はじめに
こちらは エーピーコミュニケーションズ Advent Calendar 2025 22日目の記事です。
ゲーム機でもスマホでもなんでもハードを買ってからの起動や、起動後の初期設定はワクワクするものですよね。
今回は YAMAHA RTX1210 を自宅環境に追加して、構成の整理と回線速度の確認までをやってみました。
本来は VPN 構成を何パターンか用意して速度比較まで行うつもりでしたが、残念なことにクライアント側や AP 側の制約が見えてきたため、今回はいったん「導入と基本構成の整理まで」で区切ることになりました。
用意したもの
今回使った機材は次の通りです。
- YAMAHA RTX1210(中古)
- ZTE F660P(NURO 光の ONU/ルーター)
- QNAP TS-431P2(NAS)
- Buffalo WSR-3200AX4S(Wi-Fiルーター/AP モードで使用)
- カテゴリ8 LANケーブル (ダイソー、1 本 500 円で入手性が良い)
- カテゴリ6A LANケーブル (ダイソー、1 本 100 円で必要十分)
- 有線 LAN 接続が可能な PC
- iPhone(Speedtest 用)
RTX1210 も中古で比較的安く手に入ったので、全体としては 15,000 円に届かないくらいの費用感です。
AP は自宅に余っていたものを流用しました。
なぜ自宅に VPN と RTX1210 なのか
VPN を使うのは年に数回、自宅NAS にアクセスしたいときや、外出先からローカルの仮想環境を少し触りたいときくらいです。
QNAPの VPN で接続していますが、性能が良いものでもないので重くなり、体感の速度もあまり良くありませんでした。
結構前に Cisco 892J を自宅に導入したことがありましたが、うるさすぎてやめました。
そこで、ファンレスで静か、YAMAHA RTX1210 を試してみることにしました。
そうこう何を言ってもほぼほぼ業務用機器への憧れですね。
導入前の構成
導入前は F660P がすべてを抱えている構成で次のような感じです。
導入後に目指した構成
RTX1210 導入後は、F660P を「上流のルーター兼 ONU」と割り切り、その下に RTX1210 を挟み、LAN 側は RTX1210 にまとめる構成を検討してみました。
F660Pはルーター機能をオフにできないため、図にすると次のようになります。
IP 設計と配線
IP は二重ルーター構成のごく普通の形にしました。
-
F660P 側
- LAN アドレス:
192.168.1.1/24 - DHCP:
192.168.1.xを配布
- LAN アドレス:
-
RTX1210 側
- LAN2(F660P 側)
- F660P の DHCP から
192.168.1.xを取得 - デフォルトゲートウェイも DHCP で取得
- F660P の DHCP から
- LAN1(自宅 LAN 側)
-
192.168.100.1/24を割り当て - DHCP で
192.168.100.10〜50を配布
-
- LAN2(F660P 側)
-
WSR-3200AX4S(AP モード)
- 管理用 IP:
192.168.100.2/24 - デフォルトゲートウェイ:
192.168.100.1 - DHCP は無効
- 管理用 IP:
-
TS-431P2
-
192.168.100.xを固定、または RTX1210 の DHCP 予約で割り当て
-
配線は次のようにしています。
- F660P の LAN ポート → RTX1210 の LAN2
- RTX1210 の LAN1 → WSR-3200AX4S の LAN ポート
- RTX1210 の LAN1 → TS-431P2
ケーブルはすべてカテゴリ8/6Aで揃えておき、LAN 側ケーブルがボトルネックにならないようにしました。
RTX1210 の初期セットアップとコンフィグ投入
中古なのでまずは初期化から始めました。
ざっくりとした流れは以下です。
本体の初期化とダッシュボード確認
- RTX1210の初期化。(ハードウェアボタンを押しながら電源オン)
- RTX1210 と PC を LAN1 直結でつなぐ。PC 側は IP 自動取得(DHCP)のまま。
- ブラウザで
http://192.168.100.1/にアクセスし、ダッシュボードが表示されることを確認。 - デフォルトユーザー名は
administrator、パスワードは未設定なので、そのままログイン。 - ログイン後、管理画面から管理者パスワードを設定。
ダッシュボードの表示
ダッシュボードが表示できるだけでもテンションが上がりますね。

telnet での接続
今回は Tera Term から 192.168.100.1 に telnet 接続し、ユーザー名 administrator でログインしました。
ログイン後、show config で現状のコンフィグを確認しています。
コンフィグ投入と save
GUI 側で動作が見えていることを確認したうえで、あらかじめ用意しておいた(ChatGPTにお願いしつつ)最小限のコンフィグを CLI から投入しました。
細かいパラメータはここでは触れませんが、以下の通りです。
- LAN1/LAN2 の IP 設定
- NAT(LAN1 → LAN2)
- DHCP サーバー(LAN1+VPN クライアント用)
- L2TP/IPsec のトンネル定義とユーザー
- ダッシュボード用の HTTP サービス
あたりをまとめて設定して、最後に save で保存しています。
save まで実行しておけば、再起動しても設定が残ります。
素の回線速度を測ってみる
VPN の比較に入る前に、まずは素の回線速度の目安を取っておきました。
測定には iPhone の Speedtest アプリを使っています。
- F660P 内蔵 Wi-Fi に接続した場合
- 下り:おおよそ 1,500Mbps
- 上り:おおよそ 900Mbps
- RTX1210 + WSR-3200AX4S(AP モード)配下の Wi-Fi に接続した場合
- 下り:おおよそ 830Mbps 台
- 上り:おおよそ 760Mbps 台
RTX1210 経由の方がざっくり半分くらいの数字になっています。
WSR-3200AX4SのWifi規格は11ax対応のため、そこまでの速度低下は想像していなかったのですが、この時点で結構気持ちが萎えてきてしまいました。
その他の要素を考えてみるといまいちパフォーマンスが良くない理由は、おそらく以下のあたりになるのかなと思います。
- 経路が 1 段増えている(F660P → RTX1210 → AP)
- F660P はブリッジにできないため、必然的に二重ルーター構成になっている
今回 VPN 計測をやめた理由
本来は、以下の様にVPN接続構成を変えながら、QNAP と RTX1210 を比較する予定でした。
- PC→モバイルルーター→自宅環境→F660P→QNAP
- PC→モバイルルーター→自宅環境→F660P→RTX1210→QNAP
ただし、実際に設定とテストをしてみた結果、残念な課題に当たってしまったためにここで断念することになりました。
- ルーター、AP、クライアントのどこがボトルネックなのか、現状の手持ちだけでは切り分けが難しい
- RTX1210的な視点で見た場合でも、有線の場合ではテストできる PC が古く(1Gbps)、原因の切り分けが難しい(有線 or 無線)
合わせて先のテストで疑問に思ったこともあり、QNAP直接の接続テストをする場合、QNAP自体にVPNが乗っているものと比較をするのは計測方法がフェアではないのではないか?
速度テスト用の端末を用意して計測する必要があるのではないか?などの疑問も湧いてきました。
直接的な通信経路として影響がなかったかもしれませんでしたが、この状態で調査を進めていくと沼にハマりそうだった上になんとも言えない結論になりそうだったことから、今回は VPN のベンチマークは実施せずに止めることにしました。
おわりに
いったんは初期構築というところまでは進められたので、今回はここで区切ることにしました。
機器は増えるもののハード的な制約でここまで速度が落ちることは想定していなかったため、残念でした。
お金をかけて使わないルーターとアクセスポイントがぶら下がっただけの状態なのでで非常に悲しいです。
今後、もう少し性能の良い有線利用可能なクライアントや、良さそうな AP を手に入れられたタイミングで、あらためて QNAP と RTX1210 の VPN を測り直してみるつもりです。(あわよくばNASも変えたい)
そのときは、きちんと整理をした上で速度比較などの話を書ければよいかな、というくらいで考えています。


