共通フレームワーク2007(Common Frame 2007)
はじめに
2025年10月のプロジェクトマネージャ試験受験を終え、2026年春の情報処理安全確保支援士に向けて勉強中です。
本記事を含めた各知識のインデックスや学習の道のりについては、「情報処理安全確保支援士への道のり(随時更新中)」をご参照ください。
本記事は学習した内容を記載しています。
該当問題
情報セキュリティスペシャリスト平成23年特別 午前Ⅱ 問23
共通フレーム2007
定義
ソフトウェア開発及び情報システム構築における業務内容/工程/成果物を共通の枠組みで整理/定義したガイドラインです。
策定主体:経済産業省
公表年 :2007年
正式名称:共通フレーム2007(ソフトウェアライフサイクルプロセス)
制定の背景
従来のシステム開発では、下記のような課題がありました。
- 発注者と受注者で工程認識が異なる
- 「どこまでが誰の責任か」が曖昧
- 契約トラブル・品質問題が多発
→ 共通フレーム2007は、発注者/受注者間が共通言語で議論できる土台を提供するために策定されました。
目的
主な目的は以下の通りです。
- 業務範囲/責任分担の明確化
- 工程/成果物の共通認識形成
- 契約/見積もり/進捗管理の透明化
- 品質向上とトラブル防止
対象範囲
対象となるライフサイクル
共通フレーム2007は、情報システムの企画から廃棄までの全ライフサイクルを対象とします。
企画
↓
要件定義
↓
設計
↓
開発
↓
テスト
↓
運用・保守
↓
廃棄
構成
プロセスの大分類
共通フレーム2007では、プロセスを以下のように体系化している。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 企画プロセス | システム化構想・計画 |
| 要件定義プロセス | 業務要件・システム要件 |
| 開発プロセス | 設計・実装・テスト |
| 運用・保守プロセス | 運用管理・変更管理 |
| 支援プロセス | 品質管理・構成管理 |
| 組織的プロセス | 人材育成・改善活動 |
特徴的なポイント
- 発注者側の作業も明示
- 成果物が工程ごとに整理
- 責任主体が分かりやすい
共通フレーム2007斗他標準との関係
ISO/IEC 12207との関係
ISO/IEC 12207:ソフトウェアライフサイクルプロセスの国際規格
共通フレーム2007:ISO/IEC 12207を日本向けに実務適用しやすく整理したもの
PMBOKとの違い
| 観点 | 共通フレーム2007 | PMBOK |
|---|---|---|
| 主眼 | 業務・工程・成果物 | プロジェクト管理 |
| 対象 | システム開発全体 | マネジメント |
| 利用者 | 発注者+受注者 | 主に管理者 |
共通フレーム:何を作るか
PMBOK:どう管理するか
関連知識
ITILとの関係
ITIL:運用/サービス管理中心
共通フレーム:企画~開発~運用の全体像
共通フレーム2013
共通フレーム2007に「クラウド」「サービス提供」「運用重視」へ拡張しています。
共通フレームのバージョン遷移
| 年 | 名称 | 位置づけ |
|---|---|---|
| 2007年 | 共通フレーム2007 | 初の本格的共通フレーム |
| 2013年 | 共通フレーム2013 | 現行最新版 |
| 2018年 | 共通フレーム2013(改訂) | 内容整理・補足(※名称は2013のまま) |
共通フレーム2007の限界
共通フレーム2007は優れた枠組みでしたが、以下の課題がありました。
- ウォーターフォール前提の色が強い
- クラウド/外部サービス利用を想定していない
- 「開発中心」で「運用・サービス提供」が弱い
共通フレーム2013での進化点
共通フレーム2013では、次の点が大きく拡張されています。
- 「サービス提供」を明確に位置付け
- システムを作るだけではなく、「提供し続ける」ことを前提
- ITサービスマネジメント(ITIL)との親和性向上
- クラウド/アウトソーシング対応
- SaaS/PaaS/IaaS利用を前提
- 外部事業者(委託先)管理を明確化
- 契約/SLA/責任分界を重視
- アジャイル/反復型開発も許容
- 特定の開発モデルを固定しない
- ウォーターフォール/アジャイル両対応
共通フレーム2013の対象範囲
共通フレーム2007と同様に、ライフサイクル全体を対象としています。
ただし、「運用/サービス提供の比重同大」と「継続的改善」が明確に定義されています。
ITIL / ISO/IEC 20000 との関係
| 規格 | 主眼 |
|---|---|
| 共通フレーム2013 | 企画〜運用までの全体枠組み |
| ITIL | サービス運用・改善 |
| ISO/IEC 20000 | サービスマネジメント要求事項 |
→ 共通フレーム2013は上位の全体設計図です。