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Agentforce Sales Coach を触ってみた

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はじめに

前回は、SalesforceのAI機能全体像を整理する記事を書きました。

前回記事
SalesforceのAI機能を全体像から整理してみた

前回の記事では、

  • Salesforce は業務基盤
  • Einstein はAI機能群
  • Agentforce はAIエージェント基盤
  • Sales Coach はその上で動く具体的な機能

という形で、SalesforceのAIまわりを大きな地図として整理しました。

そのうえで次に気になってきたのは、やはり
「Sales Coachって実際どうなのか」
という点でした。

名称や位置づけは分かってきても、実際に触る前は正直まだイメージがぼんやりしていました。

  • 営業向けのAIチャットなのか
  • ロールプレイとはいっても、どこまで実用的なのか
  • 標準機能のままで使えるのか
  • それとも、かなり調整が必要なのか

このあたりは、説明を読んでいるだけでは掴みきれませんでした。

そこで今回は、Agentforce Sales Coach に絞って、実際に触って確認した内容 を整理します。
SalesforceとAgentforceの関係性など、全体像の話は前回記事に譲り、この記事では Sales Coach を触ってみて何が見えたか を重視してまとめます。


Agentforce Sales Coach とは

Agentforce Sales Coach は、営業担当者が商談の会話練習やロールプレイを行い、その内容に対して AI からフィードバックを受けられる機能です。

前回記事では、Sales Coach は Agentforce 上で動く営業支援機能のひとつとして整理しました。
今回はその中でも、この Sales Coach 自体がどのような機能なのかを見ていきます。

自分が最初に抱いていた印象は、「営業向けのAIチャット」に近いものでした。
ただ、実際に調べたり触ったりしていくと、Sales Coach は単なるチャットというよりも、営業ロールプレイと会話改善を支援する機能 として理解したほうがしっくりきました。

たとえば、次のような使い方がイメージしやすいです。

  • 商談の進め方を練習する
  • 提案時の受け答えを壁打ちする
  • 会話後に改善点や次のアクションを確認する

営業活動をその場で代行するAIというより、
営業会話の練習相手兼、フィードバック役
という位置づけで見ると分かりやすいと感じています。


最初に押さえておきたいポイント

Sales Coach を見ていくうえでは、細かい用語を先に覚えるというより、
「Sales Coach では何ができるのか」 をシンプルに押さえておくほうが理解しやすいと感じました。

自分としては、まず次の2つで捉えると分かりやすかったです。

1. ロールプレイ形式

Sales Coach では、営業担当者が顧客との商談を想定して会話練習を行えます。
AI が相手役となってやり取りできるため、提案の進め方や受け答えを壁打ちするイメージに近いです。

たとえば、

  • 顧客へのヒアリングの進め方を練習する
  • 提案時の会話を試してみる
  • 商談ステージに応じた受け答えを確認する

といった使い方ができます。

2. フィードバック形式

ロールプレイをしたあとに、その会話内容に対して AI からフィードバックを受けられるのも Sales Coach の特徴です。

ここで返ってくるのは単純な採点というより、

  • 今回のやり取りをどう見たか
  • どこが良かったか
  • 次に何を意識するとよいか

といった内容で、営業レビューを簡易的に返してくれるような印象でした。

商談ステージ

Sales Coach では、商談の段階に応じた観点でロールプレイやフィードバックが行われます。
たとえば Qualification、Needs Analysis、Proposal、Negotiation / Review などがあります。

トピック / 指示文

Sales Coach がどのような前提で会話し、何を重視してフィードバックするかに影響する設定要素です。
今回触ってみて、この部分の影響はかなり大きそうだと感じました。


最初にどう学び、どう環境を用意したか

いきなり Sales Coach を触り始めたというより、最初は全体像をつかむところから入りました。

最初に見たのは、主に次のようなものです。

  • Trailhead
  • セミナー動画、録画コンテンツ

最初の段階では、いきなり設定画面を見るよりも、
「Agentforce for Sales の中で Sales Coach がどういう位置づけなのか」
をざっくり理解するのが先だと感じました。

特に、Trailhead やセミナー動画、録画コンテンツは、機能の細かい話に入る前に、何を目指す製品なのかをつかむのに役立ちました。

自分が最初に見たセミナー動画は、次のものでした。

そのうえで、実際に手を動かす入口として、まず Trailhead Playground で触り始めました。

  1. Playground を作成する
  2. 1つ目のセールスコーチを構築する
  3. Agentforce セールスコーチの設定とカスタマイズ

最初は、どこまで本格的に検証できるのか半信半疑な部分もありましたが、Trailhead で最初の導線を触ることで、

  • どんな設定項目があるのか
  • 何を前提に動くのか
  • どういう体験を目指しているのか

を把握しやすかったです。

いきなり細かいチューニングに入るというより、
まずは Playground で一通り流れを掴む のが入りやすいと感じました。

その後、もう少し実際の検証を意識して、パートナー向けのデモ環境も活用しました。

自分は、Partner Learning Camp の案内や手順書を参考にしながら環境を確認しました。

Trailhead で最初の導線を学ぶだけでも理解は進みましたが、実際にデモ環境を触ってみると、設定や使い方の見え方がかなり変わりました。

なお、デモ環境はパートナーであれば無償で30日間利用できる案内があり、必要に応じてパートナーケース起票で延長できるようでした。
このあたりは、検証を始める前に軽く見ておくと安心だと思います。

参考にした延長関連の資料は以下です。


今回の検証で見たポイント

最初に、今回どんな観点を確認したかを整理しておきます。

観点 確認したかったこと
基本機能 どのような流れでロールプレイとフィードバックが行われるか
フィードバック内容 どのような観点で評価・助言が返るか
ステージ別の違い Qualification、Proposal などで内容が変わるか
トピック / 指示文 指示内容を変えると応答が変化するか
データ参照 商談情報や関連データをどう使うのか
保存 / 連携 フィードバック結果を業務に残せるか
実務活用性 どんな用途なら使えそうか

今回は特に、Proposal(提案・見積)まわり を中心に見ました。


実際に触ってみた

1. 最初の印象よりも、かなり用途が分かりやすかった

最初に触って感じたのは、Sales Coach は思っていたよりも用途が分かりやすい機能だということです。

Agentforce という言葉だけを見ると、どうしても「自律型AIエージェント」という広い印象になりがちです。
そのため、Sales Coach も最初は「何でもできる営業支援AI」っぽく想像していました。

ただ、実際にはかなり用途が具体的でした。

  • 営業担当者が話す
  • AI が相手役になる
  • 会話後にフィードバックが返る

という流れが明確なので、
何のための機能なのかがすぐ見えやすい のはよい点だと感じました。

一方で、触ってみて分かったのは、価値の中心は「会話できること」そのものではないということです。
むしろ大事なのは、

  • どんな観点でフィードバックが返るか
  • そのフィードバックが営業活動に役立つか
  • どこまで業務文脈を踏まえてくれるか

のほうでした。

2. 想像していた“採点機能”より、かなりコーチング寄りだった

Sales Coach という名前から、最初は
「ロールプレイ後に点数や簡単なコメントが返る機能」
くらいのイメージを持っていました。

ただ、実際に見てみると、思ったよりもコーチング寄りでした。

会話後のフィードバックでは、たとえば次のような形で整理されます。

  • Deal Summary
  • Overall Impression
  • Key Strengths
  • Next Steps

この構成を見て、単に「良かった / 悪かった」を返しているわけではないと感じました。

  • 今回のやり取りをどう見たか
  • どこが良かったか
  • 次に何を意識すべきか

まで含めて返そうとしているので、
単純な採点というより、
営業レビューを簡易的にその場で返してくれる感覚
に近いです。

ここは、触る前よりかなり印象が良くなったポイントでした。

3. 商談ステージごとに評価の視点が変わるのが面白かった

Sales Coach では、商談ステージに応じた観点が用意されています。

たとえば、次のようなステージです。

  • Qualification
  • Needs Analysis
  • Proposal
  • Negotiation / Review
  • Certification

今回は時間の都合もあり、主に Proposal(提案・見積) を中心に見ました。

ここで分かったのは、Sales Coach は単に会話の自然さや文章の上手さを見ているわけではなさそうだ、ということです。

Proposal の文脈では、たとえば

  • 顧客課題に対して提案がつながっているか
  • 提案内容が具体的か
  • 次のアクションにつながる会話になっているか

といった観点で見ようとしている印象がありました。

最初は「結局どのステージでも似たような会話評価なのでは」と思っていたのですが、
実際には、営業プロセスに沿って見方を変えようとしている
のが面白いポイントでした。

4. 触ってみて一番気になったのは、トピックや指示文の影響の大きさ

今回見ていて、一番「ここが大事そうだ」と感じたのはここです。

最初は、標準機能としてある程度完成された振る舞いが用意されていて、有効化すればかなりそのまま使えるのではないか、というイメージを持っていました。

ただ、実際に見ていくと、その見方は少し変わりました。

Sales Coach は確かに標準機能として体験できますが、実際の質を左右しそうなのは、

  • 何を重視してほしいか
  • どんな前提で会話してほしいか
  • どのような営業シナリオなのか
  • どういう観点でフィードバックしてほしいか

といった、文脈の与え方 だと感じました。

つまり、
「有効化したらすぐ万能に使える」というより、
使いたい営業シーンに合わせて、どう設定・設計するかが大事な機能
という印象です。

5. データや前提情報が薄いと、やはり一般論寄りになる

これはある程度予想していたものの、改めて重要だと感じた点です。

営業ロールプレイを成立させるには、実際にはかなり多くの前提情報が必要です。

  • 顧客企業の情報
  • 商談の背景
  • 提案対象の製品やサービス
  • 現在のステージ
  • 次に取りたいアクション

こうした情報がしっかりあるかどうかで、会話の質は変わります。

逆に、前提情報が薄い状態だと、返ってくる内容もどうしても一般論寄りになります。

ここは「Sales Coach の限界」というより、
Sales Coach の価値を高めるには何が必要か
が見えたポイントでした。

6. “会話して終わり” ではなく、結果をどう残すかまで考えたくなった

最初は、Sales Coach はその場でロールプレイして終わる機能という印象もありました。
ただ、業務で使うことを考えると、そこでは終わらないはずです。

実際に触ってみると、むしろ気になってきたのは

  • フィードバック内容をレコードに残せるか
  • Flow などで後続処理につなげられるか
  • 学習履歴や育成記録として扱えるか

という点でした。

特に、
フィードバック後の内容をレコードに保存する
という考え方はかなり相性がよさそうだと感じました。

Sales Coach 単体で完結するというより、
Salesforce上のデータや業務フローとつなげて初めて価値が高まる
機能だと感じています。


検証して見えてきたこと

今回触ってみて、特に印象に残ったのは次の3点です。

1. 想像以上に“営業育成”寄りの機能だった

最初は営業支援AIという印象が強かったのですが、実際には
営業担当者をその場で支援するというより、営業育成やロールプレイ支援に強い
機能だと感じました。

2. 標準機能だけで完結するというより、調整前提で見たほうがよい

触る前は「標準機能の完成度」を気にしていましたが、実際には、トピック、指示文、参照データなどの影響がかなり大きそうでした。

そのため、
「そのまま使えるか」よりも、
どう自社向けに整えるか
という視点で見たほうがよさそうです。

3. 学習コンテンツと検証環境は、セットで進めたほうが理解しやすい

今回やってみて、Trailhead や動画で概要を掴むだけでも理解は進みましたが、実際に手を動かしてみると見え方がかなり変わりました。

逆にいうと、
学習コンテンツを見ることと、実際に検証環境で触ることはセットで進めたほうが理解しやすい
と感じました。


まとめ

Agentforce Sales Coach を実際に触ってみて、単なる営業向けAIチャットではなく、
営業ロールプレイとフィードバックを通じて、会話の質を高めるための機能
として理解するとイメージしやすいと感じました。

特に印象に残ったのは、次の点です。

  • 商談ステージごとの観点で会話を見てくれる
  • フィードバックが思ったよりコーチング寄り
  • トピックや指示文の影響が大きい
  • データや文脈の与え方で体験が変わる
  • 学習コンテンツを見るだけでなく、実際に環境で触ると理解が進む
  • 組織の有効期限や延長方法も最初に軽く見ておくと進めやすい

今回触ってみて、Sales Coach は「AIが何を返すか」だけを見る機能ではなく、
どういう前提を与え、どういう営業体験を作るかを見る機能
なのだと思うようになりました。

これから触る方も、まずは

  1. Trailhead や動画で全体像をつかむ
  2. Playground やデモ環境で実際に触る
  3. フィードバックや設定差分を見る
  4. 必要に応じて環境期限や延長方法も確認する

という流れで進めると入りやすいと思います。

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