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AI Agentと遊ぶ。手段が目的でいいよね。

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日々AIについてのニュースが飛び交っている。何から手をつけたらいいのかな、と思っている方もいるんじゃないかと思う。

私もそうだ。流れが速すぎて、正直追いつけていない。不安になる日もある。

ただ、私は昔から「新しいものが出たら、まず遊ぶ」というやり方でやってきた。今回もそうしている。2月から3月にかけて、仕事とは関係なく「遊び」としてAI Agentを使った個人開発をやっている。自分が毎日使うアプリを自作して、自分をパイロットユーザーにして使い倒すこと。もう1つは、複数のAI Agentに役割を与えてマルチエージェントのチームを作って、自律的に動かすこと。

どちらも何かを成し遂げようと思って始めたわけではない。触っていたら面白くなって、気づいたら時間をかけて遊んでいた。

この記事では、新しい道具が出た時にどうやって遊ぶのか、どうやったら遊び続けられるのか。そのへんの考えやノウハウを、ポエムとして書いてみようと思う。今の流れの速さに不安を感じている人がいたら、少しずつでも一歩でも歩いて止まらなければ大丈夫、と伝えたい。


自分が使うものを、自分で作って、自分で直す

新しい道具が生まれたら、まず遊ぶ。ただ、使うこと自体が目的だと飽きる。続かない。

だから自分が関心のある領域と掛け合わせて遊ぶ。それが私のやり方。

具体的に言うと、普段から物理的に使っているポモドーロタイマーみたいなものを、自分でアプリとして作った。ただ、タイマーだけだと使っていて面白くない。普段から見に行く理由がほしい。だからテックニュースやAI Agent、エンジニアリング関連のニュースを自動で拾い集めて表示する機能を入れた。海外のニュースも翻訳して読めるようにした。

これがあれば自分は継続できる。その条件を自分で知っているから、そういうアプリを作っている。

ただ、この「自分が何なら続くか」は、最初からわかっていたわけではない。今まで何回も似たようなことを試してきた。試してやめた。試して飽きた。その繰り返しの中で、ようやく「自分はこういう条件が揃えば続く」というのが見えてきた。だから「試して飽きた」は全然悪いことではない。むしろそれがないと、自分の条件が見えてこない。


全部、既存のサービスを使えば事足りる。でも自分で作ると、自分が最初のユーザーになる。使うと不具合に気づく。気づいたらAIに投げる。CI/CDが整っていれば10分でデプロイまで終わる。

作業中にポモドーロタイマーを回しながら、そのタイマー自体のバグを見つけて、その場でAIに修正を投げてデプロイした日がある。なんだこれ、と思った。自分が使うツールを自分で直しながら作業してる。

使っていると「これほしいな」が出てくる。例えば、次の会議まで残り18分。25分のポモドーロを設定するのは微妙に合わない。かといって18分を手動で設定するのは面倒。だから、残り時間に合わせたボタンが最初から表示されるようにした。既存のタイマーアプリにはない機能だけど、自分が使っていて「これがほしい」と思ったから入れた。スラッシュコマンドで操作できる仕組みも同じ発想で追加している。

こういう「自分にしか要らない機能」を気軽に足せるのが、自作の強みだと思う。AIによってそれが簡単につくれる。

このサイクルを毎日回していると、AIと一緒に開発するという感覚が身体に染み込んでくる。頭で理解するのとは全然違う。

技術スタックはReact + TypeScript(Vite)、Node.js、Firebase Hosting、Cloud Run、GitHub Actions。GCPのWorkload Identity Federationでサービスアカウントキーなしのデプロイも組んだ。この設定もAIと対話しながら作った。自分で組んだCI/CDだから、どこが詰まるかわかるし、どこを直せばもっと速くなるかもわかる。

タイマー.png
私の好きなターコイズを基調にした


複数のAI Agentをチームとして機能させる

もう1つやっているのが、複数のAI Agentにそれぞれ役割を与えて、マルチエージェントのチームとして機能させるトライ。

具体的なドメインは伏せるけど構造だけ書く。6つの専門職がいる。それぞれ異なる責任と判断基準を持っていて、提案→精査→合意→実行のフローが人間の介入なしに回っている。

面白いのは、EMとエンジニアの2人がGitHub上でIssue作成・PR提出・コードレビュー・マージを自律的にやっていること。ある日の深夜、ふとダッシュボードを見たらPRが動いていた。誰も触っていないのに。EMがレビューして、エンジニアがマージしている。

「ついに自律でタスクを消化し始めた」と思った。正直、かなり嬉しかった。

とあるチャンネルのEngineerのタスク完了報告.png
こちらは未実装で完了したケース。チームメンバーはSlack風のチャットUIでやりとりを行う。


プロフィール画像と名前とニックネームを追加した日があった。それだけで、画面に「チーム」が見えるようになった。機能は何も変わっていない。でも「チーム感」が一気に出た。人間の認知って面白い。
組織図イメージ.png
他にも写っていないチームメンバーがいて、名前、ニックネームはすべて全て仮名です。

別の日、ある専門職が提案を出して、別の専門職が「基準未達」で却下した。1時間後、却下理由を踏まえた改善提案が自動で出てきた。

これを見た時、「自動化」とは違うなと思った。自動化は決められたことを繰り返す。これは判断して、学んで、改善している。少なくともそう見える。そう見えるだけで十分面白い。


この仕組みを機能させるために、「経営方針」を書いている。各メンバーの責務と権限。判断の基準値。安全制約。エスカレーションのルール。

人間の組織設計とまったく同じだ。ルールが曖昧だとAgentも曖昧に動く。厳格すぎると柔軟性がなくなる。この塩梅を調整し続けるのが、このトライの一番面白いところかもしれない。

Agentに何をさせるかの設計。Agentにどの空間で探索させるか。その空間の定義こそが、人間がやることになりつつある。


目的が手段であっていい

目的と手段を逆転にするな、というのはもう何万回も言われてきたことだと思う。わかってる。でも改めて書く。

正直、タイマーもニュースもAI Agentのチームも、なくても困らない。でも作らないと見えないものがある。

新しい道具が生まれた時は、その道具で遊ぶのが一番早い。ただ使うだけだと飽きる。だから自分の関心と掛け合わせる。タイマーを作ったのも、ニュースを集めるようにしたのも、「これなら自分は続けられる」という条件を知っていたからだ。

複数のAI Agentでチームを作ってみて初めて、「こういう業務に使えるんじゃないか」「この構造なら人間の判断をもっと上流に持っていけるんじゃないか」というイメージが湧いた。使わずに想像するのと、自分で触り倒した上で想像するのでは、解像度がまったく違う。


業務でやっていたら、ROIを聞かれる。目的を明確にしないといけない。期限がある。

でも「遊び」なら、ROIなんて関係ない。面白いからやる。面白くなくなったら止める。

実際、3つのプロジェクトを同時に動かしていた時期があった。私のメモには「認知が広がってワーキングメモリが減る。出せるアウトプットの質が非常に低くなる」と書いている。翌週、1つ止めた。遊びだから止められる。業務だったらそうはいかない。

この「遊び」の中で、手段の可能性とか使いどころを想像する。それが結果として、業務での判断の引き出しを増やしてくれている。目的が手段であっていい。手段を触り続けること自体が目的になっていい。今はそういう時期なんだと思う。


これを仕事としてやるのか、趣味としてやるのか。私の場合、その両方が重なった時に仕事が楽しくなる。というか、それが楽しさの条件だったりする。だから個人でやっていく。

何をやってきたのか、どうやって遊んでいるのか。今日はそれを書いてみた。

やめるのは全然あり。試して飽きたのも全然あり。何回もこのフローを回す中で、自分が何なら続くのかが見えてくる。

大したノウハウじゃない。でもこのサイクルを回し続けることが、新しい道具を自分のものにしていく方法なんだと思う。

この記事が、誰かの一歩目のきっかけになったら嬉しい。

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