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日刊IETF (2025-11-26) ─ IPv6ループバック拡張からITS×CATS連携まで、インターネット基盤の進化が止まらない!

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こんにちは、GMOコネクトの名もなきエンジニアです。
よろしくお願いします!

日刊IETFは、I-D AnnounceやIETF Announceに投稿されたメールをサマリーし続けるという修行的な活動です!!
今回は、2025-11-26(UTC基準)に公開されたInternet-DraftとRFCをまとめました。

  • Internet-Draft: 19件
  • RFC: 0件

参照先:


この記事でわかること

  • IPv6ループバックアドレスの大幅拡張 ─ ::/96プレフィックスとして再定義される提案が登場
  • CATS×ITS連携 ─ 自動運転車やドローンへのComputing-Aware Traffic Steeringの適用
  • Intel専用リモートアテステーション ─ CoRIM/EATベースの新プロファイル策定
  • DNS委任の革新 ─ DELEG/DELEGIレコードによる拡張可能な委任メカニズム
  • BGP AS-Loopの強化検知 ─ 経路ハイジャック対策の新アプローチ

その日のサマリー & Hot Topics

サマリー: 今日の投稿は、ネットワークインフラの根幹に関わる仕様から次世代アプリケーションまで幅広いラインナップです。特に注目すべきは、IPv6ループバックアドレスを ::/96 プレフィックスとして拡張する提案。従来の ::1 単一アドレスから大幅な拡張となり、コンテナ環境やマルチテナント環境での柔軟な設計が可能になりそうです。また、Intelが独自のリモートアテステーションプロファイルを策定し、TEE環境でのハードウェアセキュリティ検証がより標準化されます。

Hot Topics: 自動運転とエッジコンピューティングの融合が加速しています!CATS(Computing-Aware Traffic Steering)をITS(高度道路交通システム)に適用するユースケース文書が登場。ドローンのバッテリー充電最適化からソフトウェア定義車両向けMACプロトコルまで、モビリティ×クラウドの新時代が見えてきます。さらにDNS委任の仕組みを根本から刷新するDELEGレコードも要チェック。拡張可能でDNSSEC対応、これは将来のDNSインフラを大きく変える可能性を秘めています。


投稿されたInternet-Draft

Information and Data Models for Packet Discard Reporting

パケット破棄のレポーティングに関する情報モデルとYANGデータモデルを定義する仕様です。意図的な破棄(ポリシーベース)と意図しない破棄(輻輳やエラー)を分類するフレームワークを提供し、ネットワーク上の意図しないパケットロスを自動緩和できるようにします。オペレータにとっては、どこでなぜパケットが落ちているのかを可視化できる強力なツールになりそうです。ネットワーク運用の高度化を支える重要な一歩と言えるでしょう。

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Intel Profile for Remote Attestation

IntelがRATSフレームワーク向けに策定したリモートアテステーションプロファイルです。CoRIM、EAT、CMW、TCG DICE等の仕様を組み合わせ、Intel固有のEvidence、Endorsement、Reference Valuesをサポートします。特にCoRIMを拡張してIntel特有の測定タイプを定義し、範囲比較やサブセット比較に基づくリファレンス値マッチングを実現。SGXやTDXなどのTEE環境におけるハードウェアベースの信頼性検証を標準化する重要な取り組みです。

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Export of GTP-U Information in IP Flow Information Export (IPFIX)

モバイルネットワークの要であるGTP-Uヘッダ情報をIPFIXでエクスポートするための新しい情報要素を導入します。Tunnel Endpoint Identifier(TEID)やセッションコンテナ拡張ヘッダのデータを取得可能に。5G/LTEネットワークのトラフィック分析やトラブルシューティングに不可欠な機能であり、モバイルキャリアのネットワーク可視化能力を大幅に向上させます。

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Extensible Delegation for DNS

DNSの委任メカニズムを根本から刷新する提案です。従来のNSレコードに代わり、DELEGおよびDELEGIレコードを導入。これらは拡張可能で、DNSSECで保護でき、委任情報の「二重真実源」問題を解消します。NSレコードはホスト名しか持てませんでしたが、新レコードでは追加パラメータを柔軟に含められるため、将来の拡張にも対応。DNS基盤の近代化における重要なマイルストーンです。

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The IPv6 Loopback Address Prefix

IPv6ループバックアドレスを ::/96 プレフィックスとして再定義する提案です。従来は ::1 という単一アドレスのみがループバックでしたが、約42億個のアドレス空間が利用可能に。コンテナ環境やマルチテナントシステムでの柔軟なループバック設計、テスト環境での多様なシナリオ対応など、実用的なメリットが期待できます。IPv6アーキテクチャの重要なアップデートです。

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A YANG Data Model for Network Tester Management

ネットワーク相互接続テストで使用するYANGモデルを導入する仕様です。トラフィックジェネレータとトラフィックアナライザのモジュールを含み、ネットワーク機器のベンチマークテストを標準化された方法で管理できます。BMWGワーキンググループ発の実用的なツールであり、異なるベンダーのテスト機器間の相互運用性向上に貢献します。

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Self-Clocked Rate Adaptation for Multimedia

メディアストリーム向け輻輳制御アルゴリズム「SCReAMv2」の仕様です。RFC 8298を廃止し、アルゴリズムの簡素化とL4Sサポートを追加。リモート操作、AR、3D VRゴーグルのストリーミングなど、複数メディアストリームの同時処理に対応します。低遅延が求められるリアルタイム通信において、ネットワーク状況に応じた適応的なレート調整を実現する重要な更新です。

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MISP core format

脅威インテリジェンス共有プラットフォーム「MISP」のコアフォーマット仕様です。インジケータや脅威情報を交換するためのJSON形式を定義し、各キーのセマンティクスを含む全体構造を規定。既存のMISPソフトウェアや他の脅威インテリジェンスプラットフォームとの相互運用性を確保します。セキュリティコミュニティにおける情報共有の標準化を推進する重要なドキュメントです。

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Compressed SID (CSID) for SRv6 SFC

SRv6のサービスファンクションチェイニング向けに圧縮SID(CSID)を適用する仕様です。SRv6 SIDは128ビットと大きく、SRHに多数含めるとオーバーヘッドが問題に。REPLACE-CSIDおよびNEXT-CSIDフレーバーを持つサービスセグメント向けの新しい動作を定義し、圧縮されたSRv6サービスプログラミングを可能にします。大規模SRv6展開において効率的なパケット転送を実現する実用的な提案です。

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Enhanced Topology Independent Loop-free Alternate Fast Re-route

TI-LFA(Topology Independent Loop-free Alternate)の拡張版「TI-LFA+」を定義する仕様です。従来のTI-LFAでは、FRRパスがSIDリストで指定されたノード(例:ファイアウォール)をスキップしてしまう問題がありました。本提案はNo-bypassインジケータを追加し、特定ノードをバイパスしないことを保証。SRHにはNo-bypassフラグとNo-FRRフラグを定義し、SRv6パスにおける柔軟な障害回復制御を実現します。

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Distributed Micro Service Communication architecture based on Content Semantic

コンテンツセマンティクスに基づく分散マイクロサービス通信アーキテクチャ「DMSC」を提案する文書です。サービス登録、ディスカバリ、ルーティング、スケジューリングなど、現在の集中型サービスネットワークが提供する機能を分散方式で実現。コンテンツセマンティック通信を取り入れることで、パフォーマンス、スケーラビリティ、信頼性を大幅に向上。サービスメッシュ基盤のロケーションベースからコンテンツ・サービス中心パラダイムへの移行指針を示します。

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Path Computation Element Communication Protocol (PCEP) extension to advertise the PCE Controlled Identifier Space

PCEがPCCに代わってラベルやSIDなどの識別子を割り当てるための汎用メカニズムを定義する仕様です。PCECC(PCE-based Central Controller)やBinding SID割り当てなどのユースケースで、PCEは割り当て元となる識別子空間を認識する必要があります。本文書では、PCCがPCE制御用に確保した識別子空間をPCEPを介して通知する仕組みを規定。SDNコントローラとの統合を推進するステートフルPCEの重要な拡張です。

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Enhanced AS-Loop Detection for BGP

BGPにおけるAS-Loop検出を強化し、経路ハイジャック対策を行う提案です。AS_Pathの設定ミスや悪意ある操作による経路ハイジャックを検知するため、Inbound/Outboundルート処理を拡張。デバイス上でのローカルチェックとリモートコントローラ/サーバでの集中分析という2つのオプションを提示。ネットワークオペレータが経路ハイジャックの被害を迅速かつ正確に把握できるようになります。

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CBOR::Core - CBOR Cross Platform Profile

プラットフォーム非依存のCBORプロファイル「CBOR::Core」を定義する文書です。Webブラウザ、モバイル端末、Webサーバなど計算処理が高度なシステムにおいて、JSONの代替として機能することを目指します。決定論的エンコーディングを必須とし、署名やハッシュなどの暗号手法を生のCBORデータに適用可能に。CBORツール開発者向けに、安全なデータ操作のためのAPI機能も概説しています。

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Applicability of Computing-Aware Traffic Steering to Intelligent Transportation Systems

CATS(Computing-Aware Traffic Steering)をITS(高度道路交通システム)に適用するユースケース文書です。地上車両やドローン向けContext-Aware Navigation Protocol、ソフトウェア定義車両向けEdge-Assisted Cluster-Based MAC Protocol、クラウドベースナビゲーション向けSAINT、ドローンバッテリー充電最適化のCBDNなど、多彩な応用シナリオを記載。エッジコンピューティングとモビリティの融合を具体化する注目の文書です。

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Additional XML Security Uniform Resource Identifiers (URIs)

XML署名、暗号化、正規化、鍵管理で使用するURIを登録するIANAレジストリを更新・修正する文書です。RFC 9231を廃止し、アルゴリズムや情報タイプを識別するためのURIを最新化。XMLセキュリティを利用するシステムにおいて、正確なURI参照を確保するための重要なメンテナンス作業です。

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Service Status Resource Format for Web Services

Webサービスのステータスリソース用標準JSONフォーマットを定義する新規提案です。サービス全体のヘルスインジケータ、重要度分類付きコンポーネントレベルステータス、地理的スコープ識別、構造化インシデントレポートを機械可読形式で提供。ステータス監視ツールとサービスプロバイダ間の相互運用性を実現し、SaaSやクラウドサービスの運用監視を標準化する取り組みです。

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464XLAT Customer-side Translator (CLAT): Node Behavior and Recommendations

IPv6オンリーネットワーク上でIPv4接続を提供する464XLATアーキテクチャにおいて、CLAT(Customer-side Translator)ノードの動作を詳細に規定する文書です。RFC 6877およびRFC 8585を更新し、IPv4-as-a-Serviceをサポートするための推奨事項を提示。ノード開発者向けにCLATの有効化・無効化に関するガイダンスを提供し、IPv6移行期における実装の一貫性を確保します。

Draft Link


The DNS XFR URI Schemes

DNSゾーン転送を参照するためのURIスキームを定義する新規提案です。DNSプロトコルにはゾーン内容をサーバからクライアントへ転送するインバンドメカニズムがあり、セカンダリサーバがプライマリからゾーンを取得する際に頻繁に使用されます。本文書はDNSゾーン転送元サーバを指し示すURIスキームを標準化し、DNS運用の自動化やツール連携を容易にします。

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発行されたRFC

本日発行されたRFCはありませんでした。


編集後記

IPv6ループバックの拡張提案を見て、「ついにこの日が来たか」と感慨深くなりました。コンテナ環境でループバックアドレスの枯渇(というか単一アドレスの制約)に悩まされた経験のある方には朗報ですね。CATSとITSの組み合わせも面白く、ドローンのバッテリー充電をエッジコンピューティングで最適化するというアイデアには未来を感じます。


最後に、GMOコネクトでは研究開発や国際標準化に関する支援や技術検証をはじめ、幅広い支援を行っておりますので、何かありましたらお気軽にお問合せください。

お問合せ: https://gmo-connect.jp/contactus/

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