1. 概要
閉域ネットワークは、インターネットから隔離されたプライベートなネットワークである。
セキュリティやプライバシーの保護、特定のアプリケーションやサービスの管理を容易にする。
本記事では、仮定の閉域環境を設定し、接続確認や利用可能なIPアドレスについて説明する。
2. 仮定の閉域環境
以下のような閉域環境を仮定する。
- 検証閉域:110.80.2.32/27
- 本番閉域:230.220.210.0/24
この環境では、特定のパケットが来た場合に、指定された閉域環境に転送されるようにルーティングされている。
- 110.80.2.32/27のパケットが来た場合、検証閉域110.80.2.32/27に転送される。
- 230.220.210.190/26のパケットが来た場合、本番閉域230.220.210.0/24に転送される。
3. 閉域環境の接続確認
閉域ネットワーク内の特定のIPアドレスに接続した場合、サーバー時刻が返されるように設定されているとする。
例えば、110.80.2.32/27や230.220.210.0/24に接続した場合、サーバー時刻が返されるように設定されている。
このような設定は、特定のサーバーに対する接続確認や、システム間での時刻同期のために利用される。
4. CIDR表記と利用可能なIPアドレス
CIDR表記を用いてアドレス帯が指定され、利用可能なアドレスはネットワークアドレスとブロードキャストアドレスを除いた範囲になる。
「110.80.2.32/27」と「230.220.210.0/24」のCIDR表記を用いて、利用可能なIPアドレスについて説明する。
110.80.2.32/27
- 「/27」とは、サブネットマスク「255.255.255.224」をCIDR表記で表現しており、IPアドレスの32ビットのうち、ネットワーク部分が27ビットで、ホスト部分が残りの5ビットであることを意味している。
- ホスト部分が5ビットあるため、2の5乗(32)通りのアドレスがあり、IPアドレス範囲が「110.80.2.32 ~ 110.80.2.63」であることがわかる。
- そのうちネットワークアドレス(最初のアドレス)とブロードキャストアドレス(最後のアドレス)は使用できないため、使用可能なIPアドレス範囲は「110.80.2.33 ~ 110.80.2.62」となる。
230.220.210.0/24
- 「/24」とは、サブネットマスク「255.255.255.0」をCIDR表記で表現しており、IPアドレスの32ビットのうち、ネットワーク部分が24ビットで、ホスト部分が残りの8ビットであることを意味している。
- ホスト部分が8ビットあるため、2の8乗(256)通りのアドレスがあり、IPアドレス範囲が「230.220.210.0 ~ 230.220.210.255」であることがわかる。
- そのうちネットワークアドレス(最初のアドレス)とブロードキャストアドレス(最後のアドレス)は使用できないため、使用可能なIPアドレス範囲は「230.220.210.1 ~ 230.220.210.254」となる。
5. 閉域ネットワークでのサービス管理
閉域ネットワークでは、特定のアプリケーションやサービスを管理することが容易になります。
これにより、セキュリティやプライバシーを維持しながら、限定された範囲でのサービス提供が可能です。
以下では、閉域ネットワークでのサービス管理について詳しく述べます。
サービスの制限
閉域ネットワークでは、ネットワーク内でのみアクセス可能なサービスを提供することができます。
これにより、外部からの不正アクセスを防ぎ、セキュリティを向上させることができます。
また、内部でのみ提供されるサービスに対しては、アクセス制限や権限管理を厳密に設定することができます。
セキュリティ対策
閉域ネットワークでは、ネットワーク内の通信が外部に漏れることがないため、機密情報の保護が容易になります。
また、外部からの不正アクセスやサイバー攻撃を防ぐために、ファイアウォールや侵入検知システム (IDS) などのセキュリティ対策を導入することができます。
ネットワーク管理
閉域ネットワークでは、ネットワークトラフィックや接続デバイスを容易に監視・管理することができます。
これにより、不正な通信やデバイスの接続をすぐに検知し、対処することができます。
また、ネットワークリソースの配分や品質管理も、閉域ネットワーク内で行うことができます。