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【AIエージェント時代のチーム開発⑤】PRが重いんですけど...

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Last updated at Posted at 2026-05-16

PRが重くなるのは、実装が速くなったから

AIを使った開発では、PRの扱いが難しくなると感じています。

従来の開発では、1日分、2日分、3日分の作業をまとめてPRにすることがよくありました。
もちろん、差分が大きすぎるPRは昔から問題でしたが、それでも人間が手で書く速度には一定の限界がありました。

しかし、AIを使うと、その前提が変わります。

1回の修正でも、大量のコードが出ることがあります。
3日作業した場合、その差分量はかなり大きくなる可能性があります。

ここで気になるのが、AI時代にPRが機能するのかという点です。

私の考えでは、PR制度そのものはまだ残ると思っています。
ただし、従来のように「作業が終わったらまとめてPR」では、かなり厳しくなると思います。

この記事で言いたいこと

  • AI時代は、作業時間と差分量の感覚がズレる
  • PRは日数ではなく、変更の種類で分けた方が読みやすい
  • AIには実装だけでなく、PR分割や差分分類も手伝わせたい

AIは作業量と差分量の関係を壊す

人間だけで開発していた時代は、作業時間と差分量にはある程度の関係がありました。

もちろん個人差はあります。
しかし、1時間の作業、1日の作業、3日の作業で、だいたいの差分量は想像できました。

AIを使うと、この感覚が崩れます。

短時間でも、AIは大量のコードを生成できます。
逆に、長時間かけても設計検討だけで差分が少ないこともあります。

つまり、「何日作業したか」でPRの大きさを判断するのが難しくなります。

AI時代のPRは、時間ではなく、変更内容のまとまりで考えた方がよさそうです。

大きいPRはレビューできない

PRが大きくなりすぎると、レビューは難しくなります。

特にAIが生成した差分では、次の判断が入ります。

  • 仕様変更はどこか
  • AIが勝手に直した箇所はどこか
  • 既存挙動が変わっていないか
  • リファクタが混ざっていないか
  • 責務の境界が変わっていないか
  • テストは十分か

これを大量の差分に対して行うのは大変です。

PRは存在していても、実質的にはレビューできていない、という状態になりかねません。

そして、レビューできないPRは、チーム開発ではリスクになります。

PRを日数で区切らない

AI時代には、PRを「作業日数」で区切るのはあまり適していないと思います。

たとえば、次のような区切り方です。

3日分作業したのでPRを出す

これは、人間中心の開発でも大きくなりがちですが、AI時代にはさらに扱いにくくなります。

AIを使うと、3日分の作業はかなりの量になります。
複数画面、複数API、状態管理、テスト、リファクタまで含まれることがあります。

そうなると、レビューする側はかなり厳しいです。

代わりに、PRは「何を変えたか」で分ける方が見やすいと思います。

PRは変更の種類で分ける

AI時代のPRは、以下のように分けるとよいと思います。

  • ひな形追加
  • 型定義追加
  • API接続追加
  • 画面表示追加
  • バリデーション追加
  • テスト追加
  • リファクタ
  • 不具合修正

たとえば、ユーザー一覧画面を追加する場合でも、1つの巨大PRにするのではなく、次のように分けることができます。

PR1: User型とAPIクライアントの追加
PR2: UserListPageのひな形追加
PR3: 検索フォームの追加
PR4: 一覧表示とページングの追加
PR5: テスト追加

すべてを細かく分けすぎる話ではありません。
しかし、少なくとも「仕様変更」と「リファクタ」は分けた方が見やすいです。

設計変更と実装変更を分ける

AIは、実装しながら設計変更も提案してくることがあります。

たとえば、既存の状態管理を変える案、共通コンポーネントを分ける案、APIクライアントを整理する案です。

これらは有用な場合があります。

しかし、機能追加PRの中に設計変更を混ぜると、レビューが難しくなります。

設計変更があるなら、先にそれだけをPRにする。
あるいは、Issueや設計メモで合意してから実装する。

この順番が大切です。

AIにPR単位を考えさせる

AIには、実装だけでなく、PR分割の相談もできます。

たとえば、実装前にこう聞きます。

この機能を実装する場合、レビューしやすいPR単位に分割してください。
仕様変更、リファクタ、テスト追加を混ぜない方針でお願いします。

また、実装後にこう聞くこともできます。

現在の差分を確認し、レビューしやすいPR単位に分割するとしたら、どのように分けるとよいですか。
仕様変更、リファクタ、テスト追加、不要変更を分類してください。

AIはコードを書くためだけのものではありません。
差分の整理やレビュー観点の抽出にも使えます。

PR制度は不要ではない

AI時代にはPRが難しくなる。
だからPRは不要になる。
そう考えるのは少し怖いところがあります。

むしろ、AI時代だからこそPRは効いてくると思います。

AIが大きな差分を素早く作れるからこそ、人間が確認できる単位に分解しておくと見やすそうです。

問題はPR制度そのものではありません。
問題は、AIが生成した巨大な差分を、そのままPRにしてしまうことです。

PRは、AIの出力をチームで受け入れるための関門として、今後も残ると思います。

PRは判断できる単位で切る

AI時代のPRは、従来より重くなりやすいです。

理由は、AIが短時間で大量のコードを生成できるからです。
その結果、作業時間と差分量の関係が崩れます。

自分が意識したいのは、以下のようなことです。

  • PRを日数で区切らない
  • 変更内容のまとまりで分ける
  • 仕様変更とリファクタを混ぜない
  • 設計変更と実装変更を分ける
  • AIにPR分割や差分分類をさせる

PR制度をやめるのではなく、AI時代に合わせてPRの単位を再設計していくのだと思います。

次回は、「AIには細かく指示しない方がいい」という最近の流れが、チーム開発でも通用するのかを考えます。

シリーズ構成

【AIエージェント時代のチーム開発】

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