はじめに
Buffalo のルーター(WXR-1750DHP2)が不調になり、トラブルシューティングをしているうちに「そもそも Wi-Fi ってどうやって情報を送ってるの?」という疑問を持ちました。
調べていく中で、Wi-Fi の仕組みを「太鼓の達人」で理解したら腑に落ちたので、その気づきを共有します。
前提知識
- Wi-Fi の基本的な用語(SSID、2.4GHz/5GHz など)を知っている
- ルーターとモデムの違いが分かる
- プログラミング経験は不要
発生していた問題
症状
- インターネット接続が突然切れる
- 数分後に自動的に復活する
- この症状が繰り返される
環境
- ルーター: Buffalo WXR-1750DHP2(2015年発売、Wi-Fi 5 世代)
- 回線: J:COM ケーブルインターネット
- モデム: KAON(J:COM 提供のモデム一体型ルーター)
構成
[インターネット]
↓
[KAON(モデム)]
↓ 有線LAN
[Buffalo WXR-1750DHP2(ルーター)]
↓ Wi-Fi
[デバイス(PC、スマホなど)]
トラブルシューティング手順
1. Buffalo を疑う
Buffalo ルーターの典型的な不調原因:
- 熱暴走
- ファームウェアの問題
- ONU(光回線終端装置)との相性
- Wi-Fi の電波干渉
- 経年劣化
WXR-1750DHP2 は約10年前のモデルなので、経年劣化の可能性が高いと判断。
2. KAON の Wi-Fi に切り替え
KAON はモデム一体型ルーターなので、Wi-Fi 機能も持っています。試しに Buffalo を経由せず、KAON の Wi-Fi に直接接続してみました。
切り替え手順
- KAON 本体の側面・背面にあるラベルで SSID とパスワードを確認
- デバイス側で KAON の SSID に接続
- パスワードを入力
結果
速度が少し上がりました。
これにより、Buffalo 側がボトルネックになっていた可能性が高いと判断できました。
3. KAON の設定を最適化
KAON の管理画面(通常 192.168.0.1)にログインして、以下の設定を行いました。
実施した設定
| 設定項目 | 変更内容 | 理由 |
|---|---|---|
| 不要な SSID の無効化 | 2.4GHz-A、5GHz-G を無効 | 接続先を明確にする |
| Band Steering | 有効 | デバイスを最適な周波数帯に自動振り分け |
| UPnP | 無効 | 使わない機能は OFF |
| WPS | 無効 | セキュリティリスク低減 |
注意点
KAON は J:COM が最適化済みなので、いじりすぎないのが正解です。上記の最低限の設定のみ実施しました。
そもそも Wi-Fi ってどういう仕組み?
設定を終えて、ふと疑問が湧きました。
Wi-Fi ってそもそもどうやって情報を送っているの?
見えない電波が飛んでいて、0 と 1 のデジタル情報を運んでいる。しかも複数のデバイスが同時に通信できている。
調べてみると、**QAM(Quadrature Amplitude Modulation)**という変調方式を使っているとのこと。
- Wi-Fi 5:256-QAM
- Wi-Fi 6:1024-QAM
でも、これだけだとピンと来ませんでした。
太鼓の達人で理解する Wi-Fi
考えているうちに、太鼓の達人で例えられることに気づきました。
Wi-Fi と太鼓の達人の対応表
| 要素 | Wi-Fi | 太鼓の達人 |
|---|---|---|
| データ | 0 と 1 の羅列 | 譜面(ドン・カッの並び) |
| 変調(QAM) | 電波の揺れ方のパターン | 太鼓を叩くタイミング |
| 周波数 | 電波の振動数 | 譜面の速さ |
| 受信 | エラーなく復号 | 正確に叩く |
256-QAM と 1024-QAM の違い
- 256-QAM(Wi-Fi 5):256 通りの叩き方
- 1024-QAM(Wi-Fi 6):1024 通りの叩き方
つまり、Wi-Fi 6 は Wi-Fi 5 の約 4 倍細かい譜面を処理できるということです。
太鼓の達人の上級者モードのように、1 秒間に数億回、電波を揺らして情報を送っています。
Wi-Fi 6 の仕組み(オーケストラ編)
Wi-Fi 6 では、複数のデバイスに同時に電波を割り当てられます。これをオーケストラで例えると理解しやすくなります。
Wi-Fi 5 までの方式
デバイスA → 処理 → デバイスB → 処理 → デバイスC → 処理
(順番に1台ずつ)
Wi-Fi 6 の方式(OFDMA)
デバイスA(高周波)┐
デバイスB(中周波)├→ 同時処理
デバイスC(低周波)┘
Wi-Fi 6 の主要技術
1. OFDMA(周波数分割多元接続)
複数のデバイスに異なる周波数帯を同時に割り当てる技術。
オーケストラで例えると:
- ヴァイオリン = 高周波帯
- チェロ = 低周波帯
- 指揮者(ルーター)が全体を調整
2. MU-MIMO(マルチユーザー MIMO)
複数のアンテナで同時に異なるデバイスと通信する技術。
オーケストラで例えると:
複数の指揮者がそれぞれ異なるパートを同時に指揮している状態。
3. TWT(Target Wake Time)
デバイスが通信しないときは電波を止めて省エネする機能。
オーケストラで例えると:
演奏者が休符のときは休む。
まとめ
トラブルシューティングのポイント
- ルーターが不調なら、まず別の Wi-Fi に切り替えて切り分け
- モデム一体型ルーター(KAON など)がある場合は活用する
- 古いルーター(Wi-Fi 5 以前)は買い替えを検討
Wi-Fi の仕組み理解のポイント
- Wi-Fi = 太鼓の達人(電波の揺れ方で情報を表現)
- Wi-Fi 6 = オーケストラ(複数デバイスに同時対応)
- 256-QAM → 1024-QAM で約 4 倍の情報密度
次のアクション
もし Wi-Fi のトラブルに悩んでいるなら:
- ルーターの型番を確認(Wi-Fi 5 以前なら買い替え推奨)
- モデム一体型がある場合は試しに切り替えてみる
- 改善しない場合は、電波干渉やチャンネル設定を見直す
こうした判断や理解のプロセスを、エンジニア向けにもう少し整理して書いています。興味があれば、こちらにまとめています。
https://tielec.blog/