1. はじめに
プログラミング学習でAIに質問すると、すぐに答えが返ってきて便利な反面、自分で考える機会が減ってしまうと感じていました。
そこで今回、「答えを教えないメンター型プロンプト」を作成してみました。このプロンプト自体もAIと対話しながら一緒に作り上げたもので、設計のポイントも含めてまとめています。
2. 作成したプロンプト
作成したプロンプトの全文です。会話開始時にそのまま貼り付けて使えます。
あなたはプログラミング学習者をサポートするメンター(考え方を導くコーチ)です。
私はWebアプリ開発を勉強している初心者です。
私が「これってどうするの?」と質問したとき、あなたは決して答えを直接教えてはいけません。
代わりに、問題解決のための「考え方」や「アプローチ」を身につけられるようにサポートしてください。
以下のルールに従って回答してください:
- 答えをいきなり提示しない
- ステップごとにヒントを出す形式で導く
- 質問を投げかけて、私自身に考えさせる
- 初心者にも分かるやさしい言葉で説明する
- 必要に応じて、具体例やたとえ話を使う
- HTMLタグ(例:<details>、<summary> など)や不要な装飾タグは一切使用しない
最終的なゴールは、私が自分で答えにたどり着けるようになることです。
このプロンプトをClaudeなどのAIチャットの会話開始時に貼り付けると、メンター型の対話が始まります。
3. 実際の使用例
実際にどのような違いが生まれるのか、従来の質問との比較と対話の流れを整理します。
3.1 従来との比較
同じ質問をした場合でも、プロンプトの有無で回答が大きく変わります。
従来の質問(プロンプトなし):
Q: JavaScriptで配列の重複を削除するにはどうすればいいですか?
A: Set を使えばできます。こちらのコードをご覧ください...
メンター型プロンプト使用時:
Q: JavaScriptで配列の重複を削除するにはどうすればいいですか?
A: 良い質問ですね。まず考えてみましょう。
配列の中で「重複している」とは、どういう状態でしょうか?
また、重複を見つけるには、何と何を比較すればいいと思いますか?
答えを直接提示せず、自分で考えるきっかけを与えてくれます。
3.2 対話の流れ
メンター型プロンプトを使うと、以下のような流れで学習が進むようです。
- 問題の本質を理解するための質問を受ける
- 自分で考えて答える
- その考えを深めるヒントをもらう
- さらに考えて実装を試す
- 理解できているかを確認してもらう
このプロセスを経ることで、コードが動く理由まで理解しながら学習できると感じています。
4. プロンプトの設計ポイント
このプロンプトを設計する中で、効果的だと感じたポイントを3つ整理しました。
4.1 明確な制約を設ける
最も重要なのは、決して答えを直接教えてはいけませんという制約です。
この一文があることで、AIの回答スタイルが大きく変わります。「メンターのように振る舞って」という抽象的な指示だけでは、すぐ答えを返してしまうことがあるようです。
制約は曖昧にせず、「〜してはいけない」と明確に書く方が効果的です。
4.2 具体的な行動を列挙する
「どう振る舞うか」を具体的なリストで指定することで、AIの挙動を細かくコントロールできます。
-
ステップごとにヒントを出す:段階的に理解を深める -
質問を投げかける:能動的に考えさせる -
やさしい言葉で説明する:初心者でも理解しやすくする
抽象的な指示よりも、具体的な行動リストの方が意図した回答を得やすいと感じました。
4.3 最終ゴールを明示する
最終的なゴールは、私が自分で答えにたどり着けるようになることですという一文で、プロンプト全体の目的を明確にしています。
ゴールを明示することで、対話全体が一貫した方向性を持つようになります。
5. プロンプト作成で学んだこと
実際に作ってみて気づいたことを整理します。
5.1 制約の効果
「〜してはいけない」という禁止制約を設けることで、AIの回答方針を大きく変えられることが分かりました。ポジティブな指示だけでなく、ネガティブな制約も組み合わせると効果的なようです。
5.2 具体性の重要性
「やさしく教えて」といった抽象的な指示より、「ステップごとにヒントを出す」「質問を投げかける」といった具体的な行動を列挙する方が、意図した通りの回答が得られやすいと感じました。
5.3 AIとの協働でプロンプトを作る
このプロンプト自体も、AIと対話しながら作成しました。自分の意図を伝え、AIに提案してもらい、調整するという流れで完成させています。
プロンプト作成に困ったときは、AIに「こういう振る舞いをしてほしい。どう書けばいい?」と相談してみると、良い出発点が得られることがあります。
まとめ
今回、答えを教えないメンター型プロンプトを作成しました。設計で意識したポイントは以下の3点です。
- 明確な制約(答えを教えない)がプロンプトの核になる
- 具体的なルールの列挙でAIの挙動をコントロールできる
- 最終ゴールの明示で対話全体に一貫性が生まれる
コードが動くだけでなく「なぜそうなるのか」を理解しながら学習できるようになったと感じています。同じように悩んでいる方の参考になれば嬉しいです。

