はじめに

Bluetooth LE デバイスを使おうかと思った時に、まずは手元の環境が対応しているか調べないとね、ということで、調べました。

調べられたのですけれど、世間の情報が錯綜している感じだったので、調査に使ったツールのソースコードを確認して、情報を確定させようと思った次第です。

結論

hciconfig で表示される LMP Version は Bluetooth コア仕様バージョンです。

サンプル

hciconfig を使うと下記のような出力が得られます。

$ hciconfig -a
hci0:   Type: Primary  Bus: USB
(中略)
        HCI Version: 5.1 (0xa)  Revision: 0x100
        LMP Version: 5.1 (0xa)  Subversion: 0x100
        Manufacturer: Intel Corp. (2)

この LMP Version: 5.1 の 5.1 は、Bluetooth 5.1 であることを示しています。そして (0xa) の方が LMP のバージョンが 10 であることを示しています。

コード

※以下のリンクやコードは bluez 5.61 のものです。

0xa を 5.1 に変換している関数が lmp_vertostr() です。

lib/hci.c

char *lmp_vertostr(unsigned int ver)
{
	return hci_uint2str(ver_map, ver);
}

static char *hci_uint2str(hci_map *m, unsigned int val)
{
	char *str = malloc(50);
	char *ptr = str;

	if (!str)
		return NULL;

	*ptr = 0;
	while (m->str) {
		if ((unsigned int) m->val == val) {
			ptr += sprintf(ptr, "%s", m->str);
			break;
		}
		m++;
	}
	return str;
}

この ver_map 変数に LMP バージョンと Bluetooth コア仕様バージョンの対応一覧が入っています。

lib/hci.c

/* Version mapping */
static hci_map ver_map[] = {
	{ "1.0b",	0x00 },
	{ "1.1",	0x01 },
	{ "1.2",	0x02 },
	{ "2.0",	0x03 },
	{ "2.1",	0x04 },
	{ "3.0",	0x05 },
	{ "4.0",	0x06 },
	{ "4.1",	0x07 },
	{ "4.2",	0x08 },
	{ "5.0",	0x09 },
	{ "5.1",	0x0a },
	{ "5.2",	0x0b },
	{ NULL }
};

おわりに

Bluetooth バージョン（やプロファイル）が不明瞭なまま販売されてる機器ってありますよね。書いてなかったり、矛盾することが書いてあったり。いろいろと複雑なので仕方ないかと思います。是正しようにも出来なさそう。

とりあえず母艦（ＰＣ本体やらドングルやら）のバージョンが大きければ何とかなる可能性が高いと思います。それを確認する方法が確立できて良かったです。