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【オンボーディング設計】サインアップしたのにログインできない、を撲滅する — B2B SaaS「最初の5分」で1人も迷わせない導線の作り方

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この記事は約 9 分で読めます。

筆者プロフィール: ソフトウェアエンジニア。「知った気にならない。いつまでも学び続ける」を信条に、業務と個人開発の両輪で技術を磨いています。AI 駆動開発で複数の個人開発アプリを構築・運用中。
👉 ポートフォリオ: 筆者ホームページ

「サインアップは成功したのに、初回ログインで離脱される」——これ、B2B SaaS でいちばん静かに、いちばん多く起きている事故です。

機能を作り込むほど、私たちは「使い始めるまで」の数分間を軽視しがちです。でも、ユーザーが最初につまずくのは高度な機能ではなく、「組織 ID って何?」「メールが届かない」「リカバリーコードってどこ?」 といった、ごく入口の部分です。

本記事では、運用中の SaaS 「たすきば Knowledge Relay」 の実際のオンボーディング画面を題材に、サインアップ → パスワード設定 → 初回ログイン までを「1 人も迷わせない」ために行った設計判断を整理します。後半は、そのまま 最初の管理者向けの操作ガイド としても読めるように、実画面のスクリーンショット付きで手順を載せています。

サービスの機能紹介・画面イメージ・コンセプトは公式プロダクトページをご覧ください。
👉 たすきば Knowledge Relay — はじめての方向けページ


オンボーディング離脱が起きる 5 つのポイントと、設計判断

最初に「設計の勘所」を表でまとめます。手順だけ知りたい方は次章へ飛んでください。

離脱ポイント 何が起きるか たすきばの設計判断
組織 ID の入力 「組織 ID を決めてください」と言われても、ユーザーは何を入れていいか分からず止まる ユーザーには決めさせない。 サインアップ後にシステムが自動採番し、案内メールで通知
確認メールが届かない 受信トレイに無い=不達と誤解して離脱 成功画面に「届かないときのチェックリスト」を常設 + 60 秒に 1 回まで再送可能
設定リンクの期限切れ 翌日に作業を再開したらリンクが死んでいる 有効期限を 24 時間に設定し、画面と本文で明示。再送導線も用意
パスワード忘れ 問い合わせが殺到し、復旧フローが属人化 使い捨てリカバリーコード 10 個を発行し、ユーザー自身でパスワード再設定可能に
再ログイン時の組織 ID 再入力 毎回「あの数字なんだっけ」となり再離脱 成功した組織 ID を端末に記憶(最大 5 件 / 90 日)。共用端末向けにクリア導線も

ポイントは一貫して 「ユーザーに自由入力で考えさせる箇所を減らし、システムが決める/覚える」 こと。以下、実画面とともに見ていきます。


全体の流れ (3 ステップ)

最初のログインまでは、3 つのステップで完了します。所要時間はメール待ちを含めて 5〜10 分 です。

ステップ 何をする? 目安時間
① サインアップ 組織名・お名前・プランを入力(Expert / Pro は請求先も) 約 3〜5 分
② パスワードを決める 届いたメールのリンクからパスワード設定 + リカバリーコード保存 約 2 分
③ ログインする 組織 ID + メールアドレス + パスワード でログイン すぐ

先に押さえておきたい 3 つの言葉

後の手順で何度も出てくる用語です。ここで概念だけつかんでおくと、つまずきが激減します。

言葉 どういうもの? どこで使う?
組織 ID 組織を見分ける数字の ID(例: 100001)。サインアップ後にシステムが自動採番し、案内メールで通知します。 ログインのたびに毎回入力。社員証番号のようなものです。
パスワード あなた専用の合言葉。 ログインのたびに毎回入力します。
リカバリーコード パスワードを忘れたとき使う、10 個の使い捨ての合言葉 パスワード再設定で使用。1 つ使うと消えます。

組織 ID はシステムが自動で割り当てます。 後から変更できないため、案内メールは大切に保存してください。


ステップ ① サインアップ

1. たすきばの入り口(ログイン画面)にアクセス

スクリーンショット 2026-06-12 195151.png

まずはたすきばの入り口(ログイン画面)にアクセスしてください。

2. ログイン画面の下にある「サインアップ」をクリック

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ログイン画面の下のほうに 「新規組織でご利用ですか? サインアップ」 という案内があります。これをクリックすると、サインアップ画面に切り替わります。

設計メモ: 「新規」と「既存ログイン」を 1 画面に同居させ、迷いを 1 クリックに収束させています。入口を分散させないことが離脱率に効きます。

3. 「組織(テナント)」のところを入力する

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最初に、組織の情報を入れます。

  • 表示用のテナント名: 画面に表示される組織の名前です。「株式会社サンプル」「企画部」など、社内で呼びやすい名前で構いません。

組織 ID はここでは入力しません。 サインアップ完了後にシステムが自動で割り当て、案内メールでお知らせします。ユーザーに ID を考えさせない——これが最初の離脱を防ぐ最大のポイントです。

4. 「最初の管理者(あなた)」のところを入力する

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  • 氏名: 最初の管理者となる方(=あなた)のお名前です。
  • メールアドレス: ここに次のステップで使う 案内メール が届きます。ログイン時にも使うので、普段からチェックしているアドレス を使ってください。

5. 「プラン」を選ぶ

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  • Beginner(無料・90 日間お試し): まず試したい方向け。請求先情報の入力は不要です。
  • Expert: 本格運用に入る個人・チーム向け。次のステップで請求先の入力が必要です。
  • Pro: 判断の質を最重視する方向け。同じく請求先の入力が必要です。

6. 「請求先」を入力する(Expert / Pro プランの場合のみ)

image.png

Beginner プランを選んだ方はこのステップをスキップできます。 請求先の入力欄は表示されません。次の「7. 利用規約…」へお進みください。

Expert または Pro プランを選んだ場合は、請求書の送付先情報を入力します。

  • 請求種別: 「法人」または「個人」を選びます。
  • 会社名(法人の場合のみ、必須): 会社名または法人名を入れます。
  • 請求担当者名: 請求書の宛先となる方のお名前です(あなたご自身でも構いません)。
  • 請求先メール: 請求書や領収書をお送りするメールアドレスです。
  • 住所: 郵便番号、都道府県、市区町村、番地(いずれも必須)。建物名は任意です。
  • 電話番号: 入れなくても構いません(任意)。

サインアップ直後に引き落としが発生するわけではありません。請求書の発行は月末締めで翌月となります。まずは安心してご入力ください。

7. 利用規約とプライバシーポリシーに同意する

image.png

フォーム最下部に、利用規約とプライバシーポリシーへの同意チェックボックスが 2 つあります。両方にチェックを入れてください。内容は たすきばのご紹介ページ の同セクションで確認できます。

8. 「サインアップ」ボタンを押す

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すべての必須項目を入力したら、画面下部の 「サインアップ」 ボタンを押します。

スクリーンショット 2026-06-16 181353.png
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成功すると 「招待メールを送信しました」 という画面に切り替わります。この画面には送信先や「メールが届かないときのチェックリスト」も表示されます。メールは「noreply@tasukiba.com」から送付されます。

設計メモ: 「メールを送りました」で終わらせず、届かないときの自己解決導線をその場に置く。これだけで「不達=離脱」を大幅に減らせます。

もしメールが届かない場合

  1. 迷惑メール / 受信トレイ以外のフォルダ を確認。最も多いのが迷惑メールフォルダへの振り分けです。
  2. 1〜2 分待ってから受信箱を更新。メールサーバの都合で遅れて届くこともあります。
  3. 法人メールの場合、社内の受信ルールでブロックされている可能性があります。情シス担当の方に確認を。
  4. それでも届かなければ、成功画面の 「メールを再送する」ボタン を押してください(60 秒に 1 回まで)。
  5. 上記すべて実施後も確認できない場合は、お問い合わせより「たすきばに関するお問い合わせ」を選択して運営にご連絡ください。

ステップ ② パスワードを決めて、リカバリーコードを保存する

1. 届いたメールを開く

スクリーンショット 2026-06-12 194947.png

ステップ ① で入力したメールアドレス宛に、件名 「たすきば - アカウントの設定」 のメールが届きます。

このメールには、【重要】組織 ID が書かれています。以降ログインのたびに毎回この組織 ID が必要になります。このメールは絶対に削除せず、大切に保存してください。 スター(★)を付けたり専用フォルダに移すと、後で見つけやすくなります。

2. 「パスワードを設定する」リンクをクリック

メール本文の 「パスワードを設定する」 リンク(または URL)をクリックします。

このリンクには有効期限があります(24 時間)。 1 日を過ぎた場合は、成功画面の「メールを再送する」ボタンを使うか、もう一度サインアップをやり直してください。

3. パスワードを決める

スクリーンショット 2026-06-12 195040.png

リンクを開くと、パスワードを 2 回入力する画面が表示されます。確認のため同じパスワードを 2 回入力し、「設定」 ボタンを押してください。

パスワードのルール:

  • 12 文字以上
  • 次の 4 種類のうち 3 種類以上 を含めること
    1. 英大文字(A〜Z)
    2. 英小文字(a〜z)
    3. 数字(0〜9)
    4. 記号(!、#、@ など)

4. リカバリーコード(10 個)を必ず保存する

「設定」ボタンを押すと、画面に リカバリーコードが 10 個 表示されます。これは このとき一度だけ 表示されるもので、画面を閉じると二度と見られません。

⚠️ 大切なお願い
リカバリーコードは、パスワードを忘れたときの命綱 です。必ず保存してください。

10 個すべて保存し終わったら、画面の 「ログイン画面へ」 ボタンを押します。

設計メモ: 「パスワードを忘れた」を全部サポート対応にすると運用が破綻します。使い捨てコードでユーザー自身がセルフ復旧できる設計にしておくと、問い合わせと属人化を同時に減らせます。


ステップ ③ いよいよ初回ログイン

1. ログイン画面を開く

スクリーンショット 2026-06-12 195151.png

ステップ ② 最後の「ログイン画面へ」ボタンから、または、サービスのトップ URL に直接アクセスしてください。

2. 3 つの項目を入力する

ログイン画面で、次の 3 つを入力します。

  • 組織 ID: システムが自動採番した組織 ID。届いた案内メール本文の「【重要】組織 ID」に書かれています。例: 100001
  • メールアドレス: サインアップ時に最初の管理者として入力したメールアドレス。
  • パスワード: ステップ ② で設定したパスワード。

一度ログインに成功した組織 ID は、お使いの端末のブラウザに記憶され、次回から自動で候補表示されます(最大 5 件、90 日間)。共用 PC の場合は「履歴をクリア」のリンクで消せます。

3. 「ログイン」ボタンを押す

3 つすべて入力したら 「ログイン」 ボタンを押してください。正しく認証されると、OnBoarding画面 が表示されます。 —— おめでとうございます、これで初回ログインは完了です。

スクリーンショット 2026-06-12 195244.png

(任意) 多要素認証(MFA)を有効化する

セキュリティをより強くしたい場合は、業務で使い始める前に MFA を有効にすることをおすすめします。スマートフォンの認証アプリで 6 桁の数字を入力する、あの仕組みです。

  1. 画面上部のメニューから 「設定」 を開く
  2. 「MFA を有効化する」ボタンを押す
  3. 認証アプリ(Google Authenticator、Authy、1Password など)で、表示された QR コードを読み取る
  4. アプリに表示された 6 桁の数字を入力して有効化

うまくログインできなかったときは

よくある原因とその直し方をまとめました。エラーメッセージ別にたためる形式にしています。

「組織 ID が違います」と表示される
  • 届いた案内メール本文の「【重要】組織 ID」をもう一度確認してください。 システムが自動採番した数字の ID です(例: 100001)。
  • 半角の数字 で入力されているか確認を。全角(日本語入力モード)だと見た目が似ていてもログインできません。
  • 過去にこの端末からログインに成功した組織 ID は、入力欄をクリック(空欄のまま)すると候補表示されます。
「メールアドレスが違います」と表示される
  • サインアップ時に入力したメールアドレスと 完全に同じ綴り か確認してください。
  • 会社で「メールエイリアス」(別名アドレス)を使っている場合、登録したのは別のアドレスかもしれません。サインアップ完了時の案内メールが、どのアドレス宛に届いたか確認を。
「パスワードが違います」と表示される
  • パスワードマネージャから貼り付けた場合、前後に余分な空白が入っていないか 確認を。
  • 何度も間違えると、30 分間ログインができなくなります。 ロックされる前に正しい情報を確認してください。
パスワードを忘れてしまった
  • ログイン画面の 「パスワードをお忘れですか?」 をクリック。
  • 組織 ID + メールアドレス + リカバリーコード(1 個) を入力します(リカバリーコードは、ステップ ② で保存した 10 個のうち未使用の 1 つ)。
  • 本人確認が完了すると、新しいパスワードの設定画面に進みます。

リカバリーコードもなくした場合は、お問い合わせフォーム から運営にご連絡ください(種別「たすきばに関するお問い合わせ」)。

案内メール自体が届いていない
  1. 迷惑メールフォルダ を確認。
  2. 1〜2 分待ってから 受信箱を更新(メールサーバの都合で遅れることがあります)。
  3. 法人メールの場合、社内の受信ルールで自動ブロックされている可能性があります。情シス担当の方に確認を。
  4. それでも届かなければ、成功画面の 「メールを再送する」ボタン を利用してください(60 秒に 1 回まで)。

まとめ — オンボーディング設計チェックリスト

最後に、本記事の設計判断を「自分の SaaS でも使えるチェックリスト」にして再掲します。

設計項目 効果 あなたのプロダクトでは?
識別子はユーザーに考えさせず自動採番 入口での思考停止を防ぐ
確認メール送信画面に自己解決導線を常設 「不達=離脱」を削減
設定リンクに有効期限 + 再送導線 翌日再開でも詰まらない
使い捨てリカバリーコードでセルフ復旧 問い合わせ・属人化を削減
成功した識別子を端末に記憶 再ログインの摩擦をゼロに
連続失敗時のロック + MFA 任意化 利便性とセキュリティの両立

「最初の 5 分」をどれだけ滑らかにできるかは、機能の多さより 離脱率に直結 します。サインアップ直後の数画面こそ、いちばん丁寧に設計する価値があります。

本記事のオンボーディングは、運用中の SaaS 「たすきば Knowledge Relay」 で実際に動いている画面そのものです。「こんな初歩的なことを聞いていいのかな」とためらう必要はまったくありません。ログインまでつまずきなく進めていただくこと が、このオンボーディングのいちばんの目的です。

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