株式会社オズビジョンのユッコ (@terra_yucco) です。
一社目はともかく、二社目で自社サービスの開発・運用エンジニアになった身として、思った以上に使うなって思っているツールは断トツで Excel & Google Spreadsheet です。
ただ、プレゼン資料を作ったり、複雑な集計・分析を必要としない運用業務においても「最低限これは必要だろう」というレベルで道具として使えていないエンジニアが多いので、独断と偏見で、これだけ覚えておけばいいだろうっていう関数を列挙しました。何かの参考になれば!
※だいたいどれも Excel, Google Spreadsheet 両方で使えると思いますが、片方でしか使えないものもあるかと思います。
データ処理系
if
- 条件に合うものを抜き出すときのお約束
- e.g.)
=if(条件, trueの場合の処理, falseの場合の処理)
and, or
- 上記の
if
を利用するときに、複数の条件を使うときのお供 - e.g.1)
=if(and(条件A,条件B), 条件Aも条件Bも両方trueの場合の処理, どちらかもしくは両方がfalseの場合の処理)
- e.g.2)
=if(or(条件A,条件B), 条件Aと条件Bいずれかもしくは両方trueの場合の処理, 両方がfalseの場合の処理)
count, counta, countif
- データ件数を数える関数。何かが入っていたら数えたり、条件に合致するものだけ数えたりできる
- e.g.1)
=count(A:A)
- A列で値が入力されているセルの数
- e.g.2)
=countif(A:A, ">=20")
- A列で20以上の値が入力されているセルの数
sum, sumif
- データ内容を合計する関数。条件に合致するものの合計を取ったりできる、ここからさらに割合出したりとかにも使う
- e.g.1 )
=sum(A:A)
- A列の値合計を表示
- e.g.2)
=sumif(A:A, ">=20", B:B)
- A列が20以上のものについて、対応する(同じ行数の)のB列の値を合計して表示
vlookup
- 別シートからデータを引っ張ってくるのに利用
- これだけは絶対形式も覚えてしまうべき、さっと使えるかどうかでかなり効率違う
- e.g.)
=vlookup(A1, B:D, 3, false)
- B列からA1と同じ値を持つセルを探し、対応するD列の値を表示
- 値が見つからない場合は
#N/A
などのエラー値になる
- ちなみに姉妹関数の
hlookup
は、通信系組み込み6年+LAMP Web系6年、で学習以外で利用したことがありません
isna
- vlookup と isna の組み合わせはよく使う、検索して見つからなかった場合などという形で if と組み合わせる
- e.g)
=if(isna(vlookup(A1, B:D, 3, false)), "NOT FOUND", vlookup(A1, B:D, 3, false))
- B列からA1と同じ値を持つセルを探し、対応するD列の値を表示
- 値が見つからない場合は "NOT FOUND" と表示
unique
- Google Spreadsheet 限定かも
- 重複データを除いて、それぞれの件数・合計値を取得したい場合などに使う
- e.g.)
=unique(A:A)
- A列の値をユニークにして出力
right, left, mid
- 文字列の切り出し
- e.g.)
=right(A1,5)
- A1セルの最後5文字を表示する
見た目を整える系
trunc
- 結果を小数点以下切り捨てる
- e.g.)
=trunc(A1)
- A1セルの値を小数点以下で切り捨てて表示
text
- 日付のフォーマット整えてラベル付けするときなどに
- e.g.)
=text(A1,"YYYYmm")
- A1セルに入っている日付を
YYYYmm
形式で表示する、A1に2020/09/30
が入ってたら202009
- A1セルに入っている日付を
番外 (知っておいてほしい細かいこと)
&
文字列結合
セルの値同士を結合したり、vlookup のためにユニークなキーを複数カラムの組み合わせで作ったりするときによく使う。
セルの相対参照と絶対参照
これを理解しないと、コピペで数式がずれたり、使いまわせるものが使いまわせなくなったりすることも。
A1
, $A1
, A$1
, $A$1
はそれぞれ違う。
セルの書式
日付が変な数字になる!などの大半はこれ。
桁数の大きい数字に E が入って壊れてる!なども大半これ。
まとめ
運用業務でよく使うなと感じた Excel & Google Spreadsheet の関数を列挙しました。
※勿論他にも便利な関数はたくさんありますし、知っていれば知っているほど選択肢が広がることは否定しません。
ですが、多分これだけ覚えておけば、入社してすぐに渡された CSV からでも、(定義さえわかれば) 条件に合わせた抽出がサッと出来るかと思います('ω')
エンジニアにとって Excel & Google Spreadsheet はツールなので、よく使う関数あたりはサッと覚えてしまって楽しましょう!