はじめに
ご無沙汰してます。@tmaru-engです。
ここ最近、AI関連技術に対してモヤモヤを感じることが増えてきたので、一度言語化してみようと思いました。
生成AIが一気に身近になってきたこの2〜3年ほど、AIの情報をかなり追ってきました。
新しいモデル、ツール、ベンチマーク、デモ、APIの更新。気になる話題があればひと通り見ますし、Xでも関連情報を追っています。
もともとは単純に面白かったからです。新しいものが出るたびに、できることが増えていく感じがありました。
ただ、最近は少し違う感覚があります。
AIそのものの進化に引っ張られるように、各社のIDEや開発ツールも独自機能を次々に追加しています。
変化のスピードが早すぎて、人間の側が置いてけぼりになっているように感じます。
昨年後半からは、AIモデルの進化による記事の草稿を書いても、翌週には別モデルが出ることで前提となる環境が変わってしまい、没にしたものが何本もありました。
AIは本来、効率を上げるための道具のはずです。
それなのに最近は、「AIを追いかけること自体がかなり非効率になっているのではないか。」と思うようになりました。
しかも厄介なのは、それが面白さだけではなく、遅れたくないという義務感でも続いていることです。
遅れたくなくて追ってしまう
新しいモデルが出たら性能差が気になりますし、話題のツールがあれば押さえておいたほうがいい気がしますし、IDEの新機能が出たら試しておいたほうがいい気がします。
自分のお財布事情にも直結するので、なおさら気になってしまいます。
もちろん、誰かに強制されているわけではありません。
ただ、追っていないと自分だけ遅れるのではないか、という感覚があります。
AIまわりは変化が速く、直近では特にClaudeCodeやOpenClawのようなツールも次々に機能を追加していて、そのスピードに追いつけません。
ただ、少なくとも自分の生活圏では、そこまで細かい粒度でAIの話をすることはほとんどありません。
話しても通じないことのほうが多いです。
テック界隈と現実の温度差
AI関連技術を追っていると、毎日のように大きな変化が起きているように見えます。
昨日までの前提が、今日にはもう変わっているような感覚になることもあります。
ただ、冷静に考えると、それは少し過剰な感覚なのかもしれません。
個人的にも、昨年後半はcodexとClaudeCodeのどちらが優れているのか、どちらが今後主流になりそうなのか、などといった話にかなり振り回されます。
ただ、そうした比較はあくまでミクロな世界の話かなと感じており、マクロで見れば、まだ標準が固まっていない過渡期とも言えます。
その瞬間に必ず取り入れないといけない情報ばかりではありません。
実際、エンジニアの友人と話していても、AIを便利なツールとして使ってはいても、日々のモデル差分や新しいツール、細かな機能変更まで追っている人はほとんどいません。
必要な範囲だけを、利用する観点でキャッチアップしていることが多く、それが普通なんだと思います。
そう考えると、テック界隈で見えている速さは、思っているほど現実世界で起きている速さではないのかもしれません。
AIを追うこと自体が非効率になっている
この違和感を言葉にすると、たぶんこういうことです。
AIは本来、作業を効率化するための技術なのにもかかわらず、そのAIの情報を追いかけること自体に時間をかなり消費しています。
新しい機能を知る。新しいモデルの特徴を知る。新しい使い方を知る。
どれも一見すると役に立ちそうですが、実際に利用する機能はその中のごく一部です。
一度触っただけで、その後は使っていない機能もあります。
概要だけ知って、触るところまで手が回らないものもたくさんあります。
それに加えて、誇張気味の要約や断片的な情報もかなり増えているように感じます。
真面目に受け取りすぎると、時間を使うわりに残るものが少ないです。
情報を集めている時間に対して、実際に役に立つ割合はそこまで高くない。
その結果、AIで効率化したいはずなのに、別の非効率を生んでいるように見えます。
新規機能ではなく、何をするべきかを見る
最近は、この非効率の原因は情報量そのものではなく、情報の見方にあるのではないかと思っています。
自分は無意識に、AI技術として「何が新しく出たか」を起点に情報を見ることが多かったです。
でも、本来先に考えるべきなのは、そうした新着情報ではなく、「いま何に困っているのか」や「何を解決したいのか」のほうなのだと思います。
興味本位で開発を始めて始めて、中途半端なまま終わったものは数えきれません。
機能的な面の話でもメインで利用していたものの金銭的な改悪で使わなくなってしまったものもあります。
その一方で、最終的に形に残っているものは、たいてい最初から「何に使うのか」が見えていたもの、「何を実現したいか」とゴールを考えて作っていたものです。
おわりに
最近は、新しいものをとにかく早く知ることよりも、自分の課題に関係あるものだけを見るほうがいいのではないかと考えています。
まず「何に使うのか」や「何を実現したいか」を考えて、そこから情報をキャッチアップしていく。
そのほうが結果的に無駄が少ない気がしています。
情報の鮮度そのものよりも、実用のラインで何が役に立つかを見る、という感覚です。
その中で、自分のユースケースに近いものだけを小さく試すやり方のほうが、結果的には無駄が少ない気もしています。
現実的なラインでは、月に一度くらい、Deep researchなどで主要な変化をまとめて把握するだけでも十分なのではないかとも思っています。
毎日のタイムラインを追っていると、重要な変化とノイズが同じ熱量で流れてきて、AI疲れのような徒労感を覚えます。
まだ、自分の中でどうするべきかを考えている段階で、実践できているわけではありません。
最先端で居たい様なケースでない場合、受動的に入ってくる情報の中で気になったものだけを調べるくらいのほうが、AIと付き合う距離感としても、結果的にいちばん効率的なのかもしれません。