はじめに
低スペックで良いので、気軽に持ち運べてかつ最低限の開発ができる環境がほしいと思い、海外の安価なPCにLinux Mintを導入してみました。
その時の備忘録になります。
Linux Mint とは
Linux MintはLinuxディストリビューションの一つで、Ubuntuをベースとして開発されています。
ユーザー数においてはUbuntuを超えており、人気のディストリビューションのひとつです。
現行バージョンは19.1となっており、2023年4月までセキュリティアップデートが提供されます。
デスクトップ環境として、Mate、Xfce、KDE, Cinnamonの4つエディションがあり、その中でもXfceとMateは低スペックPCでも比較的軽快に動作します。
どれを使えばいいのかわからない場合はMateがおすすめです。
システム要件
Linux Mint Mateのシステム要件は以下のようになっています。
- CUP:x86 プロセッサ
- メモリ:512MB メモリ (1GB以上を推奨)
- ディスク:9GB (20GB以上を推奨).
- グラフィックス:800×600 (1024×768 以上を推奨).
- その他:DVDドライブまたはUSBポートが必要
今回は以下のスペックのPCに入れてみました。
- ASUS E203MA US版
- CPU:Celeron n4000
- メモリ:2GB
- ストレージ:32GB(eMMC)
- グラフィックス:1366x768
- OS:Windows 10
ライブUSBメモリの作成
LinuxをインストールするためにライブUSBメモリの作成をします。
- 事前に以下のものを準備
- USBメモリ(4G 以上)
- Linux Mint イメージファイル(Ver 19.1)
公式:http://www.linuxmint.com/download.php (DLが遅いので理研のがおすすめ)
理研:http://ftp.riken.jp/Linux/linuxmint/isos/stable/19.1/ - Rufusの入手 (起動可能なUSBドライブを作成するオープンソースのソフト)
公式:https://rufus.ie/
- USBメモリをPCに挿し、Rufusを起動する
- 以下の設定をして「スタート」をクリック
デバイス:用意したUSBメモリを指定
ブートの種類:「選択」をクリックし入手したLinux Mint イメージファイルを指定 - 新しいバージョンのSyslinuxをダウンロードのダイアログが表示されるので「はい」をクリック
- 「ISOHybrid」イメージが検出されるとダイアログが表示されます。
ISOイメージモードで書き込む を選択し、「OK」をクリック - 最終確認のダイアログが表示されるので「OK」をクリック
- ディスクへの書き込みが始まりますので書き込みが終わるまで待ちましょう。
- 書き込みが終わったらライブUSBメモリの完成です。
参考:https://linuxfan.info/make-linux-install-usb-on-windows
Linux Mintのインストール
ライブUSBメモリが完成したら、PC本体にLinuxをインストールします。
私が用意したPCは容量が32GBしかないでデュアルブートではなく、シングルブートでインストールします。
- USBメモリを指した状態でPCを起動しBIOSメニューを開く (E203MAの場合 起動後F2で起動)
- boot menu で「USB」を選択
- コンソールメニューが立ち上がるのでその中の
Start Linux Mint 19.1 Mate 64-bit を選択すると
Linux Mint が立ち上がります。 - Linux Mint が立ち上がったら、デスクトップにある Install Linux Mint をクリック
- 言語設定:日本語 を選択
- キーボードレイアウト:通常は日本語で良いですがUSキーボードの場合は「英語US」を選択してください。
- Wifi設定:この時点では設定する必要はないです。
- インストールの準備画面:サードパーティをインストールするをチェック
- インストールの種類:ディスクを削除してLinux Mintをインストールをチェックし「インストール」をクリック
- 確認ダイアログが表示されるので「続ける」をクリック
- タイムゾーンの選択:「Tokyo」を選択
- ログイン情報の入力:ユーザー名とパスワードを入力し「続ける」をクリック
- インストールが始まるので終わるまで待つ。
- 終わるとダイアログが表示されるので再起動しましょう。
- 再起動したら、「Please remove the installation medium, then press Enter.」と表示されるのでUSBメモリを抜いてEnterを押す。
- ログイン画面が表示されるので「12.」で入力したログイン情報でログイン
- 以上で Linux mint のインストールの完了です。
参考:https://toshio-web.com/linuxmint19-install
パッケージのアップデート
インストールが完了したら早速以下のコマンドを実行し、最新の状態にしましょう。
# パッケージのアップデート
sudo apt update
sudo apt upgrade
日本語入力設定
初期状態では日本語入力ができません。
日本語入力ためにパッケージをインストールする必要があります。
- Linux menu>コントロールセンター>[ルック&フィール]入力方法>日本語 を選択
- Install ボタンがあるのでそれをクリック
- インストールするパッケージが表示されるので「contnue」をクリック
- 認証ダイアログが表示されるのでパスワードを入力
- Input Methodで「Fcitx」を選択し、再起動してください。
- 以上で日本語入力設定が完了します。 ctrl + space で切り替えできると思います。
参考:https://www.hiroom2.com/2018/07/17/linuxmint-19-japanese-input-method-ja/
vimのvi互換モードのoffとbackspaceの有効化
vimはデフォルトでvi互換モードで起動されます。
それらの設定を解除して使いたい場合は以下の対応をする必要があります。
vi ~/.vimrc
以下の記述をしてください
# vimのvi互換モードのoff
set nocompatible
# backspaceの有効化
set backspace=indent,eol,start
参考:https://qiita.com/blue_camel/items/e2bd59a3b33acd5edfd0
スクロールジェスチャーの設定
ノートPCにインストールした場合、スクロールジェスチャーを設定しておくことをおすすめします。
メニュー>コントロールセンター>[ハードウェア]マウス>タッチパッド を開き、以下の設定をする。
- 「水平二本スクロール」にチェック
- 「水平二本スクロール」にチェック
- 「自然なスクロールを有効にする」にチェック
ジェスチャーライブラリの導入
初期のLinux Mintで設定できるジェスチャーは右クリックとスクロールぐらいなので、libinputというライブラリを使い、様々なジェスチャーを導入できるようにします。
# 自分のユーザーをinput groupに入れる
sudo gpasswd -a $USER input
# 必要なライブラリをインストールする
sudo apt-get install xdotool wmctrl libinput-tools
# libinput-gestures のクローンとインストール
git clone http://github.com/bulletmark/libinput-gestures
cd libinput-gestures
sudo ./libinput-gestures-setup install
# 設定ファイルを作成
vi ~/.config/libinput-gestures.conf
libinput-gestures.confは以下のように記載(好みに合わせてカスタマイズしてください。)
# 4本指上スワイプでウィンドウを最大化
gesture swipe up 4 xdotool key alt+control+d
# 4本指下スワイプでデスクトップを表示
gesture swipe down 4 xdotool key alt+control+d
# 4本指左スワイプでワークスペースを右に移動
gesture swipe left 4 xdotool key alt+control+Right
# 4本指右スワイプでワークスペースを左に移動
gesture swipe right 4 xdotool key alt+control+Left
# 3本指左スワイプで次のページへ
gesture swipe left 3 xdotool key alt+Right
# 3本指右スワイプで前のページへ
gesture swipe right 3 xdotool key alt+Left
上記の設定後以下のコマンドでリスタートしてください。
libinput-gestures-setup restart
※上記コマンドで権限エラーが発生する場合があります。その際は再起動すれば解決することがあります。
まとめ
今回はASUS E203MA US版 という超格安PC(amazon.comだと1万8000円程度で入手可能)にインストールしてみましたが、VSCodeやブラウザの動作、Youtubeの再生など問題なく動作しました。
ただ、Chromeなどを使うとすぐメモリがいっぱいになるので、4GB以上のメモリを搭載しているPCやVivaldiなど軽量ブラウザを使うことをおすすめします。
※E203MAの日本版はメモリを4G積んでいるようなので基本そっちをおすすめします。