Microsoft Learn Docs MCP Server を活用して、GitHub Copilot から Microsoft のドキュメントを MCP 経由で参照できるようにしてみたら、割と便利だった話。
はじめに
Microsoft Learn Docs MCP Server とは?
Microsoft Learn Docs MCP Server は、Microsoft が提供している、Microsoft ドキュメントへのリアルタイムアクセスを提供する MCP Server です。
この MCP Server を活用することで、皆様のエージェントに、Microsoft の技術ドキュメントから得られる様々なナレッジをシンプルに統合することが可能です。
主な機能
- 高品質なコンテンツの取得: Microsoft Learn、Azure ドキュメント、Microsoft 365 ドキュメント、その他の公式 Microsoft ソースから関連コンテンツを検索して取得
- セマンティック理解: 高度なベクトル検索を使用して、あらゆるクエリに最も関連性の高いコンテキストのドキュメントを検索
- 最適化されたチャンク化: 記事のタイトル、URL、自己完結型のコンテンツの抜粋を含む、最大 10 個の高品質コンテンツ チャンク (各最大 500 トークン) を応答
- リアルタイム更新: 公開された最新の Microsoft ドキュメントにアクセス可能
手順
事前の環境セットアップ
必要な前提条件
- Visual Studio Code がインストールされていること
- GitHub Copilot 拡張機能 がインストールされ、有効化されていること
- インターネット接続が可能であること
GitHub Copilot 拡張機能の確認
まず、VS Code に GitHub Copilot 拡張機能がインストールされているかを確認します:
- VS Code の拡張機能タブ(Ctrl+Shift+X)を開く
- 「GitHub Copilot」で検索
- インストールされていない場合は、GitHub Copilot 拡張機能をインストール
- GitHub アカウントでサインインを完了
Microsoft Learn Docs MCP Server の追加
方法 1: ワンクリックインストール(推奨)
Microsoft Learn Docs MCP Server は、以下のリンクから簡単にインストールできます:
- VS Code: Install in VS Code
- VS Code Insiders: Install in VS Code Insiders
方法 2: 手動設定
手動で設定する場合は、以下の手順を実行します:
-
コマンドパレットを開く
-
Ctrl+Shift+P
を押す - または「表示」→「コマンドパレット」
-
-
MCP サーバーを追加
- コマンドパレットに「MCP:」と入力
- 「MCP: Add Server」を選択
-
サーバー設定
- サーバータイプ: HTTP (HTTP or Server Sent Events) を選択
- URL:
https://learn.microsoft.com/api/mcp
を入力 - サーバー ID:
microsoft.docs.mcp
を入力
-
設定の保存場所を選択
- Workspace settings: 現在のワークスペースのみで利用
- User settings: 全てのワークスペースで利用(推奨)
VS Code のウインドウを再ロード
自動、もしくは手動の方法で MCP サーバーの設定が終わったら、以下の手順で VS Code をリロードします。
-
コマンドパレットを開く
-
Ctrl+Shift+P
を押す - または「表示」→「コマンドパレット」
-
-
ウィンドウのリロード
-
reload window
と入力し「開発者 : ウィンドウの再読み込み」(Developer : Reload Window) を選択
-
セットアップ完了!
上記の手順が終われば、VS Code の GitHub Copilot から Microsoft 製品に関するナレッジの参照が可能になっています。
試してみる
GitHub Copilot Chat を開く
-
GitHub Copilot チャットを開く
-
Ctrl+Alt+I
でチャットパネルを開く - もしくは、画面上部の Copilot アイコンから [チャットを開く] のメニューを選択
-
-
エージェントモードに切り替え
- チャットウィンドウ下部のモードの選択で "Agent" を選択
- 隣のモデルのドロップダウンから任意のモデルを選択
-
チャットで対話を行い、"microsoft_docs_search" ツールが選ばれていることを確認する
-
レポートがマークダウンで表示される
応用編
もちろんコーディングも!
今回のサンプルは Markdown でドキュメントをまとめてもらうだけのものですが、もちろん Microsoft の Docs を参照した状態でコードの実装を進めてもらうことも可能です。
プロンプトで文体を指示
Agent Chat に問い合わせを行うときに、たとえば「カスタマーサポートの回答文のフォーマットで、詳細な技術情報を含めて」など、出力の文体を指示することで、回答文のフォーマット、文体、難易度や粒度といったものをコントロール可能です。
copilot-instructions.md と併用
GitHub Copilot のカスタム指示 ファイルに、文体の指示などをまとめて入れておくことで、同じような文体で複数の技術ドキュメントを量産するような使い方も可能です。
その他の AI Agent での活用
今回は GitHub Copilot での使い方を紹介しましたが、そのほかの環境へのセットアップ方法も Microsoft Learn Docs MCP Server のサイトには掲載されています。
まとめ
この MCP サーバーを活用することで、Microsoft 製品の技術調査をよりシンプルに行って、本来やりたかったことにかける時間を最大化しましょう~!