テスト手法の体系整理
はじめに
2025年10月のプロジェクトマネージャ試験受験を終え、2026年春の情報処理安全確保支援士に向けて勉強中です。
本記事を含めた各知識のインデックスや学習の道のりについては、「情報処理安全確保支援士への道のり(随時更新中)」をご参照ください。
本記事は学習した内容を記載しています。
該当問題
テスト手法の全体像(位置づけ)
ソフトウェアテスト手法は、大きく次のように整理できます。
| 観点 | 主な分類 |
|---|---|
| 設計方法 | 仕様ベース/経験ベース/モデルベース |
| 実施主体 | 人手中心/自動化中心 |
| 網羅性 | 高(体系的)/低(探索的) |
探索的テスト(Exploratory Testing)
定義(ISTQB 用語集)
探索的テストとは、テスト設計/実行/評価を同時並行で行うテスト手法です。
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| テストケース | 事前に詳細設計しない |
| 実施者 | テスト技術/ドメイン知識に依存 |
| 強み | 想定外の不具合を発見しやすい |
| 弱み | 再現性/網羅性が低い |
適用場面
- アジャイル開発
- UI/UX評価
- 新機能の初期検証
→ 「経験/直感を活かすテスト」 である点がポイント
実験計画法(Design of Experiments:DOE)
定義(統計的品質管理)
実験計画法とは、複数要因が結果に与える影響を、最小回数の試験で効率的に分析する手法です。
テストへの応用
- 全組合せテスト(総当たり)は現実的でない
- 直交表などを用いて 代表的な組合せのみテスト
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 背景理論 | 統計学 |
| 目的 | 効率的な網羅 |
| 強み | 工数削減 |
| 弱み | 相互作用の見落とし可能性 |
試験でのキーワード
- 直交表
- 要因と水準
- 組合せ最適化
状態遷移テスト(State Transition Testing)
定義(ISO/IEC/IEEE 29119)
状態遷移テストとは、システムの状態と遷移をモデル化し、遷移パターンを検証するテスト手法です。
モデル化の例
- 状態:ログアウト/ログイン/ロック
- イベント:入力/タイムアウト/エラー
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| モデル | 状態遷移図 |
| 対象 | 状態依存のシステム |
| 強み | 異常遷移検出 |
| 弱み | 状態爆発の可能性 |
適用例
- 認証/セッション管理
- 業務ワークフロー
- プロトコル実装
モデルベースドテスト(Model-Based Testing:MBT)
定義(ISO/IEC 29119)
モデルベースドテストとは、システムの仕様や振る舞いをモデル化し、そのモデルからテストケースを生成する手法です。
使用されるモデル
- 状態遷移モデル
- UML(状態図/アクティビティ図)
- 数理モデル
特徴
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| テスト生成 | 自動生成可能 |
| 網羅性 | 高い |
| 強み | 再現性/品質向上 |
| 弱み | モデル作成コスト |
→ 状態遷移テストは MBT の一種 と捉えることができます。
各手法の比較
| 手法 | 設計方式 | 網羅性 | 属人性 |
|---|---|---|---|
| 探索的テスト | 経験ベース | 低 | 高 |
| 実験計画法 | 統計モデル | 中 | 低 |
| 状態遷移テスト | 状態モデル | 高 | 中 |
| モデルベースドテスト | 仕様モデル | 非常に高 | 低 |
周辺知識:その他の代表的テスト手法
同値分割/境界値分析
- 入力値テストの基本
- ブラックボックステストの代表例
ペアワイズテスト
- 実験計画法の簡易応用
- 任意の2要因の組合せを網羅
静的テスト
- レビュー、静的解析
- 実行しないテスト