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【初心者向け🔰】Ruby on Rails チュートリアル 入門(簡単なトップページを作って処理の流れを知る)

Last updated at Posted at 2023-03-23

概要

初めて Ruby on Rails で Web アプリ開発するための、入門編の記事。
Rails の基礎部分をなるべく絞って解説する。

手順 記事
#1 Rails の開発環境構築
#2 コントローラ・ビューの基本(今回)
#3 モデルとマイグレーションの基本
#4 DB のデータを画面に表示する
#5 画面から DB にデータを登録する
#6 画面から DB のデータをの更新・削除する

対象

  • Ruby on Rails で開発をしてみたい(しなければならない状況になった)方
  • HTML/CSS で簡単な Web ページを書いたことがある方
  • 「DB」「SQL」という言葉の意味を何となく理解できる方
  • 「REST API」や「GET」「POST」などを聞いたことがある方
  • Ruby もしくは、その他のオブジェクト指向のプログラミング言語に触れた方
    • 変数、四則演算、if 文、for 文、などは書いたことある
    • クラス、メソッド、インスタンス、などは聞いたことある

前提

macOS で作業する前提で書いてます。Windows の方は適宜、読み替えてください🙏

  • OS: macOS 13.12.1 "Ventura"
  • CPU: Intel
  • Ruby: v3.1.3
  • SQLite3: v3.39.5
  • Bundler: v2.4.9
  • Rails: v7.0.4

Rails の基本思想とアーキテクチャ

Rails は「MVC アーキテクチャ」というものをベースに開発するように設計されています。

Rails の基本思想

Rails 開発における、主要な思想や哲学は以下の通り。

思想 略称 意味
繰り返しを避けよ
(Don't Repeat Yourself)
DRY DRYの原則とは、「システムを構成するあらゆる部品は、常に単一であり、明確であり、信頼できる形で表現すべきである」 という、ソフトウェア開発上の考え方。
同じコードを繰り返し書くことを徹底的に避けることで、メンテナンス性と拡張性を向上し、バグも減らせると考えられている。
設定より規約が優先
(Convention Over Configuration)
CoC CoC とは、「開発者の決定すべきことを減らし、単純にするが柔軟性は失わせない」 という考え方。
CoC の本質は、「開発者が決定すべきは、アプリケーションの慣例に従わない部分のみ」 という点であり、Rails の場合は、Webアプリの各種設定については従来の経験や慣習を元に、あらゆるデフォルト値が定められている。そのため、開発者は大量の設定ファイルを設定せずに済むようになっている。

MVC アーキテクチャとは

以下のようなソフトウェアの構成のこと(「MVC モデル」と言う人もいる)。「MVC」は以下の3つの頭文字で、これらの構成をベースに作られたアプリケーションに使われます。

  • Model(モデル):DB周りの処理(データ検索/データ登録・更新 など)を担当する領域。Rails なら .rb ファイルで書く
  • View(ビュー):画面表示の処理を担当する領域。Rails なら .erb ファイルで書き、ビューにあたるファイルを 「Template(テンプレート)」 と表現する
  • Controller(コントローラ):ユーザ操作など外部からのリクエスト(要求)とレスポンス(応答)を担当する領域。Rails なら .rb ファイルで書く

rails_01.png
👉 Rails の場合は、MVC に加えて「ルーター(ルーティング)」「アクション」「ヘルパー」等のしくみが加わる(後述)。

※ コントローラにもモデルにもビューにも該当しない処理はどこに書くのか?というと、それは現場や個人によって変わる。モデルやコントローラに書く人もいれば、自動生成される「lib」配下に書いたり、「ビジネス」「サービス」などと別領域を定義して使う人もいる。

命名規約

Rails というより Ruby の命名規約。名前をつけるときに、記法に一定の(マナーに近い)ルールがある。

対象 記法
クラス名 アッパーキャメルケース
(パスカルケース)
MyClassName
モジュール名 MyModule
メソッド名(真偽値 返却時のみ) スネークケース
※ ただし、末尾に `?` をつける
※ 先頭に `is` や `has` をつけない
clicked?
invalid_type?
メソッド名(上記以外) スネークケース my_func_name
ファイル名 (基本は)スネークケース my_file.rb
変数名 スネークケース my_variable
定数名 アッパースネークケース
(コンスタントケース)
CONST_VALUE

手順(トップページを作る)

とりあえず、テキトーなページを1つ作ってみましょう🙋‍♂️

ルーティングを追加

ルーティングとは、「どんなURLで、どんな風にリクエストされたら、どのコントローラが受け付けるか」の対応関係のこと。Rails での基本的な書き方は以下。

HTTPメソッド "パス", to: "コントローラ名#アクション名"
  • HTTPメソッド: getpost など
  • パス(Path): https://example.com/xxxxx/xxxxx 部分
    • パスがない場合は / とする
  • あるパスにアクセスされたら、どのコントローラの、どのアクションを呼び出すのかを定義

Rails のルーティング管理ファイルは config/routes.rb なので、ここにルーティングを追加する。

config/routes.rb
Rails.application.routes.draw do
+ get "/", to: "top#index"
  # Define your application routes per the DSL in https://guides.rubyonrails.org/routing.html

  # Defines the root path route ("/")
  # root "articles#index"
end

👉 今回は、『単純にドメイン(example.com とか)のみが呼ばれたら、"Top" コントローラの中の "index" アクションを実行する』という意味になる。
次に「コントローラ」と「アクション」を説明します。

コントローラ作成

コントローラは、ルーティングから呼ばれる処理を管理する箱(ハコ)。その中に値(フィールド)や関数(メソッド)を持っている。

Rails のジェネレートコマンドで、コントローラを自動生成できる。

# コントローラ追加コマンド
rails generate controller {コントローラ名} {アクション名}

# または短縮系
rails g controller {コントローラ名} {アクション名}

👉 これを実行すると、実は「ルーティング追加」「コントローラ生成」「ビュー生成」を自動でやってくれる。

今回は、先にルーティングを追記しているので、オプションをつけてルーティング追加だけスキップする

rails generate controller Top index --skip-routes

すると、app 配下にファイル等が自動生成される。

プロジェクトディレクトリ/
  ├ app
  │ ├ controllers/
+ │ │  └ top_controller.rb # コントローラ
  │ ├ views/
  │ | └ top/
+ │ |   └  index.html.erb # アクション名のビュー(画面部分)
  │ └ helpers/
+ |  └ top_helper.rb # ビューヘルパー
test/
    └ controllers/
+     └ top_controller_test.rb # コントローラの単体テストファイル

※ 「ヘルパー(ビューヘルパー)」「テスト(単体テスト)」については、また別の機会に解説するので、今回は割愛("開発をより便利にするもの" くらいに思っておいてください)。

末尾が _controller.rb となっているのがコントローラ。

 app
  └ controllers/
+    └ top_controller.rb # コントローラ

アクションとは

アクションとは、コントローラクラス内のメソッドの中で、ルーティングから呼ばれる処理のこと。

app/controllers/top_controller.rb
class TopController < ApplicationController
  # index アクション(まだ中身は空)
  def index
  end

end

👉 基本的にすべてのコントローラは、既に用意されている便利機能を利用するために ApplicationController を継承する(「CoC(設定より規約)」の具体例)。
👉 アクションは、処理の中で明示的にレンダリングするビューを指定できる(= 表示する画面を views の中から選べる)。ただし、アクションの中身が空の場合、Rails は「コントローラ名」と同じディレクトリ内の「アクション名」と同じ .html.erb ファイルを自動的にレンダリングする(「CoC(設定より規約)」の具体例)。

今回の場合、アクションが空なので、ルーティングで top#index が呼ばれると、app/views/top/index.html.erb が画面表示されることになる。

ビューの画面表示

ビューは、MVC モデルにおける画面表示の部分。Rails では、ビューにあたるのファイルを 「Template(テンプレート)」 と言う。
「〇〇テンプレート」というものは一般に幅広く存在し、今回の様に HTML(画面)のテンプレートに該当するものは 「HTMLテンプレート」 という。

app/views/top/index.html.erb
<h1>Top#index</h1>
<p>Find me in app/views/top/index.html.erb</p>

👉 Template のファイル名は xxx.html 形式で、ファイル拡張子は .erb
ERBファイルは HTMLテンプレートであり、HTML の中に Ruby が埋め込めるようになっているファイル形式。もちろん、HTML の書き方だけでも動く。

Rails サーバを起動して、ブラウザで localhost:3000 にアクセスする。
rails_02.png
👉 localhost:3000 へのアクセスは、localhost:3000/ と同じ扱いになり、/ のルーティングが働いて Top コントローラ → index アクション → index テンプレート(ビュー)が呼ばれた。

※ Rails サーバは、動かしたままでも開発を続けられるため、サーバ停止せずにこのまま後続作業を続ける。

変数を画面に表示する

Rails は、簡単に変数を使った動的な画面を作れる。まずは、コントローラで変数を宣言する。

app/controllers/top_controller.rb
class TopController < ApplicationController
  def index
+   @name = "佐藤"
  end
end

👉 @name が変数。いきなり @ から始めて、任意の名前をつければ OK(厳密には 「インスタンス変数」 というが、詳しい解説は今回割愛する)。

次に、画面テンプレートで、設定した変数を呼び出す。

app/views/top/index.html.erb
  <h1>Top#index</h1>
  <p>Find me in app/views/top/index.html.erb</p>
+ <div>
+   私の名前は<%= @name %>です
+ </div>

👉 呼び出し方は <%= @変数名 %> 。erb ファイルは <%=%> の間を Ruby と判断してる。これによって、画面で変数の中身を表示できる。

では、再度ブラウザで画面更新して表示を確認。
rails_03.png
👉 もちろん、コントローラの変数の値を変えれば、表示内容も変えてくれる。

erbタグとは

.erb ファイルで Ruby が書け erbタグ には、書き方が2種類あります。
❶ 先頭にイコールをつけた <%=%>
❷ 先頭にイコールがない <%%>

この2つの違いは、「Ruby の処理結果を画面表示するか/しないか」。イコール付き <%= の場合は、中身の結果を画面に表示し、イコール無し <% の場合は、表示をしない。

イコール無し <% の使い方の例。まずは、コントローラにもう一つ変数を用意する。

app/controllers/top_controller.rb
class TopController < ApplicationController
  def index
    @name = "佐藤"
+   @age = 10      # 年齢を表す変数を追加
  end
end

次に、テンプレートに、追加した変数を判定する Ruby の if 文を追記。

app/views/top/index.html.erb
  <h1>Top#index</h1>
  <p>Find me in app/views/top/index.html.erb</p>
  <div>
    私の名前は<%= @name %>です
  </div>

+ <div>
+   <% if @age < 18 %>
+     未成年です。
+   <% else %>
+     成人しています。
+   <% end%>
+ </div>

👉 上記のように、画面内で if や for などの Ruby の処理を書く場合に、画面に表示する必要が無いものには <%%> を使う。

結果は、以下のとおり。
rails_04.png
👉 当然、コントローラの @age を 18 以上の数値に変えれば、「成人しています。」と表示される。

erb タグは適切なものに使う

「if」や「else」など表示するものが元々ないもの(できないもの)に無理矢理 <%= を使うと以下の様にエラーになる。
スクリーンショット 2023-03-24 0.19.24.png
👉 Rails は異常が発生すると、ブラウザ表示がエラー画面に変わり、何のエラーか?どこがおかしいか?などを表示してくれる(ただし英語表記なので慣れましょう)。
👉 今回の場合、「ActionView(ビューのレンダリング)で、SyntaxError In Template(画面テンプレートの構文エラー = 書き方エラー)が、TopController#index のアクション実行に発生している」とタイトルに書いてあり、具体的な箇所が下部に表示されている。

まとめ

  • Rails の思想
    • DRY(繰り返しを避けよ)
    • CoC(設定より規約が優先)
  • アーキテクチャ
    • MVC アーキテクチャがベース
    • 更に、ルーティング、アクション、ヘルパー などがある
  • 命名規約がある
    • クラス名・モジュール名は「アッパーキャメルケース(パスカルケース)」
    • 定数は「アッパースネークケース(コンスタントケース)」
    • 上記以外は、基本的に「スネークケース」
  • Rails ジェネレートコマンドを使うと、自動でファイル生成してくれる
  • ルーティング
    • 「パス」と「コントローラ#アクション」の関係を管理する
  • コントローラ
    • ルーティングの呼び出しを受け付け、「アクション」というメソッドを用意する
    • アクションに明示的なビュー指定がなければ、アクション名と同じビューを自動で表示する
  • ビュー
    • 表示画面を作る部分
    • 「Template(テンプレート)」と呼ばれる
    • HTML の中に、erb タグで Ruby が書ける
    • erb タグは「イコール付き:表示」「イコール無し:非表示」の2種類ある
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