17
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 1 year has passed since last update.

Microsoft Power AutomateAdvent Calendar 2022

Day 6

PowerAutomateのライトな使いどころ

Last updated at Posted at 2022-12-06

この記事はMicrosoft Power Automate Advent Calendar 2022 カレンダー2の6日目です。
ここではPowerAutomateを使って社内の開発チームのワークフローを少しだけ改善した話をします。

前提となる状態

  • 社内のコミュニケーションにはMicrosoftのTeamsを採用している
  • 開発チームは課題(issue)をBacklogで管理している
  • ビジネスサイドの別チームはBacklogの扱いに慣れているチームもあれば、
    慣れていないチーム(Backlogを使ったことがないチーム)もある

まずこんな状況がありまして...

backlog-flow1.png

<Aさん>
システムのこの部分うまく動いてないみたいだから開発チームに修正を依頼しなきゃ。
普段、他のチームとはTeamsでコミュニケーションとってるから、
開発チームに対する修正依頼も同じようにTeams上で投げちゃっていいよね。
え?Backlog?なにそれ?

<Bさん>
システムのこの部分うまく動いてないみたいだから開発チームに修正を依頼しなきゃ。
普段から開発チームへの依頼に関してはBacklog上で進捗を管理してもらってるので
今回もBacklog上に課題を作って進めよう。

<開発チーム>
依頼がいろんな方面からバラバラに来て困る・・・。
タスクは全部Backlogで一元管理しておきたいなぁ・・・。

開発チーム的には(本当は)こうしたいが...

backlog-flow2.png

<開発チーム>
Aさんに頼んで今後はBacklog上で依頼を出してもらうようにお願いしよう。
これでタスクをすべてBacklogに集めることができて管理しやすくなったぞ。

<Aさん>
なんか新しいツール増えた・・・。
Teamsですぐ連絡とれるのになんでわざわざ別のツール使わないといけないんだろう。
使い方よくわからないし、めんどくさいなぁ。

そんな時はこうしよう

backlog-flow3.png

<Aさん>
今まで通り開発チームへの依頼はTeamsで行うよ

<Bさん>
今まで通り開発チームへの依頼はBacklogで行うよ

<PowerAutomateくん>
Teamsに来た作業依頼は自動でBacklogに流すよ

<開発チーム>
課題が全部Backlogに貯まってくれるから管理が楽になったよ

この話のポイント

この手のワークフローを考える時、人とツールとの心理的距離を考えるのってめっちゃ大事、と個人的には思ってます。

開発チームやBさんは普段からBacklogを常用する立場にあるためツールとの心理的距離が近い一方で、AさんにとってBacklogという新しいツールは心理的な距離が非常に遠い。AさんにBacklogを使ってもらうよう促すことは簡単ですが、この距離感の違いを考慮に入れておかないと、大抵の場合運用がワークしません。

元々「●●というツールを使って何かをする」という行為自体が、その人の日々の業務フロー(習慣といってもいいですが)の中に存在しない場合、それを新たにフローの中にねじ込むというのはコストが高いものです。それが毎日使うことになるツールなら慣れるのも早い(=習慣化ができる)のでそれほど問題にはならないかもですが、月に数回しか使わないとかなら特に難しい・・・。

もちろんトップダウン的に、2番の例のようにエイヤで組織全体に統一したツールの導入を促すことが必要なこともありますが、ボトムアップ的にやるなら、双方が慣れているツール(インターフェース)は変えずに、裏側でその間をPowerAutomateのような自動化ツールでつなぐという視点もWin-Winの関係を築くためには大事かなと。

このあたりの最適解は組織文化にもよると思いますが ^^;

実際にどうやるか

タイトルが「ライトな使いどころ」なのでライトに2ステップだけで行きます。

外部からBacklogに課題を登録する場合、APIを使う方法とメールで課題登録する方法と2通りがあります。より柔軟にできるのはAPIですが、単にTeamsで投稿された内容をBacklogにコピーするだけであれば、メールでの課題登録でも事足ります。

①Backlogの設定

プロジェクト設定 -> インテグレーション -> メールによる課題登録
「課題登録用メールアドレスの追加」でメールアドレスを発行します。
automation1.png

②PowerAutomateの設定

今回はあるTeams上の特定のチャネル(開発チームへの依頼用のチャネルを想定)に新しくスレッドが投稿された時に、その内容をそのままBacklogへ登録することを考えます。
フローは最低限以下の2つだけ。

  • 「チャネルに新しいメッセージが追加されたとき」で対象のチャネルを選択
  • 「メールの送信」で宛先に①で発行したメールアドレスを指定し、件名・本文にチャネルに投稿された内容(件名・本文)をセット
    automation2.png
    もしAPIでやるなら、メールの送信の部分をHTTPの送信とかに変えてBacklogのAPIの形式に合わせてリクエストしてやればいけると思います。

まとめ

結局やってることは単純で、双方のインターフェースを変えることなく、あるプラットフォーム上のデータを別のプラットフォームのデータにトランスフォームしてるだけです。なので、今回はTeams→Backlogの連携を例に取りましたが、どんなツールに置き換えても同じパターンが適用できると思います。
使用するツールの違いによりチーム間での運用がうまくいっていない、とか、チームごとにワークフローがサイロ化していて統一が難しい、という場合の参考になれば。

17
3
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
17
3

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?