はじめに
OCI(Oracle Cloud Infrastructure)で東京リージョンにおけるCompute、ここではBM.Standard3.64のキャパシティを確認する手順を紹介します。
確認するためにはOCI CLIのセットアップが必要となります。OCIコンソールのCloud Shellであれば、すでにセットアップ済みなので簡単に実施することができます。
環境セットアップ
手元のWindows PCでのOCI CLIのセットアップ方法はこちらをご確認ください。
OCI Cloud Shellを使う場合は、コンソールの右上にある[Cloud Shell]をクリックしてください。

Cloud ShellはOCI CLIがセットアップ済みの環境のため、すぐに実行することができます。
環境ごとの固有値の取得
キャパシティを確認するために以下の情報が必要です。
コンパートメントIDの取得
OCIコンソールのアイデンティティとセキュリティ>アイデンティティ>コンパートメント>コンパートメントの詳細ページでOCIDをコピーしてください。
可用性ドメイン情報の取得
OCIコンソールのコンピュート>インスタンス>インスタンスの作成画面で確認できます。xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1のxxxx部分がテナンシごとの固有値なので控えておいてください。
東京リージョン全体でキャパシティを確認する方法
以下のコマンドで東京リージョンにおけるBM.Standard3.64のキャパシティを確認できます。
--region ap-tokyo-1でリージョンを指定します。大阪の場合はap-osaka-1です。
--compartment-idでコンパートメントIDを指定します。
--availability-domain xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1でADを指定します。xxxxはテナンシ固有の値です。
oci --region ap-tokyo-1 compute compute-capacity-report create --availability-domain xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1 --compartment-id xxxxxx --shape-availabilities '[{"instanceShape": "BM.Standard3.64"}]'
結果は以下のように表示されます(結果は一例です)。
{
"data": {
"availability-domain": "xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1",
"compartment-id": "xxxxxx",
"shape-availabilities": [
{
"availability-status": "AVAILABLE",
"available-count": null,
"fault-domain": null,
"instance-shape": "BM.Standard3.64",
"instance-shape-config": null
}
],
"time-created": "2025-07-12T06:46:53.377000+00:00"
}
}
利用可能な場合、availability-statusが"AVAILABLE"、利用不可の場合は"OUT_OF_HOST_CAPACITY"と表示されます。
フォルト・ドメインごとにキャパシティを確認する方法
FD単位で詳細にキャパシティを確認したい場合は、以下の手順でJSONファイルを用意して実行します。
まずサンプルのJSONを出力します。
oci --region ap-tokyo-1 compute compute-capacity-report create --generate-param-json-input shape-availabilities > shape-availabilities.json
出力されたサンプルJSONファイルを確認します。
[
{
"faultDomain": "string",
"instanceShape": "string",
"instanceShapeConfig": {
"memoryInGBs": 0.0,
"nvmes": 0,
"ocpus": 0.0
}
},
{
"faultDomain": "string",
"instanceShape": "string",
"instanceShapeConfig": {
"memoryInGBs": 0.0,
"nvmes": 0,
"ocpus": 0.0
}
}
]
以下のように編集します。BMなのでOCPU数やメモリ容量は指定していません。
[
{
"faultDomain": "FAULT-DOMAIN-1",
"instanceShape": "BM.Standard3.64"
},
{
"faultDomain": "FAULT-DOMAIN-2",
"instanceShape": "BM.Standard3.64"
},
{
"faultDomain": "FAULT-DOMAIN-3",
"instanceShape": "BM.Standard3.64"
}
]
FDごとのキャパシティのレポートを出力します。
--region ap-tokyo-1でリージョンを指定します。大阪の場合はap-osaka-1です。
--compartment-idでコンパートメントIDを指定します。
--availability-domain xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1でADを指定します。xxxxはテナンシ固有の値です。
oci --region ap-tokyo-1 compute compute-capacity-report create --availability-domain xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1 --compartment-id xxxxxx --shape-availabilities file://shape-availabilities.json
結果は以下のように表示されます(結果は一例です)。
{
"data": {
"availability-domain": "xxxx:AP-TOKYO-1-AD-1",
"compartment-id": "xxxxxx",
"shape-availabilities": [
{
"availability-status": "AVAILABLE",
"available-count": null,
"fault-domain": "FAULT-DOMAIN-1",
"instance-shape": "BM.Standard3.64",
"instance-shape-config": null
},
{
"availability-status": "AVAILABLE",
"available-count": null,
"fault-domain": "FAULT-DOMAIN-2",
"instance-shape": "BM.Standard3.64",
"instance-shape-config": null
},
{
"availability-status": "AVAILABLE",
"available-count": null,
"fault-domain": "FAULT-DOMAIN-3",
"instance-shape": "BM.Standard3.64",
"instance-shape-config": null
}
],
"time-created": "2025-07-12T07:01:17.671000+00:00"
}
}
利用可能な場合、availability-statusが"AVAILABLE"、利用不可の場合は"OUT_OF_HOST_CAPACITY"と表示されます。
まとめ
東京リージョンにおけるBM.Standard3.64のキャパシティの確認をしてみました。
他のシェイプや他のリージョンでも確認することができるので試してみてください。
参考