体験に基づいてお話します。AI時代、学びに使い易いIDE(統合開発環境)はなんだろうという話です。
VS Codeでやってみた
この1年間ほど、PythonとCを教えるためにVS Codeを使ってみました。AIエージェントを使う必要があったので、あまり選択肢はなかったのです。GitHub Copilotと相性がよいので、とても期待していたのですが、あろうことか、6月から学生ライセンスの内容が縮小されて、教育面でのメリットは小さくなりました。
AIは主にSPD(構造化プログラム設計図)からのコード生成に使いますが、Copilotだとすぐに使用量を使い切ってしまいます。そこで、もっぱらGeminiのGemを使います。使用量の制限もゆるく、Proバージョンまで使えるのでとてもいいです。
VS Code + Gemini Gemで使う
VS Codeは、Pythonだけを普通に使うには十分でした。Jupyter notebookもVS Codeの中から使えるし、従来のように学ぶ用途であれば文句なく良い環境です。ただ、学生ライセンスでは、Copilotは容量が少なく、遅く、しかもいろいろなエージェントを選べないので?が3つくらい付きます。
個人的にはGeminiのGemを勧めます。ルールや知識を他のAIよりもたくさん与えることができます。無償利用では、エージェント的なことはあまりできないけどコードの自動生成ではとても頼りになりました。
よし、JavaもVS Codeで揃えよう
秋からはSpring Bootを教えるので、試しにVS Codeで揃えてみようと思い、自動セットアップスクリプトを作りました。しかし、学生にスクリプトを配って、セットアップさせ、使い始めたところで、いろいろなつまずきが出てきました。
(1)プロジェクト作成の操作がしにくい
(2)1つのワークスペースに複数のプロジェクトを入れるのが難しい
(3)エクスプローラーでパッケージが見にくい、操作しにくい
(1)と(2)は解決できました。自動セットアップスクリプトで対策を埋め込みました。しかし、(3)はどうにもなりません。これは初心者向けにはかなりマズイです。
Eclipseへ回帰する
学生用には、本当はIntelliJを使いたいのです。本当は・・・
しかし、あれは職業プログラマのものなので、無償利用では制限が大きすぎました。
それで、Eclipseの自動セットアップスクリプトを再作成しました。PythonとCでの経験を取り入れて、学校などの(スクリプトが止められるような)制限のきつい環境でもセットアップできるようにしました。Copilot拡張機能には、コード生成ルールも組み込んであります。おそらく、これまでで一番いい開発環境になりました。
使いやすいエクスプローラー
いいですね。付属のパッケージエクスプローラーは、ほとんどWindowsのファイルエクスプローラー並みです。VS Codeにはなかった使い心地です。プロジェクト作成も簡単です。プロジェクトは、ワークスペースにいくつも置けます。理想的な環境ですね。
コード生成には、おもにGemini Gemを使い(Gem用のルールも付属)、Copilotは(全体を見ることができるので)バグの調査などに使います。無償で使うにはよいバランスで、これならVS Codeより(いや、比べるまでもなく)マシです。
最後に気が付いたオチ
『えー! コーディングはしないのですか!』
そうです、コードはほとんど書きません。SPDエディタでSPDを書き、Gemでそれからコードを自動生成します。そうやって、学生はプログラミングを学びます。
エディタなんて、コードの置き場所にすぎません。
ちなみに、AI自動補完もまったくといってよいほど使いません。なんたって、コードを書かないので、必要ないのでした。書くのはSPDだけです。
『とかいっても、HTMLなんかは手書きでしょう』
それは古い考えですね。テンプレート(HTML)も、SPDで書けるのです。しかも、うんと簡単になります。ですからもう、HTMLすらも書くことはないのです。
この話もしたいのですが、今日はもう遅くなりました。そのあたりのことは、また、次の機会にお話ししましょう。