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書籍『ステップアップPython すぐに使える!実践スキル35』発売します

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はじめに

都内でデータサイエンティストをしている@tetsuro731と申します。

このたび、講談社から『ステップアップPython すぐに使える!実践スキル35』を出版することになりました。Amazonのリンクはすでにできており、発売は6月25日の予定です。

この記事では、書籍の概要や執筆に込めた思いなどをまとめたいと思います。

目次

本のリンクからも飛べますが、目次は以下です。

STAGE 1 Pythonを知る
STAGE 2 Pythonを体験する

STAGE 3 変数を使う
STAGE 4 データ型を知る
STAGE 5 文字列型を使いこなす
STAGE 6 コレクション型を知る(リスト)
STAGE 7 コレクション型を知る(タプル)
STAGE 8 コレクション型を知る(ディクショナリ)
STAGE 9 コレクション型を知る(セット)
STAGE 10 if文と演算子を知る
STAGE 11 ループ処理を使いこなす
STAGE 12 コレクション型を応用する
STAGE 13 内包表記を使いこなす
STAGE 14 関数を知る

STAGE 15 オブジェクト指向を知る(基礎編)
STAGE 16 オブジェクト指向を知る(応用編)
STAGE 17 オブジェクト指向を知る(カプセル化)
STAGE 18 オブジェクト指向を知る(継承・ポリモーフィズム)

STAGE 19 ライブラリとモジュールを知る
STAGE 20 SQLiteでデータベースを扱う
STAGE 21 HTTPリクエストとスクレイピングを行う
STAGE 22 NumPyで高速化する
STAGE 23 pandasでデータフレームに入門する
STAGE 24 ファイルとディレクトリ操作を行う
STAGE 25 MatplotlibとSeabornで可視化する

STAGE 26 開発環境を整える
STAGE 27 品質の高いコードを書く
STAGE 28 例外処理を知る
STAGE 29 loggingでログを出力する
STAGE 30 pytestでテストを行う

STAGE 31 機械学習に入門する(scikit-learn)
STAGE 32 LightGBMを使う
STAGE 33 ニューラルネットワークとディープラーニングを使う
STAGE 34 Transformerを使う
STAGE 35 FastAPIでWeb APIを構築する

どんな本?

一言でいえば、Python初学者が上級者にステップアップするための「橋渡し」的な本です。

Python初学者向けの本は巷にあふれていますが、それらの本で基本文法をマスターしても、すぐに実務で使える状態にはなりません

というのも、Pythonには数多くのライブラリが存在するため、実務では用途に応じたライブラリの使い方をマスターする必要があるからです。

しかし、各ライブラリは個別に独立した専門書として書かれることが多いです。
つまり、入門書で基本文法をマスターしても、次にどの道に進むべきかを判断するのは初学者にとって容易ではありません。

そこで、本書では基本文法やオブジェクト指向の概念からスタートし、用途ごとのライブラリの活用方法までを広くカバーしています
この本を読めば、Pythonの基本から、用途別のライブラリの使い方、機械学習・AIの最先端までを一通り学ぶことができます。

とくに機械学習は筆者が専門にしていることもあり、テーブルデータから画像、自然言語処理、生成AIの分野までを広くカバーしています。

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ただし「幅広く」とは言っても、Pythonの文法やライブラリは、すべてを網羅しようと思うと、ページがどんなにあっても足りません。
そこで本書では、筆者が実務を通して感じた適切なPythonの書き方やTips(コツ) を中心に盛り込んでいます。

この本を読めば、必要に応じて更なる専門書に「ステップアップ」することが可能でしょう。

ほかにも、「実験的な分析」と「システム開発」では、必要とされるPythonの書き方が異なります。
近年はシステム開発におけるPythonの利用も増えてきているため、開発環境の構築や品質の高いコードの書き方もカバーしています。
具体的には、以下のような内容です。

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筆者はデータサイエンティストとして働いており、プログラミングを10年以上、Pythonは7年以上使ってきました。本書には、これまでの経験で得た知識・知見を余すことなく盛り込んでいます。

本を書いたきっかけ & 苦労したポイント

自分の周りには技術書を書いている人が多かったので、なんとなく「自分も書いてみたいなー」と思ったのが執筆のきっかけです。
友人を通して編集者の方を紹介してもらい、意外とトントン拍子に執筆開始までは進めたのですが、そこから先が大変でした。

初学者が「基本から応用まで」を学ぶとなると、スコープが膨大だったのです。
勉強すればするほど「あれも入れなきゃ、これも入れなきゃ」と膨れ上がってしまい、一時期は原稿が400ページを超えてしまいました。
そこからもう一度読者目線に立ち戻り、枝葉の部分を削り、なんとか350ページほどに収めました。

結果として執筆開始から発売まで1年半以上かかってしまいましたが、苦労の甲斐もあり満足のいくものが書けたと思っています。

今覚えば、もっと最初の段階で「何を書いて、何を書かないか」のスコープをしっかり決めるべきだったなーと反省点を挙げればキリがないですが、最後まで寄り添ってくれた編集者やレビュアーの方々には本当に感謝しています。

工夫したポイント

初学者の素朴な「なぜ?」に応える

自分が初学者のときに躓いたポイントを重点的に解説するようにしています。
たとえば

  • リストとタプルは何が違う?
  • NumPyはなぜ速いの?
  • 内包表記ってなんのためにあるの?
  • loggingじゃなくてprint()でログを残すのじゃだめなの?
  • 機械学習モデルっていっぱいあるけど、何を学べばいいの?

などなど。
文法すべてを網羅するよりも、実用的な観点に絞った上で初学者の「なぜ?」に応えられる構成にしました。
また、基本文法についても天下り的に導入するのではなく、「なぜその記法が必要なのか?」を考えた上で説明するように心掛けました。

開発のためのTips

近年は開発にPythonを用いることも多いですが、可読性・保守性を重視したコーディングが重要となります。
このあたりは、近年よく用いられている環境構築のためのツールであるuvや、リンター/フォーマッターツールであるruff、静的解析ツールであるmypy、データのバリデーションツールであるPydanticなど、トレンドとなっているツールも数多く紹介しています。
また、コードや設定はすべてGitHubのリポジトリとして公開予定です。

機械学習・AI領域

自分の専門でもある「機械学習・AI」については結構なボリュームを割いています。

データセットの選定にもこだわりました。
例えば機械学習の入門では「タイタニックの生存者予測」が題材とされることが多いです。
このデータは有名で入門しやすいものの、データが少ないので、モデルの選定や特徴量エンジニアリングによる精度上昇を実感しづらいという欠点があります。

そこで本書ではよりボリュームのある「Adult Census Income」というデータセットを用いて、さまざまな工夫により少しずつ精度が上がっていく様子を体験できるようになっています。

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また、自然言語処理の題材に使っているWRIMEというデータセットは、筆者が権利者に許諾を得た上で加工を行い、アップロード済みのものを用いています。
最適な学習のためには最適なデータセットが必要であると思っているため、このあたりはこだわったポイントです。

また機械学習モデルは作って終わりではなく、最後のセクション(STAGE 35)ではFastAPIを使ったWebアプリの構築までを行っています。

執筆のプロセス

執筆は大まかに以下の流れで進みました。

  1. コンセプト作成
  2. 原稿執筆
  3. レビューと修正
  4. 校正・デザイン

1. コンセプト作成

「どのようなコンセプトの本を書くか」「タイトルをどうするか」などを編集者の方と話し合って決めます。今回はたくさんのPython書籍を分類した上で、「知見やTipsをまとめる」「初学者から中級者向けにする」などのコンセプトを決定しました。
また、「ステップアップ」などの書籍のキーワードもここで決定します。

2. 原稿執筆

講談社内でOKが出たら、ひたすら執筆を進めます。
今回は完全に一人での作業だったので、仕事終わりや休日などで少しずつ時間を捻出して進めました。
執筆の参考のために20冊ほど技術書を読み、書き終えるまで1年間ほどかかりました。執筆時間はざっくり合計で600~800時間ほどかかったと思います。
初めての執筆ということもあり試行錯誤や回り道も多かったですが、もし次の機会があれば、もう少し効率よく書けるかもしれません。

3. レビューと修正

レビューは、本のクオリティを上げるための大切な機会です。
一人で執筆を進めていると、どうしても偏りがあったり勘違いしている箇所が発生してしまいます。
今回はNotionで書いた原稿に、個人的にお願いした何名かのレビュアーの方からコメントをもらい、改善に役立てました。

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また、文章の校正やチェックには生成AIも活用しました。
文章の原稿「そのもの」を生成AIに書かせると、無味乾燥なものになって「自分らしさ」が失われてしまうため、あくまで表記揺れや矛盾点の指摘などを中心に活用しました。
Notionと同じ原稿をGitHubにもコピーし、ローカルPCでVSCodeからClaude CodeなどのAIエージェントを用いてレビューをしてもらっていました。
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4. 校正・デザイン

ある程度原稿が出来上がってきたら、デザイナーの方も含めて実際のレイアウトに近い形で確認していきます。
自分はPDFにiPadからコメント書き込む形で校正作業を進めています。
とくに図は手書きのラフなイメージを伝えることも多いので、実際に仕上げてもらったものと齟齬がないか、チェックしていきます。

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カバーデザインなどもこの段階で決めました。

最初のアイディア出しから原稿執筆、デザインの選定、プロモーションまですべてを通して関わることができたため、本の執筆は大変であると同時に非常にやりがいのある体験でした。

さいごに

現在は絶賛最後の校正中ですが、6月25日に書店に並べることができるように頑張っています。

至らない点も多いですが、特別な思いで執筆・出版させていただきました。
ぜひ手に取って読んでくださると嬉しいです。
ご意見・感想はいつでも受け付けています!

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