収監したDevuanにPGIコンパイラをインストール #FreeBSD

愚痴

FreeBSD 12になったのでIntel内蔵グラフィックスが動くかなと思い、wikiに従ってやってみました。
残念ながら、panicになりnvidiaに戻しました。

妄想

FreeBSDにはLinuxバイナリ互換機能があるので、Linuxを収監（jailにインストール）したらPGIコンパイラが入るのではないか、あわよくばGPUが使えたりして...

先達

探してみると先達がいました。Systemdが問題なのでDebianでなくDevuanを使えとのこと。詳細は先達参照ですが、メモしておきます。

監獄の準備と収監

Linuxバイナリ互換機能

/etc/rc.confでlinux_enable="YES"
emulators/linux_base-c7をインストール

# pkg install linux_base-c7

監獄用

ルートファイルシステムをZFSでインストールしていたので、監獄用のファイルシステムを準備しました。

# zfs create zroot/jail
# zfs create zroot/jail/devuan
# zfs set mountpoint=/jail zroot/jail

収監

sysutils/debootstrapをインストール
Devuanのインストール (bootstrap)

32ビットマシンではamd64でなくi386にしましょう。

# debootstrap --foreign --arch=amd64 stable /path/to/jail http://deb.devuan.org/merged/

Linux用ファイルシステムのマウント

マウントするファイルシステムを分けて書いておきます。

/etc/fstab.devuan

## Mountpoints for Devuan jail
# Dev       mountpoint        FS        Options           Dump/Check
linprocfs   /jail/devuan/proc linprocfs rw,late 0 0
linsysfs    /jail/devuan/sys  linsysfs  rw,late 0 0
tmpfs       /jail/devuan/tmp  tmpfs     rw,late,mode=1777 0 0

ファイルシステムをマウントする。

# mount -F /etc/fstab.devuan `pwd`/sys
# mount -F /etc/fstab.devuan `pwd`/proc
# mount -F /etc/fstab.devuan `pwd`/tmp
# mount -t devfs none dev

Devuanの世界へ

パッケージの最終調整。エラーが出てもインストールされていることがあるようです。base-filesとsysvinit-coreが部分的にconfigureされている（iF）ことを確認。私の環境では、sysvinit-coreはiFになっていました。

# chroot /path/to/jail /bin/bash
# dpkg --force-depends -i /var/cache/apt/archives/*.deb

PGI Community Editionのインストール

いよいよPGI Community Editionをインストールします。FreeBSDでダウンロードしておきます。Devuanにもっていくのは、単に/jail/devuan/rootにmvするだけ。jailって便利。

gccのインストール

ドキュメントのInstallation Guideを見るとgccが必要とのこと。

# apt install build-essential file

ドキュメントに従ってhello.cを書いて実行し、fileコマンドでどんなファイルか確認します。確かにELF 64-bitになっています。感動。

# file hello_64
hello_64: ELF 64-bit LSB shared object, x86-64, version 1 (SYSV), dynamically linked, interpreter /lib64/ld-linux-x86-64.so.2, for GNU/Linux 2.6.32, BuildID[sha1]=f410c6f83a7043cba28009b0ddc8c597b9c9804b, not stripped

PGIのインストーラの実行

ディレクトリを作ってその中に展開しましょう。

# mkdir pgi
# cd pgi
# tar zxvf ../pgilinux-2019-1910-x86-64.tar.gz

あるはずのlibncurses.so.5が見つかりませんでした。LD_LIBRARY_PATHに入れて実行しても同じでした。
/lib64/ld-lsb-x86-64.so.3が見つからないというエラー。ライセンス管理に使うようなのですが、PGI Community Editionではライセンスサーバは使わないので関係なさそう。

jailの設定

以下の設定をすれば、# jail -c devuanで起動、# jexec devuan /bin/bashでDevuanに入り、bashが起動します。

/etc/jail.conf

devuan {
    host.hostname = "devuan.jail";
    interface = lo0;
    ip4.addr = 127.0.0.5;
    path = "/jail/devuan";
    exec.start = "/etc/init.d/rc 3";
    exec.stop = "/etc/init.d/rc 0";
    persist;

    mount.devfs;
    mount.fstab = /etc/fstab.devuan;

    allow.mount;
    allow.mount.devfs;
}

一般ユーザの環境設定

# adduser fooで一般ユーザを作りました。# su fooで一般ユーザになって環境変数を設定します。

.bashrc

PGI=/opt/pgi
PATH=$PGI/linux86-64/19.10/bin:$PATH
MANPATH=$MANPATH:$PGI/linux86-64/19.10/man
LM_LICENSE_FILE=$PGI/license.dat
export LM_LICENSE_FILE

FortranのHello Worldも問題なく動作しました。しかし

$ pgaccelinfo
No accelerators found.
Try pgaccelinfo -v for more information

残念。