こんばんは!ひろです。
■はじめに
国産キクラゲの自給率をご存知でしょうか。実は国内流通量の約9割が海外からの輸入に頼っていると言われています。
「あれ? これ自宅で育てられたら、ちょっとした副業や自給自足の足がかりになるのでは……?」
そんな安直なひらめきから、早速市販のキクラゲ栽培キットを購入して自宅栽培をスタートしてみました。
しかし、説明書を読んで絶望します。
「1日3回(朝・昼・晩)、霧吹きでたっぷり水をあげてください」
平日の昼間は家に居ない会社員には物理的に無理です。

【南米Amazonから購入した栽培キット『もりのきくらげ農園』】つまり国産
とはいえ市販の自動水やりタイマーを買うと5,000円前後は平気でする。
そうなると。
「エンジニアは黙って、自作!!」と思い立ち、自動水やり機の自作プロジェクトを立ち上げました。
今回はそのプロトタイプ作成と、思わぬところで沼にハマった記録です。
■構想と要件定義
シンプルに以下のような構成を目指しました。
・マイコン制御: ArduinoやRaspberry Pi等の手頃なマイコン
・動力: 小型ウォーターポンプ(DC駆動 / USB 5V電源あたりを想定)
・水やりインターバル: タイマー処理で1〜2時間に1回、数秒〜数十秒ほど噴霧
・先端部: 水滴を菌床全体に行き渡らせるためのスプレーノズル(霧吹き)
■パーツ調達と通電確認
まずはAmazonで小型のウォーターポンプや配管チューブなどを手配。

【届いたパーツ】とにかく安くて、レビューの良いもの
届いた小型ポンプに電源を仮配線し、まずはモーターがしっかり回転するかテストします。

【電源ケーブル】その辺の不要なUSBケーブルをぶった切る。

【接続】とりあえず全部つないでみる。小学校の理科で、モーターで動く車とか作ったよね
無事に動作確認完了。ここまでは順調でした。

【ポンプ稼働】動画を見せられないのが残念。
■スプレーノズルの壁とAIによる3Dモデリング
問題は先端のノズルです。ただ水を押し出すだけだと「ピュッ」と水鉄砲のように直線で出てしまい、キクラゲ全体を湿らせるような「霧状(ミスト)」になりません。
少し調べてみると、水を霧状にするには単なる穴だけでなく、内部で水流を渦巻かせる機構(スワール室・旋回流)が必要とのこと。
「せっかくなら先端ノズルも3Dプリンターで自作してみよう」と思い、AIに相談してみました。
AIにPythonスクリプトを出力させてFusion 360へ
プロンプトで旋回ノズルの構造を指定したところ、Fusion 360上で実行できるモデリング用Pythonスクリプトをサクッと出力してくれました。

【AI(Gemini Pro)に指示】最近のAIは凄いですね。数か月前までは、〇、△くらいしかモデリング出来なかったのに!
Fusion 360の「スクリプトとアドイン」にAIが書いたPythonコードを貼り付けて実行

【Fusion360にPythonコードを貼り付け】

【立ち上がったVSCODEに貼り付け】そうえいばインストールしていた。
スワール構造?を持ったノズルの3Dモデルが自動生成された。らしい。
できたSTLデータをスライサーへ送る

【バンブーラボ A1】
「AIの進化すごいな……」と感心しながら、スライサー(Bambu Studio)を経由して3Dプリンターへプリント指示を送りました。
■3Dプリントの洗礼(失敗)
出力開始後、順調に進んでいるかと思いきや……造形途中でノズル先端付近の細い部分がベッドから剥がれて吹き飛び、いわゆる「首チョンパ」状態で大失敗しました。

【順調に見えた前半】

【怪しい糸を引き始めた中盤】

【吹っ飛んで、空中で動くノズル】
微細な流路構造や細いノズル形状は、サポート材の付け方や積層ピッチの調整がかなりシビアでした。
ここで時間を溶かすのも本末転倒なので、Amazonで既製品のスプレーノズル先っぽをポチりました。
ちなみに、スプレーのホースを固定するパーツは無事に完成しました。

【実際に出来上がった物】チューブが、意外と曲げるとすぐ潰れてしまうので、こんな形になりました。
■次回予告
ノズルは既製品に頼ることにしましたが、肝心の自動化システムはここからが本番です。
次回はArduinoを使った回路設計・MOSFETやリレーによるポンプのスイッチング制御、そしてタイマーによる自動散水の実装へと進みます。
キクラゲは無事に育つのか、それとも水浸しになるのか。次回をお楽しみに。


