今年の1月よりアソビューのVPoEを務めている服部(@tkyshat)です。
アソビューのプロダクト開発組織は1年半前と比較すると、組織規模は1.5倍。約100人の組織となりました。組織が急拡大したことで、様々な課題に直面しております。
今回、Qiita様 x Findy様企画の『今のシステム開発組織でトライしたこと・トライしていること・トライしようとしていること』に乗っからせていただき、
開発組織の成長に焦点を当てて、今年1年の具体的なアクションプランをつらつらと書いていきます。
成長を意識した継続的なジョブローテーション
同じプロダクトに長期間携わることは、特定の分野に対する深い知識や理解を培い、課題への強いオーナーシップを発揮できるようになる大きな利点があります。
しかし、この状況は新たにチームに入ったエンジニアにとってはマチュアなメンバーがいることで良くも悪くも安心し過ぎてしまい、「あの人がいれば大丈夫」と、課題に対して積極的に取り組む機会を逃してしまう可能性があります。
また、特定のドメインやプロダクトに精通した人々が新しいプロダクトやプロジェクトに挑戦したくても、所属している組織に対する責任感に縛られ、新たなチャレンジを躊躇してしまうこともあります。
この課題に対処するため、ジョブローテーションが有効な戦略になると考えています。ジョブローテーションによって新しい成長機会にチャレンジメンバーは、アンラーンとリスキリングにより、自身の視野を広げられるようになります。同時に、残ったチームメンバーはそれまで経験豊富なメンバーに依存していた課題に直面することで、オーナーシップを自ら発揮できるようになると考えています。
ジョブローテーションを実施することによって、個人だけでなく組織全体の成長に寄与できると考えています。アソビューでは他の部署や未経験の職種に挑戦できる「キャリアチャレンジ制度」があります。この制度を基にプロダクト部門でも継続的なジョブローテーションの実施を計画していきます。
チームで開発生産性を意識する
1年前に「月間100回を超えるリリースを支えるアソビュー!の開発プロセス」の記事を公開してから、弊社のメンバー数も着実に増加しています。これにより、チームとしてのケイパビリティが拡大しているはずですが、リリースサイクルの速度は思ったほど改善できていないと感じています。これは、チームの拡大と共に、コミュニケーションやプロセスの複雑化が生じ、開発の効率が低下していることが原因かもしれません。
リリースサイクルの低下には様々な要因が考えられますが、問題を具体的に把握するには、開発プロセスやチームパフォーマンスを定量的に測定し、開発チーム自身が各々の現在地を知ることが重要です。これができなければ、現状が本当に問題なのか、あるいは予想以上に上手くいっているのかさえも判断できません。
弊社では開発チームのパフォーマンス指標である「Four Keys」を計測できるツール、Findy Team+ を、今年の2月から一部の開発チームで導入開始しました。
このツールの導入により、短期間ですがチームごとの強みと弱みが明らかになり始めています。
半年以内の目標として、このツールを全開発チームに展開し、データを基に「どのようにしてアウトプットを最大化できるか」を各チームが試行錯誤し、最適な開発プロセスを模索できるようになる状態を作っていきます。
全員技術広報の推進
アソビューは2011年の創業から現在に至るまで、プロダクトの内製にこだわりながら多様な事業を展開してきました。事業の拡大と共に、新しい技術の採用にも検討の余地があります。私たちは技術検証を実施した上で適宜必要な技術を取り入れてきました。
下記の弊社VPoT兼平によるモジュラモノリスに関する記事は、アソビューがどのように技術革新を取り組んでいるかの一例になります。
上記の取り組み以外にも、私たちは週に1度のLT会を開催しています。社内での技術的な研鑽とチーム間のコミュニケーションを促進する重要な活動だと考えていますが、このような社内のイベントで共有した知識や日々の業務で培った経験を社外にはまだまだ発信しきれていません。
社外に対する発信は内部での発表よりも、準備には多くの努力と時間を要します。
同僚ではない人に対して情報を分かりやすく噛み砕いて伝えることは決して簡単でないですが、このプロセスを通じて自分自身の思考を整理し、知識を定着させることができます。さらに外部発信は個人のブランディングにも繋がるため、今後社会活動を進めていくうえで大きな財産になります。
また、外部への発信をエンジニア社員で積極的に行うことで、エンジニアコミュニティに対するテックカンパニーとしての社会的責任も果たすことができます。社内外問わずエンジニアや開発組織にとってのインスピレーションや学びの源泉となり、エンジニアコミュニティ全体の発展に貢献していきたいと考えています。
そのため、全員で協力しながらブログの発信やイベントの開催を実施していきます。
経営とプロダクト開発をつなぐ
経営を継続する上で避けて通れない問題があります。それは、資金が尽きるということです。企業が存続し、さらに成長していくためには、資金の維持と増加が必要です。
この課題を解決するためには、2つのアプローチが考えられます。1つ目は、私たちのユーザー様にさらなる価値を提供し、その結果として利益を上げることです。2つ目は、固定費や変動費等の経費の削減を図ることです。
会社としてユーザー様への価値貢献を増やす方法は様々あります。しかし、エンジニアリングチームとして私たちが直接貢献できる最も効果的な手段は、プロダクトの継続的な成長に努めることだと考えています。
プロダクトの成長とは、単に新機能を追加することだけではなく、市場のニーズに合致した高品質なサービスを提供し続けること、そしてユーザー体験を向上させ続けることです。
しかし、プロダクトの成長には、経営が開発案件毎の収益性を正確に分析し、投資意思決定ができる状態を作り出す必要があります。そのため今以上に管理会計の整備に力を入れ、経営陣がより戦略的な意思決定を行えるようサポートしていきます。
最後に
つらつらと思うがままに書いてきましたが、書いたからには来年の今頃どうなっているかのアカウンタビリティがあるので、しっかり振り返りできたらと思っています。
ここまで読んでいただいてもわかるように、アソビューは伸びしろのある組織で、そこら中にボールが落ちているいい意味でやりがいのある組織です。
事業成長や組織改善にコミットしたいエンジニアの方がいらっしゃいましたら、 カジュアル面談もありますので、少しでも興味があればご応募いただければと思います。