OSI参照モデル・TCP/IPモデル・IPv4/IPv6・LAN/WAN・CIDR・DHCP・NAPTまで完全まとめ!
👋 はじめに
この記事では、ネットワーク初心者でも理解できるように、IPアドレスの基本から実際のインターネットでの仕組みまでをわかりやすく解説します。
🗂 目次
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IPアドレスとは
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OSI参照モデルとTCP/IPモデルで見るIPの役割
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IPv4 と IPv6 の違い
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プライベートIPアドレス と グローバルIPアドレス
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ローカルエリアネットワーク(LAN)とワイドエリアネットワーク(WAN)
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IPアドレスのクラス(A / B / C)
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ネットワーク部 と ホスト部
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CIDR表記とは? /24 って何?
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NAPT と ポート番号
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DHCP による自動割り当て
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まとめ
1. 🌐 IPアドレスとは?
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インターネット上の 住所 のようなもの
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コンピュータやスマホなどネットにつながる機器は、必ず1つ以上のIPアドレスを持っている
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「どの機器にデータを届けるか」を判断するための番号
2. 🧱 OSI参照モデル と TCP/IPモデルにおけるIPアドレス
IPアドレスが動くのは OSI参照モデルでは ネットワーク層(第3層) です。
TCP/IPモデルでは インターネット層(第2層) に該当します。
🧱 ネットワーク層(OSI参照モデル:第3層)
IPアドレスを使って「どの機器へデータを送るか」を決める層。
異なるネットワーク同士をルーターがつなぎ、最適な経路で届ける役割を担う。
🌍 インターネット層(TCP/IPモデル:第2層)
OSI参照モデルのネットワーク層に相当し、IPアドレスで機器同士を識別してデータを届ける層。
インターネット全体で同じ仕組みが使われており、世界中のネットワークを接続する基盤。
📦 インターネットプロトコル(IP)
送信元・宛先のIPアドレスを付けてデータを届ける仕組み。「誰から誰へ」を決める住所ラベルとして通信の中心的役割を担う。ネットワーク層とインターネット層で使われる通信ルール(プロトコル)になる。
3. 🔢 IPv4 と IPv6
IPアドレスにはIPv4とIPv6の2種類あります。
| 項目 | IPv4 | IPv6 |
|---|---|---|
| ビット数 | 32bit | 128bit |
| 表記例 | 192.168.1.10 | 2001:db8::1 |
| アドレス数 | 約43億 | ほぼ無限 |
| 主な問題 | 枯渇 | 枯渇しない |
4. 🏠 プライベートIPアドレス と 🌍 グローバルIPアドレス
🏠 プライベートIPアドレス
家庭内や会社内など ローカルネットワーク で使うIPアドレス
インターネットからは直接 見えない 。
範囲例:
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10.0.0.0 ~ 10.255.255.255
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172.16.0.0 ~ 172.31.255.255
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192.168.0.0 ~ 192.168.255.255
🌍 グローバルIPアドレス
インターネット上で世界に 一意の住所となるIPアドレス です。外部からアクセス可能で、Webサイトやサーバーなどが利用します。ルーターやプロバイダから割り当てられます。
📱 スマホで使われるIPアドレスの具体例
スマホも通信するために必ずIPアドレスを持っています。
Wi-Fi と 4G/5G では割り当てられるIPアドレスの種類が変わります。
🏠 家のWi-Fiに接続しているとき(プライベートIPアドレス)
家のルーターが DHCP を使って プライベートIPアドレス をスマホに割り当てます。外部に送られる通信は、ルーターが持つ グローバルIPアドレス に変換(NAT/NAPT)されます。
例:
スマホ:192.168.1.23(プライベートIP)
ルーター:203.0.113.45(グローバルIP)
ポイント:
スマホ自身はプライベートIPアドレスですが、インターネット上ではルーターのグローバルIPアドレスとして見えます。
🌐 外で 4G/5G を使っているとき(キャリアのグローバルIPアドレス)
スマホは携帯キャリア(docomo / au / SoftBank / 楽天など)からグローバルIPアドレス を割り当てられて通信します。
ただし多くのキャリアは CGNAT(大規模NAT) を使っており、スマホに割り当てられるのはキャリア内部で共有されるアドレス(100.64.0.0/10)であることが多いです。
例:
スマホ:100.72.55.10(キャリア内共有IPアドレス:CGNAT)
キャリア側:203.0.113.120(外から見えるグローバルIPアドレス)
ポイント:
キャリア内部では共有IPアドレス(≒キャリア内プライベートIPアドレス)を使い、外側にはキャリアのグローバルIPが使われる仕組み。
5. 🏡 LAN(ローカルエリアネットワーク)と 🌏 WAN(ワイドエリアネットワーク)
| 種類 | 内容 | 例 |
|---|---|---|
| LAN | 家・会社などの内部ネットワーク | Wi-Fi 内の PC やスマホ |
| WAN | 世界中のネットワーク(インターネット) | プロバイダ経由の通信 |
LAN 内の IPアドレス(プライベートIPアドレス) → ルーター → WAN(グローバルIPアドレス)
という流れで通信します。
6. 🅰️ IPアドレスのクラス
以前IPv4は「クラス」でネットワークを分けていました。
| クラス | 先頭 | 用途 |
|---|---|---|
| A | 1〜126 | 大規模 |
| B | 128〜191 | 中規模 |
| C | 192〜223 | 小規模 |
| D | 224〜239 | マルチキャスト |
| E | 240〜255 | 研究用 |
現在は CIDR(後述)を使うため知識として覚えておけばOK。
7. 🔍 ネットワーク部とホスト部
IPアドレスは 2つの部分で構成されます:
IPアドレス = ネットワーク部 + ホスト部
例)192.168.1.10 /24
※ 192.168.1.10を32ビットの2進数に変換すると
11000000.10101000.00000001.00001010
/24とは左から24番目までがネットワーク部ということ
すなわち
11000000.10101000.00000001./00001010
< ネットワーク部 > <ホスト部>
よって
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ネットワーク部:192.168.1
-
ホスト部:10
ネットワーク部が同じデバイス同士は、 同じLAN内にいる と判断されます。
8. 🧮 CIDR表記(Classless Inter-Domain Routing)
従来の クラス に代わる方式。
/24 は「 ネットワーク部が24bit 」という意味
例:
192.168.1.10/24
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ネットワーク部:24bit → 192.168.1
-
ホスト部:8bit → 10
CIDRによりより柔軟にネットワークを分けられるようになりました。
✔ CIDR はなぜ必要?
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IPアドレス空間を柔軟に区切れる
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無駄が減って効率的
-
ルーティングも簡単(まとめて扱える)
→ 現代のネットワークは CIDR が基本。
🔌 9. ポート番号とは?
IPアドレスが「住所」なら、ポート番号は 部屋番号・担当部署 のようなもの。
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IPアドレス:どの機器か
-
ポート番号:どのサービスか(アプリか)
よく使われる番号:
| サービス | ポート | プロトコル |
|---|---|---|
| HTTP | 80 | TCP |
| HTTPS | 443 | TCP |
| SSH | 22 | TCP |
| DNS | 53 | UDP/TCP |
※ サービスの内容に関する解説は省略します
1台の PC にサービスが複数あっても、ポート番号で区別することにより通信を同時に行えるという仕組みです。
🔄 10. NAT と NAPT の違い
インターネットに接続するとき、LAN 内の複数の端末(プライベート IP)を1つのグローバル IP にまとめる技術が NAT/NAPT です。
🔹 NAT(Network Address Translation)
✔ 基本イメージ
- プライベートIPアドレス 1つ
→ グローバルIPアドレス 1つ
を「そのまま変換」する方式。
✔ 特徴
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IPアドレスのみを変換(ポートは変えない)
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1台の端末に 1つのグローバルIP を“専有”させるイメージ
🔹 NAPT(Network Address Port Translation)
✔ 基本イメージ
- 多数のプライベートIPアドレス
→ 1つのグローバルIPアドレス にまとめる
その際 ポート番号を使って区別する
✔ 特徴
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IPアドレス + ポート番号を変換
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1つのグローバルIPを複数の機器が共有できる
家庭やスマホの通信はすべてほぼコレ
▼ イメージ図
家庭の LAN で:
スマホ:192.168.1.10:50000
PC: 192.168.1.20:50001
ゲーム機:192.168.1.30:50002
インターネットへ出るとき:
ルーターのグローバルIPアドレス(1個):123.45.67.89
NAPT が変換:
123.45.67.89:30000 → スマホ
123.45.67.89:30001 → PC
123.45.67.89:30002 → ゲーム機
ポート番号で同時接続を区別できるため、1つのグローバル IPアドレス で家庭内の端末が全員ネットを使えるわけです。
11. 🎯 DHCP による自動IP割り当て
家庭のルーターの多くは DHCPサーバー機能 を持っています。
役割:
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IPアドレス
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サブネットマスク
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デフォルトゲートウェイ
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DNSサーバー
などを 自動で配布するしくみ。
✔ まとめ
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IPアドレスはネット上の 「住所」
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IPv4は枯渇気味、IPv6は余裕
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プライベートIPアドレスは家・会社内、グローバルIPアドレスは世界で一意
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LAN は家庭内、WAN はインターネット
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CIDRは柔軟なネットワーク分割方式
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インターネットプロトコルはネットワーク層とインターネット層で使用
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NAPTは 1つのグローバルIPアドレスを共有する技術
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ルーターは DHCP でIPアドレスを自動配布
🏁 さいごに
最後までご覧いただきありがとうございました。これからもいろいろな初心者向けの記事を作成していきますでの、よろしくお願いします。
よかったら他の記事もご覧いただけると嬉しいです。今後もよろしくお願いいたします。