こんにちは、フロントエンドエンジニアのてりーです。
はじめに
エンジニアの副業について書きます。
僕は今、都内の事業会社でフロントエンドのリードをやりながら、副業を4年ほど続けています。
ただ、この記事は「副業で稼げます!」という話ではないです。
月40時間働いて、手取りがバイト以下だった時期の話から始めます。
正直これを書くのはけっこう恥ずかしいんですが、当時の自分がいちばん知りたかったのは成功例ではなく「何をミスると死ぬのか」だったので、そこを中心にまとめます。
書く順番はこうです。
1. 月40時間で手取り3万円だった話(失敗)
2. なんでそうなったのか(原因)
3. エンジニア副業の入口は実質3つしかない
4. そもそもどんな案件があるのか
5. 今の僕が案件を受ける前に必ず見る4つ
6. 週1・土日だけで本当に成立するのか
7. しんどくなる3パターン
8. 手残りの計算式
数字は全部、自分の実績です。ただし案件が特定できる情報は伏せています。
先に結論:単価は「スキル」じゃなくて「棚卸しの解像度」で決まってた
4年やって、いちばん効いた学びがこれです。
当時の僕は「単価が安いのは実力が足りないから」だと思っていました。
でも違いました。
実力は同じでも、面談で自分の経験を解像度高く説明できるかどうかで、提示される単価が変わります。
「Reactが書けます」と言うのと、「30万PV/月のサービスで、描画が重くなっていた一覧画面をReactで作り直して、体感速度のクレームをゼロにしました」と言うのとでは、相手が値付けできる情報量が全然違う。
後者を言えなかった時期の僕が、月40時間で手取りバイト以下でした。
月40時間働いて、手取りがバイト以下だった話
最初に受けた継続案件の話です。
月の稼働はだいたい40時間。平日の夜と土日を溶かして、それくらいでした。
で、手元に残った金額を時間で割ってみたんです。
そしたら、当時の近所のコンビニの時給を下回っていました。
具体的にはこれです。
月の稼働 : 約40時間
月の報酬 : 3万円
時給換算 : 750円
当時のバイト: 時給1,100円くらい
しかも副業なので、ここから税金も引かれます。
数字にして初めて「あ、これ続けたらまずいな」と分かりました。
逆に言うと、数字にするまで気づけませんでした。 忙しいと、月いくら入ったかしか見ないんですよね。
何がしんどかったか
金額そのものより、終わりが見えないことがしんどかったです。
- 仕様が固まっていないので、実装してから「やっぱりこうしたい」が来る
- その差分が「軽微な修正」という扱いになって、稼働にカウントされない
- 平日夜に本業の疲れを抱えてSlackを開くのが、だんだん怖くなる
本業のパフォーマンスも落ちました。
これは副業の一番のリスクだと思っていて、本業の評価を落としたら、副業で稼いだ数万円では全然割に合いません。
なんでそうなったか:面談に「棚卸ししないまま」出ていた
原因はシンプルで、自分のスキルの棚卸しをしないまま面談に出ていたことでした。
面談でこういうやり取りをしていました。
相手「Reactの経験はどれくらいですか?」
僕「業務で2年くらい使ってます」
相手「なるほど。じゃあこのくらいの単価で……」
これ、相手に値付けの材料を渡していないんですよね。
「2年」は期間であって、何ができるかの情報がゼロです。
なので相手は安全側、つまり安い方に倒します。当然です。
今ならこう出る
棚卸しというのは、要するに自分の職務経歴を「相手が値付けできる粒度」まで割ることでした。
僕がやったのは、過去の業務を全部この3列で書き出す作業です。
何を | どういう制約の中で | 結果どうなったか
例えばこんな感じです。
何を : 商品一覧画面のリプレイス(jQuery → React + TypeScript)
制約 : 既存APIは変更不可・リリース期限3週間・QAは2人
結果どうなったか: 初期表示 4.2秒 → 0.6秒。「重い」の問い合わせが月12件 → 0件
3列目まで書けている経験は、面談でそのまま出せます。
書けていない経験は、やってはいるけど値段がつかない経験です。
僕はこれをやってから単価が変わりました。スキルは1ミリも増えていないのにです。
面談で実際に聞かれたこと
棚卸しの話に戻ると、僕が副業の面談で実際に聞かれたのはこのあたりでした。
・直近で担当した機能を1つ、設計から話してもらえますか
・その技術選定をした理由は何ですか
・チームは何人で、自分はどのポジションでしたか
・レビューはする側ですか、される側ですか
・週にどれくらい稼働できますか
見ると分かるんですが、「何ができるか」より「どう判断したか」を聞かれています。
なので棚卸しも、使った技術の一覧を作るより、判断した場面を思い出す方が効きます。
技術の一覧は職務経歴書に書けば済む話で、面談ではその裏の理由を聞かれます。
エンジニア副業の入口は、実質3つしかない
入口の話をします。
いろいろあるように見えるんですが、僕が4年やってみた実感としては実質3つです。
① クラウドソーシング
ランサーズ・クラウドワークスあたりですね。
僕は最初ここから入りました。
メリットは、実績ゼロでも始められること。 これは本当に大きいです。
デメリットは、単価が構造的に上がりにくいこと。
理由は、応募者が多くて価格競争になるからです。あと手数料も引かれます。
⚠️ 最初の1件の「実績づくり」としては有効だけど、ここに1年いると単価の感覚が壊れます。
僕は壊れかけました。
② エージェント
レバテックフリーランスとか、そういう副業・フリーランス向けのエージェントです。
メリットは、単価交渉を代わりにやってくれること。 あと、そもそも案件の単価帯が違います。
僕がいま継続している案件はここ経由で、月40時間前後・時給換算5,000円くらいです。
さっきの案件と、稼働時間はまったく同じです。
月3万円(時給750円)→ 月20万円(時給5,000円)。
同じ40時間で、6倍以上変わりました。変えたのはスキルではなく、入口と棚卸しだけです。
デメリットは、ある程度の実務経験がないと案件を紹介してもらえないこと。
目安として実務2〜3年くらいは要ると思います。ここは正直、入れる人と入れない人が分かれます。
エージェントは実際に使ってみないと温度感が分からない部分が多いので、僕が3年使った上での正直なところ(手数料・断られた話も含めて)は別で書きました。
③ 知人・リファラル
前職の同僚とか、勉強会で知り合った人からの直接の依頼です。
メリットは、手数料がゼロなので単価がいちばん高くなること。 あと信頼関係があるので仕様がブレにくいです。
デメリットは、コントロールできないこと。 来るときは来るし、来ないときは何ヶ月も来ません。
これを主軸にはできないです。あくまで来たら嬉しいやつ、
結局どう選ぶか
僕の中ではこういう整理になりました。
| 状況 | 入口 |
|---|---|
| 実務経験1年未満・実績ゼロ | ① クラウドソーシングで1〜2件だけ実績を作る |
| 実務経験2〜3年以上 | ② エージェント一択。①に留まる理由がない |
| いつでも | ③ 来たら受ける。ただし当てにしない |
①に長居しないこと。これだけは強く言いたいです。
そもそもどんな案件があるのか
「エンジニア副業」で検索すると、どこで探すかの話ばかり出てくるんですが、中身の種類の話があまりないので書いておきます。
僕が実際に見た範囲だと、だいたいこの5つでした。
1. 機能開発(いちばん多い)
既存プロダクトに機能を足していくやつです。副業案件の体感8割はこれ。
週10〜20時間くらいの想定が多くて、稼働の読みやすさは中くらい。
2. 受託のフロント実装
デザインカンプからのコーディングや、LP制作など。
単価は低めですが、終わりが明確です。 本業が忙しい時期に入れるならこっち。
3. 技術顧問・アドバイザー
週1の定例に出て設計や技術選定に意見する形。
時間あたりの単価はいちばん高いです。 ただし実績がないと絶対に来ません。
4. コードレビューのみ
PRのレビューだけを請け負う形。最近ちらほら見ます。
スキマ時間でできるので副業との相性は良いんですが、案件数がまだ少ないです。
5. 技術記事の執筆
企業のテックブログやメディアの記事を書くやつ。
これだけは僕はやったことがないです。 案内が来たことはあるんですが、受けていません。
理由は、書く時間が読めないからです。実装と違って「あと2時間で終わる」の見積もりが自分の中で全然立たなくて、副業として組み込む自信がありませんでした。
初心者が最初に狙うなら
2(受託のフロント実装)です。
理由は、終わりが明確でスコープが閉じているから。
1(機能開発)は継続前提なので、最初の案件でスコープ管理に失敗すると、僕みたいに月40時間を溶かします。
📝 案件の種類ごとの探し方をもう少し細かく書いたのがこちら → 【2026年版】フロントエンドエンジニアの副業完全ガイド|フルリモート・土日だけでもOK!
案件を受ける前に、今の僕が必ず見る4つ
失敗してから増えたチェック項目です。
1. 単価が「月額固定」か「時間単価」か
これがいちばん大事です。
月額固定だと、稼働が膨らんだときに単価が勝手に下がります。
さっきの「月40時間で手取りバイト以下」は、まさにこれでした。仕様が膨らんでも金額は固定だったので。
時間単価なら、膨らんだ分は請求できます。
月額固定を受けるなら、「何時間までが範囲か」を契約前に必ず握る。
ここを曖昧にしたまま始めると、100%こちらが損をします。
2. コードを書く時間の比率
意外と見落とすやつです。
副業だと打ち合わせ・仕様調整・Slackの返信が発生しますが、これが稼働時間にカウントされない契約が普通にあります。
週1の定例が1時間あるとして、月4時間。40時間のうち4時間が無償なら、実質10%の値引きです。
僕は面談で「MTGは稼働に含まれますか?」を必ず聞くようになりました。
3. レビューが返ってくる速度
技術的な話に見えて、実はいちばん時間を溶かすポイントです。
PRを出してから3日返ってこない現場だと、待っている間に文脈が飛びます。
再度コードを読み直すコストが毎回発生して、これが地味にきつい。
面談で「PRのレビューはだいたいどれくらいで返ってきますか?」と聞くと、現場の温度がけっこう分かります。
4. 本業の就業規則
これは案件側ではなく自分側ですが、最初にやるべきはここです。
- そもそも副業可か
- 申請が要るか
- 競業避止の範囲はどこまでか
ここを確認せずに始めるのは、技術的負債どころか普通にリスクです。
週1・土日だけで本当に成立するのか
よく聞かれるやつです。
結論から言うと、土日だけなら成立します。ただし「週1」だと厳しいです。
僕の実測がこれです。
稼働 : 土日メイン(1日8〜10時間)+ 平日夜に少し
月合計 : 40時間前後
収入 : 月10〜20万(案件による)
「週1」が厳しい理由
週1(=月に4〜5日)だと、月の稼働が16〜20時間くらいになります。
この稼働量だと、そもそも紹介される案件の数が激減します。
発注側からすると、週1の人に任せられるタスクの粒度が小さくなりすぎるんですよね。
なので現実的なラインは土日フル or 平日夜+土日で月40時間前後です。
📝 この稼働設計だけを掘り下げた記事もあります → エンジニア副業は週1・土日だけで成立する?月40時間で回してわかった現実的な稼働設計
体力の話
正直に書いておくと、土日を8〜10時間溶かすのはけっこうしんどいです。
平日フルタイム + 土日副業だと、休みが実質ゼロになります。
僕は途中から、月1回は完全に何もしない週末を作るようにしました。これをやらないと続かないです、、
エンジニア副業がしんどくなる3パターン
続かなくなるときって、だいたい型があります。僕が実際に踏んだやつと、周りで見たやつです。
パターン1: スコープが閉じないやつ
いちばん多いです。僕の最初の案件がこれでした。
「軽微な修正」「ちょっとだけ直して」が積み上がって、気づくと最初の見積もりの倍の時間を使っています。
対処法は、最初の1回で線を引くことです。
「この修正は当初の範囲外なので、追加で〇時間かかります」と1回言えるかどうかで、その後の3ヶ月が変わります。
僕はこれが言えなくて詰みました。言っていいです、本当に。
パターン2: 本業が繁忙期に入るやつ
副業は自分でコントロールできますが、本業の繁忙期はコントロールできません。
ここが重なると死にます。
対処法は、契約時に「月◯時間まで」の上限を握っておくこと。上限があると、繁忙期に稼働を落とす交渉がしやすくなります。
上限なしで受けていると、減らす交渉が「サボり」みたいな空気になるんですよね、、
パターン3: 誰にも相談できないやつ
これは地味にきついです。
副業の悩みって、本業の同僚には話しにくいし、家族に話しても技術の文脈が通じない。
僕は副業を始めて半年くらいで、平日夜にSlackを開くのが怖くなった時期がありました。
技術的な問題ではなく、ひとりで抱えていることが原因でした。
対処法としては、同じように副業している人と繋がっておくくらいしかないんですが、これがあるとだいぶ違います。
手残りは「単価 × 稼働 × 継続」の掛け算
最後に、お金の見方の話を書きます。
副業を始めたころの僕は、月の合計金額だけを見ていました。
これがよくなかった。合計だけ見ていると、どこを改善すればいいのか永遠に分からないんです。
手残りはこの掛け算で決まります。
手残り = 時間単価 × 稼働時間 × 継続月数 − 税金
分けて見ると、打ち手が変わります。
| 落ちているところ | やること |
|---|---|
| 時間単価 | 棚卸しをやり直す。エージェントを変える |
| 稼働時間 | 案件を増やす。ただし本業とのバランス注意 |
| 継続月数 | ここがいちばん見落とされる。後述 |
継続月数がいちばん効く
単価を1.2倍にするのは大変ですが、3ヶ月で終わっていた案件を12ヶ月続けると、それだけで4倍になります。
しかも継続案件は文脈が溜まっているので、同じ時間で出せる価値が上がっていきます。
なので今の僕は、単価が多少低くても長く続けられそうな現場を選ぶようになりました。
税金の話も少しだけ
副業の所得が年20万を超えると確定申告が要ります。
で、ここは正直に書くと、僕は最初「めちゃくちゃ面倒なやつ」だと思って後回しにしていて、年度末に慌ててやった経験があります
昔のイメージが強かったんですよね。区役所や税務署まで行って、紙に書いて、列に並んで、みたいな。実際そうだった時期もあります。
今はfreeeで完結します。 というか、freee以外の選択肢を考える必要がないくらいです。
やることは経費のレシートを最初から取っておく、これだけでかなり違います。
僕は最初の年、これをサボって領収書を探し回る羽目になりました。
AIが入って、副業で何が変わったか
ここ1年で明確に変わった部分なので書いておきます。
ただ、「AIで副業が楽になります!」みたいな話ではないです。実際に変わったのはもっと地味なところでした。
変わったこと: 実装以外の時間が減った
副業でいちばん時間を食うのは、実は実装じゃないです。
- 知らないコードベースを読む時間
- 使ったことのないライブラリの調べもの
- エラーの原因を特定する時間
このあたりがごっそり減りました。
副業はコンテキストの持ち出しができない(本業と違って、毎回ゼロから他人のコードを読む)ので、ここが効くんですよね。
変わっていないこと: 単価
正直に書くと、AIが使えるからといって単価は上がっていません。
発注側から見れば「早く終わる」だけで、それは単価ではなく稼働時間に反映されます。
時間単価の契約だと、むしろ早く終わるほど請求額が減るという逆転すら起きます。
なので今こう考えている
AIで浮いた時間は、単価交渉の材料ではなく、受けられる案件の幅を広げる方に使うのが筋だと思っています。
前は「触ったことない技術スタックだから」と断っていた案件を、今は受けられるようになりました。
これは単価そのものより効いています。
4年やって、今思うこと
副業を始めたときの動機は「収入を増やしたい」でした。
4年経って、いちばん効いたのは実はそこじゃなかったです。
本業とは違う現場を見たことで、本業での判断が変わりました。
- 自分の会社のやり方が「普通」じゃないと分かる
- 別の技術選定の理由を、当事者として聞ける
- レビューの文化が現場によって全然違うと知る
これは本を読んでも得られなかった種類の情報でした。
今リードをやっていて、設計やレビューで判断に迷ったときに、副業で見た他社の事例が普通に効いています。
なので、お金以外のリターンもちゃんとあるというのは書いておきたいです。
ただし、途中で書いたとおり、やり方を間違えると本業ごと沈みます。順番が大事です。
まとめ
長くなったので、最後に短く。
- 単価は実力じゃなく、棚卸しの解像度で決まる。 「何を・どういう制約で・結果どうなったか」の3列で書けない経験は値段がつかない
- 入口は実質3つ。 実務2〜3年あるならエージェント一択。クラウドソーシングに長居しない
- 契約前に4つ見る。 月額固定か時間単価か/MTGは稼働に入るか/レビューの速度/本業の就業規則
- 週1は厳しい。土日フルで月40時間が現実ライン
- 手残りは単価×稼働×継続。いちばん効くのは継続月数
最初の案件で手取りバイト以下だった僕でも、4年続けたらそれなりに形になりました。
なので、今しんどい人にも「やり方の問題かもしれないですよ」と言いたいです。
参考になれば幸いです!
もう少し細かく書いたもの
この記事に入りきらなかった話は、それぞれ別で書いています。
- 【2026年版】エンジニア副業の始め方|現役エンジニアが月30万稼ぐまでの3ステップ — 始め方の手順を最初から順番に
- 【2026年版】フロントエンドエンジニアの副業完全ガイド|フルリモート・土日だけでもOK! — 入口別の探し方と、フロント案件の実態
- レバテックフリーランスの評判・口コミ【2026年最新】実体験で徹底解説 — エージェントの中身。手数料の話も
質問があればコメントください。答えられる範囲で書きます。


